539 結婚式7
「ちづるちゃん、おめでとうですわ」
「ありがとう、れなちゃん」
「ちづるちゃんのそのどれす、すてきですわね」
「そうかな?えへへ」
可愛らしいやり取りをしている2人を微笑ましく見守っていたいのだが・・・目の前の人物にも対応しなければいけない。
「百瀬さん、受験生じゃないの?」
「ふふ、私は彼女に勉強教わるから問題ないんですよ」
「そうかい」
下の2人は仲良しなのだろうが、どうにも俺とこの後輩の仲に関しては分からないことが多い。他人から見たら仲良しに見えるらしいが・・・そこまで親しいという感覚もない。
ちなみに、レナちゃんママは遥香と楽しそうに雑談をしていた。そうなると必然的に残るのは後輩な訳で、まあ、俺もレナちゃんママとある程度話すことはあるけど、遥香とは会う機会が少ないから優先してるのだろう。結果、俺の相手はこの百合な後輩なのだ。
「でも、残念です」
「何が?」
「先輩、ウェディングドレスじゃなくて」
サラッと恐ろしいことを言う後輩だな。
「花嫁は遥香だからね」
「いえ、2人ともウェディングドレスでも違和感ないですよ」
「いやいや、俺はほら、男だから」
「先輩、性別なんて関係ないですよ」
なんで諭されてるの?いや、俺はこんなところで女装する趣味はないし、天国の母さんとか父さんにもそんな晴れ姿見せるわけには・・・あれ?なんでだろ、想像してみても誰も何も言わないどころかむしろ褒められそうで嫌だな。
というか、俺の周りにはそういうのの許容量が多すぎる人が多い気がする。まあ、俺だって知り合いなら別にいいけど、自分がやるのはお断りしたい。あと、千鶴の、娘の前で女装はしたくないから無理。
そう考えると父さんは凄いと思う。
「まあ、いいや。ほら、これ」
「あれ?私の分は無いと思ってましたが・・・」
「なんか来そうだったから準備しておいた」
「先輩って、意外と私のこと好きですよね」
「それを自分で言うのか?」
「冗談です、ありがとうございます」
後輩にもプレゼントを渡す。百瀬家には千鶴のために来て貰ったから、準備しておいたのだが、予想通りというかやっぱり後輩も来たので準備しておいた甲斐があったというものだ。
「先輩も私の結婚式呼びますね」
「同性同士の?」
「あら?だって、私が先輩以外の男性を好きになることありませんから。可愛い女の子が1番ですけど」
「へいへい」
「信じてませんね」
「いや、ある程度理解してるからいいかなって」
俺というか、俺の女装が好きなので結局女の子好きなのは変わらないのだろう。




