第五部隊隊長 御鏡 鏡夜
産まれてきた意味を識りたいと思う。
御鏡は鏡の前に立っていた。自らの顔を両の手で触っている。女性とも男性とも視られる顔。産まれてくる筈だった妹の顔。
『何故、自分が産まれたのか…。』
その意味を考えていた。だが考えても考えても…。その意味に正解があるとも思えなかった。哲学的だ。答えがあるのか…。答えは無いのか…。人は【死】を迎える時に、その答えを識る事は出来るのか…。
人は皆…。道化師みたいなモノだ。
答えがあるのかすら解らない人の生き死に意味を見出そうとする。そして…。ソレに自分なりの答えを当て嵌めようとする。
『僕は…。』
内なる道化師が嗤う。
ソレでも…。
『産まれてきた意味を識りたいと思う。』
コンコンと…。
ドアをノックする音が響いた。
「御鏡隊長。」
「どうしたの?」
「音無隊長が率いる第六部隊が全滅したとの事です…。」
「…。あの人が?」
「正確には音無隊長だけは無傷だったとの事ですが…。」
「…。」
御鏡の胸中に、厭な予感が膨れていく。第五部隊は諜報部隊でもある。その独自の調査力で、ある施設の事を調査していたのだった。特別精神閉鎖病棟【モルス】である。【KARMAウィルス】は人の心の闇を媒体とし様々な症状となる。
だからこそ…。特別精神閉鎖病棟【モルス】に囚われていた十人は何れ世界を揺るがす脅威となる筈だ。
「第六部隊の全滅に、溝呂木舞空が関係しているのか調べて下さい。僕の予想では…。彼が絡んでいる可能性が高い。」
「了解しました。」
鏡を視る。
鏡の中には妹がいた。
彼の者は思慮深く世界を観察する。
そして…。残酷に…。狂暴に…。
化物を駆逐していく。
御鏡鏡夜。
第五部隊隊長。【節制の咎】
【ハウス オブ トーチャー】
【鏡面世界】




