496 ブッキングとちーちゃんのやる気
負担にならない程度に
「ぱぱ」
中条家で勧誘を受けてから、色々根掘り葉掘り聞かれて千鶴ちゃんを迎えに来ると、何やらいつもと様子が違う千鶴ちゃん。何かを言うのを迷ってるような千鶴ちゃんの様子に若干察しはついてたけど、俺は千鶴ちゃんに目線をあわせると優しく頭を撫でて言った。
「大丈夫。パパはちゃんと千鶴ちゃんの話聞くから。だから、何でも言っていいんだよ」
「ぱぱ・・・うん。あのね・・・すいえい、ならってもいい?」
水泳ときたか・・・少し意外なチョイスに驚く。
「レナちゃんにでも誘われたの?」
「ううん。かなちゃんがね、やろうって」
香奈ちゃん?ああ、なんか最近千鶴ちゃんがたまに遊んでる子か。
「これ」
「これは水泳教室の見学の案内・・・へぇ、無料体験なんてものもあるんだね」
費用に関してはなんとかなると思う。場所も近場だしいける。問題があるとすれば、教えてくれる先生とかの問題かな。あんまり居ないとは思うけどパワハラな人だと困るし、とりあえず見学してみてかな。
「じゃあ、この後少し見学に行ってみようか」
「いいの?」
「もちろんだよ。それで千鶴ちゃんが本当にやりたいならやってもいいよ」
「うん、ありがとうぱぱ」
「ところで、千鶴ちゃん。ピアノに興味ある?」
「ぴあの?」
この場面で聞くのは狡いかもしれないけど、まあ、一応聞いてみると、千鶴ちゃんは嬉しそうに微笑んで言った。
「ちーね、せんせいみたいに、ぴあのひけるようになってみたい」
「実は、パパの恩人の人がピアノ教えてるんだけど千鶴ちゃんもどうかって誘いを受けてね。前に会ったことあるパパの友達のお母さんなんだけど・・・どう?」
「うんとね、やってみたいけど・・・いいの?」
このいいの?は、多分金銭的なものとか諸々のことだろう。全く、可愛い娘め。
「当たり前だよ。やりたいことなら、パパはちゃんと応援するからね。だから、気にせずなんでも言いなさい」
「ぱぱ・・・だいすき!」
ぎゅっーっと、抱きついてくる千鶴ちゃん。まあ、遥香さんには後で連絡しておくとしても・・・とりあえず軽く水泳教室を覗いてみて次第かな。
ピアノも巡李さんに教えて貰って、嫌にならないなら続ける感じだろうけど・・・まあ、巡李さんがスパルタする事はそうそう無いから多分大丈夫だろう。
強いて言うなら、間違った分だけキスをするなんて家族には言ってたけど・・・妙に必死だった雅人の姿はなかなかレアだと思う。
本当に辛そうで、無理そうなら止めさせてもいいだろうし、そこは俺の方で上手くやるべきだろうと思いながら千鶴ちゃんを抱っこして水泳教室の方に向かうのだった。




