第八話「桃から…」
むかし、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おばあさんは川へ洗濯に行き、恐竜の卵を拾ってきました。
おじいさんとおばあさんがこわごわ割ってみると、中から可愛い可愛い恐竜のあかちゃんが現れました。
おじいさんとおばあさんは、顔を見合わせました。
なにせ、二人は桃太郎のおじいさんとおばあさんです。
桃から生まれてなくても桃太郎にしなければなりません。
そこで、少し強引でしたが名前を「桃太郎」にしました。
しかし、育てば育つほど、桃太郎は恐竜でした。
しかも肉食で、森に行っては獲物を自ら狩り、生のままむしゃむしゃ食べます。
あっという間に大きく育ち、家の屋根より大きくなりました。
おじいさんとおばあさんは、そろそろ自分たちも食べられてしまうと思い、さっそく桃印のはちまきを無理やり頭に巻き、日本一の旗を背中に括り付け、きび団子の入ったかごも巻き付け、犬ときじとサルを生け捕りにしてくると、きびだんごを食べさせ、縄で恐竜の後ろ脚にしばりつけました。
こうして桃太郎と名付けられた恐竜は野に放たれました。
途中、犬もサルもきじもあっという間に逃げました。
行く先々で人々は逃げまどい、恐竜はなんだかんだである島にたどりつきました。
そこは恐竜の島と言われ、今では誰も近づかない未開の島として恐れられているそうです。
おしまい




