450.5 遅すぎる嘘
「ちづるちゃん、れなちゃん。わたしね、じつはおとこのこだったの」
コトンとクレヨンを落とすレナ。その発言をしたのは千鶴とレナとわりと最近仲良くなった香奈という少女だ。大人しい千鶴と派手なレナに大してわりと平均的なその子のその発言を受けてレナはササッと千鶴の後ろに隠れると言った。
「ぜっこうですわ」
「ふふ、うそだよー」
「うそ?」
「そう!えいぷりるふーるだからうそをついてみたの」
「えいぷりるふーふ?」
キョトンとする千鶴に香奈は説明をした。
「えいぷりるふーるはね、うそをついてもいいひなの」
「うそはよくないとおもう・・・」
「どうかんですわ。うそつきはどろぼうになるんですのよ」
「ふふふ、そういうのをむしするひがえいぷりるふーるなのです!」
ドドん、という効果音がつきそうなくらいに言い切る香奈に、そもそも興味が無い2人は首を傾げていた。2人からしてもそんな日があったもしても嘘をつくのはいいことではないと分かっているからだ。
「それにね、おとなはみんなうそつくんだよ。ぱぱもよくかいしゃのひとにうそつくっていってたもん。ちょうしにのせておだてるって」
「そうなんですの・・・しらなかったですわ」
「うーん、でも、ぱぱはうそつかないもん」
千鶴からしたら、健斗が今まで嘘をつくことなど1度もなかったので純粋にそう思うのだった。
「ちづるちゃんのぱぱってあのおにいさんだったひと?」
「うん!すっごくやさしくてちーとままのおうじさまなの」
うっとりとする千鶴にしまったという顔をするレナ。それなりの付き合いで千鶴の唯一の地雷である健斗関連のことを引き当ててしまったので思わず香奈を睨むと香奈は少しだけ申し訳なさそうに言った。
「でも、もしかしたらちづるちゃんがきづいてないだけかも。ちづるちゃんのぱぱだっておとなだからきっとうそつくよ」
「ぜったいないとおもう。かりにあっても、きっと、ちーやままのことをかんがえてのことだとおもうし」
「あ、じゃあきょうかえったら、ちづるちゃんのぱぱにーーー」
ゴニョニョと耳元に囁く香奈に千鶴はキョトンとしてから首を傾げて聞いた。
「どうしてそんなこというの?」
「これも、ちづるちゃんのぱぱがちづるちゃんをどれくらいあいしてるのかのちぇっくだよ。がんばって!」
釈然としないながらもそうまで言われては仕方ない。千鶴としては健斗が嘘をつくことはないと思うし本当にこれが親愛度のチェックになるかなど分からなかったが・・・健斗を信じてるのでそうしようと思うのだった。




