第五十九話『棲み家で楽しい悪だくみにゃん』
第五十九話『棲み家で楽しい悪だくみにゃん』
「やっぱ一番居心地がいいのはここにゃん」
なめなめ。なめなめ。
「当ったり前よ。なんといってもアタシたちの棲み家だもん」
「うんにゃ。
ひとことでいえば、そうにゃるのはウチもおんにゃじにゃ」
なめなめ。
「でしょ?
棲んでいるのがアタシとイオラとミアンだけ、
っていうのは大っきいわん。ほっ、と出来る最大の要因なのわん」
「来るお客にゃんも顔にゃじみの者ばっかにゃしにゃ。
それで、他にはどうにゃん?」
なめなめ。
「他に、っていうと?」
「たとえば…………そうにゃ。
『精霊の間』にゃらではの魅力、にゃあんていうのはどうにゃん?
是非ともミーにゃんの視点から、聴かせてもらいたいものにゃん」
なめなめ。
「これはまた急なお題なのわん。
そうねぇ。
年柄年中、暑くもなく、寒くもなく、快適なのわん、ってことかなぁ。
あとは……そうそう。
この広々とした緑がかった白い空間って、なぁんか落ち着くのよね。
霊力もあふれんばかりに満ちているから、のんびりゆったり出来るわん」
「うんにゃ。我が意を得たりにゃ。
全くもって……ミーにゃんの……いう通りにゃん」
なめなめ。うとうと。なめなめ。うとうと。
「のんびりゆったり、にゃもんで……にゃもんで……にゃもんで……」
なめ……ぴたっ。
「やれやれ。毛繕いの最中に固まってしまったのわん。
ふふっ。おっさん座りで足なめポーズのまま、なぁんて、
のんびりとしている以外の何物でもないわん。
このまま見世物にしちゃおうかな。
『これがアホネコの日常なのわん』とか見出しをつけて。
結構、ネコだかりするかもしれないわん。
……やらないけどね。
アタシはミアンを晒し者なんかにはしない。
してたまるかなのわん。
ミアンはアタシを守ってくれる。
なら、アタシはミアンを守るわん。守らなければならないのわん。
親友だもん。
アタシが生まれてから、ずぅっ、とそばに居る家族だもの」
「ミーにゃんミーにゃん」
「おや? いつの間にか起きていたわん。
なんなの? ミアン」
「今日、ミムカにゃんから説明があった『オーブン』のことにゃのにゃけれども」
「途中でおネムしちゃったからなぁ。
実は今もあんまり良く判っていないのわぁん」
「ウチもおんにゃじ。というか、たとえ、ちゃんと聴いていたとしてもにゃ。
判ったかどうかは疑問……じゃにゃいにゃ。
判らにゃかったと断言するのにゃん」
「なら、アタシも断言するわん。ええと、ミムカん風でやろうかな」
『さっぱりのぱり、だったのわぁん!』
「でもにゃ、ミーにゃん。最後の最後で、
『とまぁこのように、料理を造るメカもん、なのでありまぁす』
というのは耳にしたのにゃん」
「あっ、奇遇。アタシもそこだけは今でも頭にくっきりと残っているのわん。
やっぱアタシとミアンって、親友同士だけのことはあるのわん」
「ウチも嬉しいのにゃん。
というわけでにゃ。ものは相談にゃのにゃけれども」
「あれっ。なんか急に小さい声になったのわん。
なら、アタシも。
なになに? なんなのわん?」
「世の中にはにゃ。『やみなべ』というものがあるんにゃて」
「ほほぉぅ」
「でにゃ」
ひそひそひそ。ひそひそひそ。
「あら。ミーナちゃんもミアンちゃんも密談かしら?」
「うんにゃ。悪だくみにゃん」
「そうそう。イオラはかかわらないほうがいいわん」
「またまたそんなことをいってぇ。
どうせ、楽しいことなんでしょ?」
「当ったりぃ。さすがはイオラにゃんにゃ」
「図星なのわん」
「ますます聴きたくなってきちゃった。
ねぇ、教え……ああでもそれって、
ふたりとも隠し事をするお年頃になったってことよね。
成長する兆しともなれば、
仮にも創造主であるこのワタシが邪魔をするわけにはいかないわ。
とぉっても残念だけど、ここは見守るのが最善ね。
じゃあ、ふたりとも。ここは思う存分、後悔のないよう、とことん隠すのよ。
いいわね? 判りましたか?」
「あのにゃあ。
そうまでいわれるとにゃ。にゃあんか隠しにくくにゃってきたのにゃん」
「アタシもアタシも」
「どうにゃろう? ミーにゃん。
一応、話にゃけでも参加してもらう、というのは?」
「うん。それがいいわん。ベストなのわん」
「にゃら、イオラにゃん。ウチらの真ん中へ」
「待ってましたわ。そのお言葉」
いそいそいそ。
「でにゃ。話というのは」
ひそひそひそ。
「ふむふむ。なるほどなのわん」
「ふむふむ。なるほどねぇ。それって奇抜な発想じゃないかしら。
やってみる価値があるかもしれなくってよ」
「にゃら、ミーにゃん同盟のみんにゃにも」
「参加してもらわなきゃね。仲間は多ければ多いほうがいいわん。
おっ。一句浮かんだのわん」
『悪だくみ。みんなでやれば怖くないのわん』
「にゃはっ。にゃあんか楽しくにゃってきたのにゃん」
「ふふっ。アタシもわん」
「ミーにゃん。そうと決まれば、みんにゃに連絡にゃん」
「もち。任せておくのわん」
「ふふっ。ミーナちゃんもミアンちゃんも楽しそう。
さぁてと。ワタシはどうやって参加しようかしら?」
「ねぇ、マイコさん」
「フィーネ様。いかがなされましたか?」
「今のはひょっとして、『共謀罪』に当たるのでは?」
「はい。濃厚かと思われます。
ですが、悪だくみの内容そのものがアレですので、
『マザーミロネ様が動く』などという事態にまで発展するとは、
少なくとも今の時点では考えにくいように思われます」
「そうですね。仲間の中にはミロネさんもおられますし」
「では、どういたしますか?」
「見守りましょう。いつも通りに」
「覗き見、の間違いではありませんか?」
「うっ……。マイコさん。お口をお慎みなさい。
仮にもわたくしは六大精霊のひとり。
そのような下品な真似をするわけがありません」
「ですが、イオラ様も」
「イオラお姉様と一緒にされては困ります」
「これは失礼をばいたしました。
口がすぎたと反省しております。どうぞお許しください」
「良いご返事です。
よろしい。ではマイコさん。喋りすぎていささか、のどが渇きました。
しばらく手が空いているようであれば、お茶のお代わりを」
「はい。フィーネ様」
《いよいよ決行。にゃもんで怖れ多くも、またまた、つづくのにゃん》




