表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者が死んだ王都では  作者: 真知コまち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/74

 隠し事は程々に

∼前回のあらすじ∼


  胸の内を知られました


 笑って誤魔化す王女に、鬼の形相をした公爵娘が迫る。


「喧嘩を…するな!」

 投げ飛ばされた水入りのバケツが、二人の間を通過して、スパイの頭頂部に打音を立てて収まった。


 背中に寒気を感じた二人は、バケツが飛んできた方向に、ゆっくりと視線を移す。


「…聞け」

「結界発動時は、多くの兵士が、魔道具の護衛に充てられる」

「城内を知り尽くしている二人が協力すれば、兵士に見つかること無く、王の元へ辿り着けるはずだ」

「故に、このじんせんで行く…いいな?」

 二人に圧を掛ける姉は、こっそりと王女にだけ、ウインクを送る。


 「お姉様…」

  はぁ~助かった~

  欠陥の内容なんて知られたら、王都奪還きゅうしゅつ計画が中止になっていた

  でも、会話が聞こえていたなら、お姉様も欠陥の内容が気になるはず…

  まさか…記憶が残って・・・


  「ブラックボックス」

   足元の魔法陣が光を放つ。


 「え⁈」

  声の方を振り向くと、目を覚ましたスパイが、転移魔法を発動していた。

 「ちょっと!勝手に/


  「これ以上、危害を被るのはごめんだ」


 魔力の光に包まれた王女は、スパイが発動した転移魔法によって、部屋から姿を消した。


────────────────────────────────────


  見慣れた天井。見慣れた家具。見慣れ…修復途中の壁。

 「私の…部屋…」


   ふぅ~と安堵の息を吐く、スパイ。

  「よし!成功だな~」


 「ちょっと、待って・・・『成功』って何?」

  スパイの独り言を聞き逃さなかった王女が、鋭い目つきで、胸ぐらを掴み寄る。


  「あ~いや・・・まぁ、偽勇者が改良した魔法陣だからなぁ・・・」


 「つまり…服が消えるような欠陥が、こちらの魔法陣てんいまほうでも起きる可能性があったと?」


  「・・・はい」


 しばらく沈黙した後、胸ぐらの握りを離して、スパイの襟元を正す。

 

  「…あれ?優しい?怒らねぇのか⁇」

   予想と反する王女の反応こうどうに、どこか不安を懐く。

   

 「結果、問題は無かったのでしょ?」

 「でしたら、ちちの元へ向かいましょう!」

  優しい微笑みを放つ王女は、スパイの背中を急かすように押す。


  「・・・怪しい」

   王女の言動に不審感を募らせながらも、足を一歩、前に出した。その瞬間…

〖ゴン〗

 頭に衝撃が走った。

 

   その場で硬直するスパイの頭から、金盥たらいが落ちる。

  「・・・いってぇーーー!」

   頭を押さえて、よろけ倒れる、スパイ。


 「あ…」


〖ドン!〗

 尻餅をついたスパイが、音に驚いて下を向くと、股と足の間に、頭と同じサイズの石が転がっていた。


  「は、はは・・・はあ?」

   

  真っ青な顔を向けて返答を求めてくるスパイから、顔を背ける、王女。 

 「え~と…それはですね…侵入者(スパイ)撃退の魔法陣トラップです・・・」


  「と、いうことは・・・部屋から出られない俺は、ここで待機ってことか~」

   恐怖から嬉しさに変わった顔の綻びを、頭を抱えるフリをして隠す。


 「それがですね~転移魔法を感知して発動する仕掛け(トラップ)なので、私も発動対象でられないみたいで~」


  「・・・はぁ?」


 「で、ですから…扉までの魔法陣を、一つ、一つ、発動させて解除しないと…この部屋からは誰も出られません」


 ぬか喜びだと自覚したスパイは、真顔で天を仰ぐ。


 「だ、大丈夫ですよ~死なない程度に、設計されてあるはず…ですから…」


「・・・」

 足元の石と、王女の顔を、往復で三度見する、スパイ。


 「さ、三人で、一つ一つ解除はつどうして行けば、すぐに・・・あれ?」


 トラップの憂い(ひみつ)晴れた(しられた)王女は、冷静になった状態こころで辺りを見回し、一人(公爵娘)居ないことに気がついた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ