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264 バンドの感想

バンド終了

「お疲れ」


ライブが終わってからようやく一休み出来ると思い裏に行くと、タオルと飲み物を渡してきた雅人。それを受け取ってから俺はふと、違和感の正体に気づいて聞いた。


「これ、俺のタオルだよね?鞄に忘れてきたと思ったんだけど・・・取ってきてくれたの?」

「いや、お前のところの可愛い子が気にしてたからな。本当は直接渡したかったみたいだけど」

「なるほど」


どうやら、千鶴ちゃんが気を使ってくれたみたいだ。


「ほら、さっさと行って安心させてやれ。こっちは俺がなんとかしとくから」

「・・・ありがとう。今度何かお礼するよ」


チラリと先生に視線を向けてから、俺は後の片付けを親友に任せて体育館の外に出る。すると、近くで待っていた千鶴ちゃんが真っ先に気づいてこちらに駆け寄ってきた。


「おにいちゃん!」

「おっと・・・千鶴ちゃん、タオルありがとうね」


抱きとめてから、そう言うと嬉しそうに顔を輝かせて千鶴ちゃんは言った。


「すっごく、かっこよかった!」

「そっか。ありがとう」

「うんうん、健斗くん凄くカッコ良かったよー」

「瑠美さんも、千鶴ちゃんのことありがとうございます」

「いえいえー♪」


千鶴ちゃんを抱き上げてながらそうお礼を言うと瑠美さんはこっそりと言った。


「姉さん、すっごく楽しそうだったよ。良かったね」

「・・・はい」


学校ではあまり親しくは出来ないから、帰ってから色々と言おうと決めていると、千鶴ちゃんは嬉しそうに言った。


「ちーもね、おっきくなったら、おにいちゃんみたいにおうたうたって、ばんどしたい!」

「じゃあ、その時はあのギター使えるようにしとくね」

「うん!」


先生なら絶対拒否はしないだろうし、まあ、千鶴ちゃんが俺と同じように・・・いや、先生みたいにギター&ボーカルをする姿を見れるのを期待しておくか。


「それで、健斗くんはこれからどうするのかな?後夜祭出るの?」

「いえ、出ませんよ。少し待っていて貰えれば一緒に帰れます。あ、瑠美さん夕飯食べてきますよね?」

「片付けとかは大丈夫なの?」

「はい、そこは親友に任せているので大丈夫です」


文化祭の一般公開が終わるまであと少し。後夜祭と片付けはあるにはあるけど、後夜祭は強制じゃないし、片付けも大体のところが早めに終わらせるので大丈夫だろう。


「そっか、じゃあちーちゃんと待ってるね」

「はい、お願いします」


俺に抱っこされてご機嫌な千鶴ちゃんの姿を見て、ライブの疲れも吹き飛ぶのだから現金なものだと自分でも思いつつも、これが愛娘パワーかと思うのだった。





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