630.5 助っ人の正体
「やっほー、姉さん」
「・・・チェンジで」
「酷くない?可愛い妹が訪ねてきたのにさー」
チャイムが鳴って、遥香が出ると、そこには妹である瑠美が居た。健斗が出掛けたのが朝早く、そして現在遥香と千鶴は2人でまったりしていたが、予想外の客に思わず出た台詞だったのだ。
「るみおばちゃん?」
「おー、ちーちゃん久しぶり」
「久しぶりって、この前も会っただろ?」
「そうだけどさ、ついね」
「んで、何しに来たんだよ?」
「冷たいこと言うなー、2人のご飯を健斗くんから頼まれたんだよ」
勝手知ったる家だけあって、瑠美は躊躇なく入って冷蔵庫を覗く。
「ふむふむ、流石健斗くん。綺麗にしてるね」
「お前の場合、安いものはとりあえず買って仕舞う感じだからだろ?」
「姉さんはそれすら出来ないじゃん。まあ、私たち2人とも健斗くんに比べればダメすぎるんだけどさ。あ、ちーちゃんこれお土産ね」
そう言いながら、お菓子を渡す瑠美。千鶴は嬉しそうに微笑んでからお礼を言って読書に戻る。そんな姿を見て、瑠美は思わず呟いた。
「本当に、ちーちゃんも大きくなってきたねー」
「まあな」
「小学生か・・・そのうち反抗期きて、『お母さん嫌い!』なんて言われたらショックだね」
「普通、父親じゃないのか?」
「だって、反抗期でもちーちゃん、健斗くんを嫌うことは絶対無いでしょ?それに、ポジション的には姉さんになりそうだし」
否定できないのが、不思議な所だ。まあ、反抗期になった時にどんな風になるかは分からないが、少なくとも健斗を嫌いになる予想は出来なかった。
「というか、てっきり水瀬を呼んだのかと思ったんだが・・・」
助っ人が来るとメッセージが届いていたのだが、遥香としては水瀬が来るとばかり思っていたので少しだけ意外な人選だったのだ。
「その子にも声掛けたって言ってたかな?まあ、時間あったら様子を見に来て欲しいって頼んだみたいだよ」
「なるほどな、んで、昼は何を作るんだ?」
「うーん、肉うどんでもいい?」
「野菜多くても食えんからな」
「健斗くんのご飯だと食べるじゃん」
「あれは、アイツが食べれるように調理してるからだ。普通には食えない」
そんな相変わらずな姉に苦笑する瑠美。まあ、瑠美としても遥香と千鶴が健斗の料理でしか野菜を食べないのは知っていたので、特に気にすることもなく調理を進める。
相変わらず、整ってる上に使い勝手のいい台所は、流石健斗の仕事といったところだが、まあ、健斗ほどは家事が得意ではないので、気負わずに普通に作ることにするのだった。
いつの間にかカウント700話超えましたw




