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関東平野の運転手  作者: ラビット
10/12

救援開始

線路上で停止した宇都宮線335Mはゆっくりと動き出した。次の岡本で乗客はすべて代行バスに乗り換えになるため、ほとんどの乗客が荷物をまとめて降りる準備を始めている。本宮も次の岡本からは救援列車として運転するため岡本が近づくにつれ緊張が大きくなっていく。

・・・そして車内放送と停車駅接近のブザーが運転室に響き渡る。

『まもなく、岡本、岡本、お出口は右側です。岡本より先、宝積寺、仁井田、大金方面へおいでのお客様。岡本駅より代行バスにお乗り換えください。本日はご不便とご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げげます』

列車はホームに滑り込む。長い10両編成対応のホームに2両の列車が入線する。ホームでは駅員が乗客の誘導の準備をしていた。

そして列車を停止位置目標ぴったりで止めた・・・すごい。


本宮は

「停止位置よし、ホームよし、ドア開」

と言ってドアを開けた。

列車のドアが開くと駅員が誘導を始める。

『烏山方面に代行バスご利用のお客様~、改札を通りましてバスへ誘導しますのできっぷ・定期券はバスに乗車時に運転手へお渡しくださ~い。ICカードで宝積寺までご利用の方は改札で精算いたしますのでお申し出くださーい』

駅員のうち一人が運転室のドアをノックした。何だろうと思い本宮はドアを開けると1枚のコピー用紙を持った駅員がいた。

「これ、この後の作業内容と宝積寺から回335Mとして運転するときの時刻表スタフです。指令からFAXが来ていたので渡しておきますね。裏には烏山から宇都宮まで運転する際に使うスタフも印刷しておいたので、どうぞ」

駅員はそう言ってラミネートされたA4のコピー用紙を手渡してくれた。本宮も

「ありがとうございます!」

と言って受け取ると運転席へ座り、無線機を取った。

「輸送指令、こちら335Mです。岡本駅に到着し、客扱い終了しました」

本宮はそう指令に告げた。

『こちら輸送指令、了解しました。それでは時速25km以下で出発してください。なお走行中に第二閉塞の信号機が赤になっていると思いますがATSを開放して事故当該の場所へ向かってください。なお事故当該と連結が完了しましたら再度連絡してください以上指令でした』

その無線を聞くと駅員に

「それじゃ出発許可もらったので行きます」

と告げた。駅員も

「それじゃ、がんばって」

と言った。

本宮は警笛を鳴らしマスコンを2に入れる。再び列車が動き出した。救援列車のもとへ向かって・・・



10分ほど進むと赤い閉塞信号機が見えた。本宮はここで一旦列車を止めてATS-Pを開放する。こうすることで赤信号を無視して進むことができる。ここから先は時速15km以下で進んでいく。5分ほど走るとテールライトが見えてきた。故障している205系だろう。205系の運転士が赤い旗を振って停止の合図を出している。本宮は運転士の少し手前で列車を止めた。そして線路に降りる。そこには本宮のロングヘアーとは正反対のボブカットに小柄な様相の運転士がいた。制服のブレザーは奮闘していたのか汚れが目立っている。疲れ果てた表情が事の重大さを物語っていた。

「ちょ!どうしたの?穂積!?」

彼女の名は笠幡かさはた 穂積ほづみ。本宮の2つ下の後輩運転士だ。ちなみに本宮が免許取得した1年半後に彼女も免許を取得している。

「見ての通りだわよ・・・とりあえず電源系統がショートして危険だからパン落としただけ。床下機器の一部もショートした火花で焼けたりしてるわよ・・・」

笠幡はそう本宮に告げた。

「う~ん、そんじゃ自走は無理そうね・・・まあそれだから救援に来たんだけどさ」

その時だった。205系から車掌が出てきた。それは本宮が9522Yに便乗したときに会話を交わした矢祭やまつりさんだった。

「あれ?本宮さん、どうしたんですか?」

本宮に矢祭が声をかけてきたので事情を説明した。そして乗務員3人が役割を分担しEV-E301と205系を連結する作業に取り掛かった。






なんとか11月中に出せた。


追記 次回作は作者の多忙のため2月中旬~3月初旬を見込んでいます

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