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異世界の勇者は何を見る  作者: 小淵執悲
第1章 異世界召喚
20/50

20話

いろいろあり遅くなりました、申し訳ありません(。-人-。)

「おはようございます、力也様」


毎朝の訓練を終わらし部屋に戻るとミーナが迎えてくれる。既に習慣と言えるくらい繰り返したやり取りだ


「シャワーの準備をしておきました。料理の準備をしておくのでどうぞ」


「ありがと」


この流れももう一月になるのかと服をかごに脱ぎ入れながら考える


今日は10月の1日、俺らが召喚されて丁度一月ってことか


「今思えば英雄が嫌にやる気を出してから2週間くらい、全く見せに来ないな」


まあ今日見れるか


2週間弱前、クロとファーストコンタクトを取った日の次の日だったかさらにその次の日だったか忘れたがそのくらいに姫さんに言われた事には、外に出る許可は出た。だが俺らのお披露目をするクリスマス、12月25日までは勇者としては外に出さないと、兵に紛れて出ろとのことだ


シャワーを浴びながら追加で言われた情報を整理する


兵の危険区域への出張訓練に同行しての訓練、初参加となるのが今日だ


「あいつがどれだけのものになってるか、楽しみだな」


今日は魔法剣士隊の訓練に付き合うことになっている。大隊長は前模擬戦をしたがフルボッコにされた記憶しかない、なんか目の敵のようにボコられた。なんで?


まあいいや、姫さんほどじゃなかったしな


あとは隊長格のおっさんにドゥーカ・ファミリーの人がいたが、彼はなかなかいい獣人だった。純粋なパワーは半端ないわ身体強化の錬度も高いわ魔法も高威力だわでなかなか苦戦したが色々教えてくれてかなり為になった


創造魔法に関してはクロに教わりながら短刀の生成なら2本なら同時にできるようになった。刀はまだ1本が限界だが、まあ二刀流を使わなきゃいいだけだし問題ないな



『通常の武器の生成くらいもっと同時にできるようになれば楽じゃぞ?』



今は自分の扱える範囲でも十分だろ?それにクロがいりゃ短刀に暗器として同時にナイフとかも創れるし対人も対応できる



『今程度の魔力操作じゃ能力付加は夢のまた夢じゃぞ』



ぐ、それを言われたらおしまいだぜ。直ぐにでもできるようになりたいが魔力操作は難しいな、身体強化と違って自分から離れたところに魔力を集中させなきゃだからなあ


湯を止め、浴室から出て体を拭きながらクロに返す



『それもなかなか上手くなってきておるのじゃ。このまま戦闘中に武器の生成ができるレベルまで行けば一気に戦闘が楽になるんじゃがな』



動きながらの身体強化にすらあれだけ神経使ってるのに動きながら武器の生成とか…脳がキャパオーバーだよ



『魔力の扱いに慣れれば呼吸をするように身体強化はかけられるようになるから大丈夫じゃ』



…それはなんも大丈夫じゃねえよ



『そんな弱音を吐いておったら大隊長クラスには勝てんぞ?あの脳筋姫様が国王に言ってしまったのであろう?すぐにでも大隊長クラスだと』



…迷惑な話だ


「ミーナ、出たぞ」


「あ、はい…」


「どうした?髪になんかついてるか?」


「い、いえ、力也様は銀髪も良くお似合いだと思いまして…」


…これは既に何回かやったやり取りだ。2週間前、黒が解放された次の日には既に黒かった髪は完全に銀色へと変色していた


後で調べたところによれば魔力の属性、その強さに応じて髪や目の色はその属性を象徴する色となるらしい。俺はクロごと封印されてたから色が変わるのが変なタイミングになったんだろう。周りはみんなびっくりしていたが。ああ、英雄は全属性が合わさったせいで黒となってるみたいだ


だがこのやり取りも毎日ではないが3日おきくらいにやってるぞ…まあいいか


「朝食の準備があと少しで終わりますので、席におつきになってお待ちください」


「おう」



『じゃが現状でもそれなりにはやりあえたはずじゃ、なんで一昨日の魔法剣士隊の大隊長との模擬戦で主は体術を使わなかったのじゃ?』



ん?ああ、大隊長との模擬戦の話か。あれは単に身体強化と創造魔法でどこまでいけるかやってみたかったんだよ。ま、ボロボロだったが


思考が違うところに行ってて一瞬何の話か分からなくなっちまった



『しっかりせい。単純な身体強化の相手に魔法を当てられないようなものが大隊長なんてやってないって事じゃ。それに剣術もなかなかのものじゃったろ、まあ主の方が上手のようじゃが』



まあ剣術だけで見れば既に俺の方が上だが、魔法を含めて全体的に見ればまだまだ俺の負けだ



『ちゃんと見ておるのう…もしかして大隊長との力量差を測るために模擬戦を受けたのか?』



そうでもなきゃ受けないよ、大隊長クラスは早すぎる



『それもそうじゃな。ま、すぐにでも追い抜けるさ』



お前も言うか…


「力也様、準備が終わりました」


そう言っ二人用のサイズのテーブルの向かいにミーナが座る。はじめは毎回説得に労力を要していたが最近は諦めてくれたみたいだ


「おう、じゃあいただきます」


「はい、いただきます」


食事は魔物の肉を挟んだサンドイッチだ。結構重いが朝から訓練をしてくる俺に合わせてくれてる


「うん、相変わらず旨いな」


香辛料もしっかりと存在するこの世界では正直元の世界よりも食文化は発展しているように感じる…いや、魔物という存在によって素材のレベルがかなり高いのが理由か


「お口に合い何よりです。この肉はEランクの魔物ですので手ごろな値段なんですが、素材そのものに多少味があり調味料をあまりかけなくてもこのように良い味を出してくれるんです」


このひと月、メイド、まあミーナしか知らんがその実力を実感している。部屋は基本埃一つないわ、料理の腕は一流だわと現状言うことがない。ただ勇者という存在がこの世界、いや、この国にとって俺が思っていた以上に好意的に捉えられているためかたまに少し変な行動をすることまあるが


「そういえば、本日は外への出張訓練でしたよね?」


「ああ」


「身体強化を手に入れた時のような無理はしないでください?魔物は容赦ないですから、命を落としますよ」


前科があるから何も反論できないんだよなあ…でもこれで1週間言われ続けたことになるんだが


「分かってるよ。流石に心配しすぎだ」


「…すみませんでした」


ま、心配なんてされた事なかったから嬉しいんだがな



『それを表に出さないんじゃな、主は』



…出したら恥ずかしいだろうが



『思ったよりピュアじゃの』



うるさい


「ま、無理はしないから安心してくれ」


「はい。帰りをお待ちしています」



『良い娘じゃのう、良いお嫁さんになりそうじゃ』



お前はいったい何なんだよ



『まあ良いではないか』



お前が笑うと頭の中に響くんだよ、全く


「ふう、ごっそさん」


「ごちそうさまでした。片づけはしておきますので、先に準備をしましょうか」


「大丈夫、戦闘の準備は自分でするよ。片づけ頼むな」


「了解しました」


さてと、魔獣ってのはどんな奴なのかね

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