398 お出掛けの提案
お出掛けしましょ
「突然ですが次の休みに出掛けませんか?」
その日の晩酌の時にそう切り出すと先生は少しだけ驚いたような表情を浮かべてから言った。
「お前からそう言われるのは嬉しいが・・・どこに行くんだ?」
「ゴールデンウィークに出掛けた遊園地に行きたいんですが・・・どうでしょう?」
俺の言葉にしばらく考えてから、先生は言った。
「ちーちゃんがいいなら、何も問題はないさ」
「千鶴ちゃんにはもう話してあります。喜んでました」
「なら決まりだ。いつも通り車出すからな」
「すみませんがお願いします」
卒業前に本免取れないというのがもどかしいところだが・・・まあ、俺と先生らしいといえばらしいのかな。本当は俺の運転で行きたいが、卒業式前には取れないので仕方ない。
「んで?珍しくお前から乗り気な提案をされたが何かあるのか?」
「それは当日のお楽しみで」
「気になるが、まあいいさ。そういえば今日レナちゃんの家に行ったんだろ?」
「ええ、行きました」
「念の為聞くが・・・何もなかったよな?」
本気で心配してないのはすぐにわかって、でも若干の嫉妬があるのもわかったので俺はそれに苦笑しながら答えた。、
「レナちゃんママと姉に会いましたが、話しただけですよ。それにどっちも同性愛に興味が深いので、問題ないかと」
まあ、女装したら需要がありそうで怖いが・・・もう二度としないと思うので大丈夫だろう。先生から頼まれて2人きりならある程度我慢はするけど・・・出来ればノーマルな関係がいいと思う。というか、女装した俺は俺と言えるのだろうか?などと哲学的なことを考えていると、先生はビールを飲んで言った。
「私はな、結構嫉妬深いんだが・・・下手すれば、お前を部屋に閉じ込めて、誰にも触れさせずにいたいくらい病むかもしれない。そんな重い女だが、嫌わずにいてくれるか?」
「可愛い嫉妬なら大歓迎ですよ。それに俺は、どこにも行きませんから。ずっと遥香さんの側にいますよ」
さっきも千鶴ちゃんに言った言葉だが・・・まあ、こればっかりは、行動で示すしかないだろう。俺の目標は、子供と孫に看取られて、先生と同じ墓に入ることなので、頑張って長生きしようと思う。
まあ、20歳になってもタバコは吸わないだろうし、お酒も先生に付き合う程度にする予定だし、何よりそこそこ頑丈なので、無駄に長生きする自信はある。老後の心配ばかりではあれだが・・・まあ、当面の目標は、2人を愛でることでいいだろう。俺が幸せすぎる目標ではあるが・・・まあ、可愛い嫁と娘だし、仕方ない。そんなことを思いつつ、出掛ける約束を取り付けるのだった。




