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ジェイ・ソーティ 自衛隊異世界任務記録  作者: EPIC
第2章「次なるフェーズ」
15/21

Part14:「そこは異世界、やってきたジエイタイ」

間が空いてしまった。本当に申しわけない。

今回はおおよそ説明回。

 ――異世界。


 詳細には、地球の存在する宇宙とは、また別の宇宙に存在する一つの惑星。


 地球と気候環境は極めて類似しつつも。しかし件の『魔法』現象が存在し、数多の幻想的な生物が生息。

 そして数々の異なる文化文明が築かれた惑星世界。


 日本側より確立された「接続」。その初めの一つは、その惑星に存在する一つの大陸へと繋ぎ開かれた。


 大陸には大小多くの国家が存在。それらはそれぞれの違い、特性こそあったが。

 日本側が初期にコンタクトに至ったいくつかの国々のその印象はいずれも。

 御伽噺に、もっと砕けて言えばファンタジー題材の小説や漫画アニメ、ゲームに出て来そうな中小の王国や公国などであった。


 日本の「接続」はまた詳細には、大陸に存在するその国々の一つ。ルシュエル公国という小さな公国に開かれていた。


 詳細は今にあっては割愛するが、当然のようにファーストコンタクトの際には一悶着どころではない諸々の騒動があったが。

 そこからなんとかこじつけた邂逅、交渉の席で。公国側とは互いに害意は無い事を伝え合い。


 併せて日本側は、ルシュエル公国の領地への断り無く踏み入る事態になってしまったことを詫び。

 戸惑いを多分に伴いながらも、なんとか公国から理解を得るに至った。



 それから互いの事情を擦り合わせ、明らかになったところでは。

 地球世界で発生している件の異常現象や危険生物の被害については。どうにもこの異世界側の国々も同じく悩み、対応に追われている状況であるらしい。


 そして、その元凶であろう存在が、ルシュエル公国からもたらされ日本は知るに至る。


 この大陸には、北方広くを領土として保有する、『ドゥリオルン幻龍帝国』という大きな帝国国家があるそうだ。


 その幻龍帝国は最近、この世界にまた存在し、長らくの間封じられていた古の遺跡を調査のために開き。

 その結果、その古の遺跡に封じられた何らかの『力』をさせ復活、手に入れたというのだ。


 それが具体的にいかなる物であるのかは、未だに不明であるが。

 様々な異常現象の発生とその時期は合致し、原因がそこにある可能性は低いものではなかった。


 そしてだ。その幻龍帝国は「帝国」の名称を冠する通り、侵略による拡大も厭わない政策方針だという。

 これまでの近隣諸国との小競り合いはたびたび起こっていたが、最近はその過激さが日に日に増していると言う。


 これらの事項から、目指し対処するべき存在がその幻龍帝国と定まるのに、時間は掛からず異論も多くは無かった。


 容易いものとはならないであろうが、道標は見つかった。


 その幻龍帝国に「対処」するために、まずはこの世界を調べ知るためにこの異世界に降り立った自衛隊各隊は。

 次なるフェーズのため、より広く大きく動き始めることとなった――




 そこは、リェエンの村から近くにある小高い丘の上。


「ふっ」

「はっ」


 そこで模擬剣を交わし剣術の鍛錬に励む、二つの人影がある。

 それは冒険者のエルフの少年と、武人の少女。側にはそれを真剣な色で見守る、獣人の少年も見える。


「……まだまだだね」

「あぁ……」


 一通りの形が終わり、模擬剣を降ろした少年たちがしかし次に見せたのは、少し陰った苦い顔色。

 それは、己達の力不足を痛感してのもの。

 先日に彼らを襲った事柄から、それは無理のないものであった。


 先日に、野盗たちの脅威に晒されるリェエンの村を救うために、野盗に挑んだ少年たちであったが。

 しかし凶悪な野盗の頭目を相手に、少年たちは手折られ敗北した。


 絶望に囚われ、救いも最早無いかと思われた時。

 しかしそんな少年たちの前に現れ救ったのは、不思議な者等であった――



 この世界とはまったく「異なる世界」。

 チキュウから来たニホンという国の軍隊――彼等自身は軍では無く「ジエイタイ」と名乗ったが。

 少年たちはそんな彼らに、あっさりと救い出された。

 そして、そんな救いが現れたこと自体を、思いもよらぬ事と少年たちは驚いたが。後にそれすらも、驚きの序の口に過ぎないと少年たちは知る。


 彼等ニホンのジエイタイは、とてつもない強力な力を携える存在であった。


 野盗たちの根城となっていた遺跡から救い出された少年たちは。ジエイタイの手によって凶悪極まりなかった野盗の頭目は倒され、そして野盗たちが軒並み無力化されたことをまず知らされる。

 信じ難いことであったが、村に沈み倒されていた召喚魔獣の巨体を証拠と言うように見せつけられては。

 その事実を信じる以外は無かった。


 そしてしかし、驚きはそれに留まらなかった。


 それは、今に少年たちが小高い丘の上から見下ろす、ある「場所」が形となって示している。

 元は何も無い平野が広がっていた土地に、しかし今見えるのは――『街』。

 いくつもの構造物、建物が群立するそこは。正しくは街では無く、そのジエイタイの駐屯地であった。


 彼等は交易路の集まるこの要衝地を、活動の中継拠点としするべく目星をつけていたらしく。

 野盗騒動の鎮静化から間もなく。ジエイタイは、リェエンの村の営みを阻害しない程に離れた今の土地に駐屯地を設営した。


 その経過、光景はまた少年たちにとって驚きであった。

 小から巨大な物まで膨大な数の、馬も陸竜の類も無しに動く荷車から。何か恐ろしい魔獣の類と思しきものまでが、列を無し大挙してやってきたかと思いきや。

 しかしそれら、正しくはそれらを操り扱うジエイタイの者等は。急かしく騒々しく動きを見せた後に。

 街かとおもう規模の駐屯地を、数日で形にして見せたのだ。


 その光景に、少年たちはもちろん、興味本位で見に来ていたリェエンの村の人々も目を丸くする事となった。

 

 そしてそんなジエイタイの諸々に驚いていた少年たちは。しかしそのジエイタイがこの世界にやってきた「目的」を知り、一番の驚きを覚えることとなる。


 彼等ジエイタイは、今現在この世界、大陸を脅かしている巨大な存在。『幻龍帝国』を相手にしようとしているらしいのだ。

 どうにも最近に幻龍帝国が解いたと噂の、古の遺跡の封じが。その影響が、彼等の世界の及んでいるらしい。

 彼等はそれを解決しに、この世界に来たのだと言う。


 巨大な国、幻龍帝国を相手にしようとなどと、そう容易く口にできることではないものだが。

 しかしジエイタイが本気であり、それが虚言や無知からの驕りなどでは無い事は分かった。


 彼等「ジエイタイ」はきっとそれだけの。いやもしかしたら、それ以上の力を有しているのだろうから。

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