411 卒業式4
後輩&友人
先生の言葉が終わってから、教室内は騒がしくなる。友達と最後の別れをする者、保護者と話す者、後輩に会うために外に出る者、卒業式の打ち上げのために行動を開始する者といる中で・・・俺は友人に軽く挨拶をしてから教室を出る。
教室内では何かと会話に制限がつくので予め千鶴ちゃん達とは外で話そうと決めていたのだ。事実、先に千鶴ちゃん達は教室を後にしているのでそれを追いかけて教室を出ようとするとその前に思わぬ人物と廊下で鉢合わせになる。
「先輩、卒業おめでとうございます」
「・・・ありがとう、百瀬さん」
ここ最近になり何かと縁のある後輩の百瀬さんはいつも通りの笑みを浮かべながらそこにいた。待ち伏せしていたのだろうか?偶然だと思いたいが・・・
「約束通り、第二ボタンを貰えますよね?」
「残念ながら渡せないかな」
「それは残念です。でもこれで、先輩とは会うことが少なくなると思うと残念です」
「レナちゃん絡みでは会うこともあるかもでしょ?」
「ぶー、先輩は意地悪ですね」
というか、この後輩は、俺の女装が見れるかもしれない文化祭がないのが残念なだけなんじゃないのだろうか?まあ、その可能性が高いか。
「おーい!健斗ー!」
そんなことを考えていると吉崎の声が後ろから聞こえてきて少しげんなりする。と、同時に百瀬さんがため息をつきたそうな笑みを浮かべてから踵を返してその場を後にしたのだった。
「ん?どうかしたのか?」
「いや・・・それよりも何か用?」
「ああ。お前卒業式の後の集まり来ないんだろ?」
「まあね。色々用事があるから」
「だからまあ、なんというか・・・最後に挨拶しようと思ってさ」
そう言ってから、珍しく真面目な表情を浮かべて吉崎は言った。
「ありがとな、3年間。わりと色々迷惑かけまくってたが・・・楽しかったよ高校生活」
「雅人や斉藤にも同じこと言いなよ?」
「照れくさいっての・・・そんだけだ。じゃあな」
そう言って、離れていく吉崎。アイツからそんなこと言われるとは思ってなかったけど・・・まあ、友人としてそういうことを、要所要所で言えるのが好きだったからいいか。正直、吉崎には話せてないことも多いけど・・・まあ、それでも大切な友人の1人ではあったしね。
「後輩に友人・・・別れは済ませたかな」
別に永劫の別れという訳じゃないけど・・・高校生活の終わりの挨拶を出来たので良しとしよう。残りは本命だけだが・・・その本命の前にこうして色々と済ませられたのはラッキーと言えるだろうと思いながら俺は校舎を出るのだった。




