279 大人のプレゼント
プレゼント遥香さん編
「良かったな。ちーちゃんから最高のプレゼント貰えて」
いつものように晩酌に付き合うけど、話題はさっき寝かしつけた千鶴ちゃんから貰った最高のプレゼントについてだった。
「びっくりして心臓止まるかと思いましたよ。でも、遥香さんからも千鶴ちゃんからも最高のプレゼントを貰えたので凄く嬉しいです」
「なんだか、あれの後だと私のが霞むよなぁ・・・」
「そんなことないですよ。とっても嬉しかったです」
「いんや、霞む。だから・・・私からも、もう1つプレゼントしようかと思ってな」
そう言ってから立ち上がった先生。何をするのだろうと見ていると何やら寝室の鍵のかかっていた金庫(前から気になってたやつだけど、聞きそびれていた)から1枚の紙を持ってきてから俺に差し出して言った。
「まあ、これを渡してお前が喜ぶのかはわからないが・・・私も覚悟を決めたからな」
「これって・・・婚姻届ですか?しかも俺の欄以外記入済の・・・」
渡されたのは婚姻届。俺は未成年なので保護者の欄が必要になるのだが、それも埋まっており、後は俺の欄だけとなっている。
「・・・やっぱり、重いか?」
「いえ・・・すみません。実は俺、今物凄く感動してます」
まさかこんなに早くにこれを手にすることが出来るとは思わずにかなり嬉しかったりする。
「そのうち、ちーちゃん関係の書類も用意しないといけないが・・・その前に、まずはこれをお前に受け取って欲しかったんだ」
「ありがとうございます。多分さっきの千鶴ちゃんの言葉に匹敵するくらいの最高のプレゼントです」
いつの間に父さん達に書いてもらったのかなどは少し気になるが、そんなことよりもこうして夫婦になれる書類というのは何よりも価値がある。
「自分で言うのもあれだが、本当におかしな奴だなぁ・・・普通はこれを見せれば、多少はたじろぐだろうに」
「実は密かに俺も書こうとしてたのでむしろ丁度いいです」
「そうか・・・」
そう言ってから俺の後ろに回るとゆっくりと俺を抱きしめてから言った。
「健斗・・・好きだ。私の夫になってくれ」
「はい。よろこんで」
「即答だな」
「俺も遥香さんが大好きですから」
そう言ってからそっと先生の手に手を重ねてから言った。
「貴方の夫に、千鶴ちゃんの父親になれるなら俺はなんでもします。それくらい貴方のことを愛してます。それくらい千鶴ちゃんを娘として愛してます。だから・・・さっきの言葉にはこれ以上言葉を重ねたりしません」
「ああ・・・」
そうして軽くキスを交わす。そんな風にして俺の最高の誕生日は幕を閉じたのだった。多分、この日のことは永遠に忘れないだろうなぁ・・・千鶴ちゃんからのパパ呼びに、先生からのプロポーズ。最高過ぎて記念日にしたいくらいだ。誕生日だけど。




