553 結婚の感想
久しぶりの
「おう!人生の墓場の居心地はどうだ!」
「・・・最高だけど、第一声がそれ?あと、あんまり大声で言わないの」
何人かが顔を逸らしたじゃん。久しぶりに吉崎が連絡を寄越してきて、一緒に昼飯でも・・・なんて話になったのだが、店で待っていた吉崎がそんなことを初っ端に言うので呆れてしまう。
「そもそも、結婚式前に入籍はしてるからねぇ・・・変わったとしても些細なことくらいだよ」
「まあ、クラスメイトどころか俺の知り合いで最速の結婚だしな」
まあ、そうだろうね。卒業と同時に結婚したから独身期間がほとんど無いし。普通はそれに不都合があるのだろうが・・・俺としてはこんなに早くから一緒になれて、可愛い娘までいて子供も出来た。それが何よりも嬉しいのだ。
「結婚ってだけで驚きなのに子持ちなんだもんなぁ・・・これで妊娠とかしたらますます大変だな」
・・・あれ?話してなかったっけ?
「あー・・・実はな、出来たんだわ」
「ほー、何が?」
「子供」
「はぁ!」
めちゃくちゃ驚く吉崎。あー、やっぱり言ってなかったかぁ・・・まあ、前の時はなんか一瞬だったしなぁ。
「おま・・・言えよなぁ・・・」
「悪かったって。俺も初めてのことだからさ」
「んで?大丈夫なのか?」
「今年中には生まれそうかな」
「そっちじゃなくてさ・・・ほら、連れ子の方だよ。お前大丈夫か?」
ちゃんと平等に愛せるのか?そんなことを思ったのだろう。相変わらずの心配をする吉崎に俺は苦笑して言った。
「血の繋がりなんて些細な問題だよ。俺は千鶴を娘として愛してるし、子供が生まれてもそれは変わらない。その子も全力で愛するだけだよ」
「・・・なんか、カッコイイな」
「そうか?」
「前から妙に大人びてるというか年寄り感があったが・・・なんというか、貫禄が出た感じ。母親みたいな」
・・・うん、へこまないへこまない。どうせ俺は一般的な父親にはなれないのだから気にしたら負け。
「生まれたら会わせてくれよな」
「分かったよ。ただ、ウチの子がどんなに可愛くても間違いは起こすなよ?」
「いや、流石に生まれたてと幼女に興奮はしないが・・・案の定面倒な父親なのな」
「親ってものは、どうしたって子供が可愛いものなんだよ」
むしろ、それが当たり前なうちは平和なのだろうと思うよ。親バカでもいい。とにかく健やかに育ってくれて幸せになってくれれば、文句なんてない。まあ、それに俺たちの子供ならきっと大丈夫なんて、親バカの極みみたいなことだって思う。なんてたって遥香の子供だしね。




