第六十話『ミーにゃん同盟七にん衆にゃん』
第六十話『ミーにゃん同盟七にん衆にゃん』
「あっ、きたきた。
おおぃ! こっちこっちぃ!」
「ミーにゃん、ほら、ミクリにゃんにゃ」
ぱたぱたぱた。
「ううん。ミクリんだけじゃないわん。ミリアんもミストんも、
あっ、向こうのほうからミロネんも飛んできたのわん」
「にゃら、ウチらが最後にゃの?」
「そうでもないみたい。だってミムカんが……うぉっ。居た居た居たわん。
オーブンをしつっこく覗き込んでいるのわん」
「にゃら、早く行かにゃいと」
「うん。いい出しっぺのアタシたちが、
一番遅れた、じゃ格好がつかないもんね。
今ならミロネんよりも早く着けるかも。
ミアン、大急ぎなのわん」
「んにゃ」
ぱたぱたぱた。
たったったったったっ!
ぱたぱたぱた。
「おや? ミクリ殿。もうみんな来ているのか?」
「そうだよ、ミロネ君。
中にはさ。ふふっ。タッチの差、ぐらいの、
ようようの思いで君よりも早く来た連中だって居るけどさ。
ねぇ、ミーナ君、ミアン君」
ぶんぶん。ぜいぜい。
ぶんぶん。ぜいぜい。
「ふたりとも首を盛んに横に振っているが?」
「そうね。
でも見ての通り、息を切らして声も出ないの」
「どうしてだ? ミスト殿」
「多分、だけどね。なにも知らない誰かさんと、
『追い駆けっこごっこ』をしていたからと思うわ。
……あっ、見て」
ばたっ。ばたっ。
「倒れたね。見栄を張るのもここまで、だったってことか。
まっ。なんにせよ、ご苦労様、だね」
「まだ相当、息遣いが荒いみたいですね。
どれ。私が介抱して差し上げるとしますか」
とことことこ。
「手ぬぐいを濡らして額に当てたか。
やさしい気遣いだ。いつもああだと助かるのだが」
「妄想に耽らなければ、いい娘よ。ミリアは」
「そうだな」
「そうだね」
「復活にゃあん!」
「復活わあん!」
「ミリアにゃん。いろいろお手数をかけて痛み入るのにゃん」
「本当本当。ありがたかったわん」
ぺこり。ぺこり。
「気になさらないでください。当然のことをしたにすぎませんから。
さぁ。お元気になられたのなら、向こうへ行きましょう。
みなさんがお待ちかねですよ」
「うんにゃ!」
「うん!」
「みんにゃあ。連絡通り、やってくれたのにゃん?」
「当然さ。手当たり次第どんどん放り込んだよ」
「ミクリにゃんが手当たり次第とはにゃあ。ちと怖い気がするのにゃん。
ミストにゃんは?」
「どういうわけか、ミリアがわたしを誘いに来たの。
だから、一緒に果物園で木の実とか、あと大きな果物なんかもね。
そりゃあもう、たっくさん採ってきたわ」
「ふにゃ? 誘いに来た?
にゃあ。ミストにゃんって普段は霧の都に居るのにゃろう?」
「それはそうよ。だって霧の妖精だもの」
「どうやって入ったのにゃん?」
「聴きたいのはわたしも同じ。
だから、来るたんびに尋ねてはみるのだけどぉ、ふぅ。
いっつも決まって要領の得ない答えばかりで。
ねぇ、ミリア。今度こそ判るように説明してちょうだい。
どうやったら、霧が見る夢の中、『霧の都』に入れるというの?」
「さぁ?」
「さぁ、って……」
「ミストさん。前にも話したとは思いますが、
入ろうとして入ったわけじゃありません。
『ミストさんの笑顔がみたいなぁ。お話したいなぁ』なぁんて、
なぁんとなぁく、なぁんとなぁく思い描いて、とぼとぼと歩いていたら、
いつの間にか知らない空間に入り込んでいて、
いつの間にかミストさんの姿が真ん前にあった。
ただそれだけのことなのですよ」
「にゃって、ミストにゃん」
「……頭が痛いわぁ」
《ミストにゃんの頭痛が治るのを待つもんで、つづくことにするにゃん》




