第7章:着物のおばあちゃんにエクスカリバーを掴まれ、巨大鉛筆で脅される朝
俺はベッドから起き上がった。足がまだ震えていて、祖母に殴られた頰の痣がズキズキ痛んだ。急いで着替える。ゆったりしたジーンズにパーカー。学校の制服はまだ着る気になれなかった。
廊下に出た。
屋敷の廊下は一晩で伸びたみたいだった。階段に向かう一歩ごとに壁がガムのように伸び、知らない先祖の肖像画が俺を目で追い、隅の影がねじれる。
(気のせいだ。ただの気のせいだ。屋敷が伸びるわけない)
でも心臓は鳥かごの中で暴れるように肋骨を叩いていた。
階段に着いた。彫刻された木の手すりが、ステンドグラスの窓から差し込む薄い光に輝いている。下の玄関ホールはがらんと空っぽで、静かすぎた。
奇妙な予感が氷水のように体を駆け巡った。首の後ろの毛が逆立った。
(誰もいない……みんなどこに行った?)
慎重に進む。裸足だった——靴を履くのを忘れていた。できるだけ音を立てないように。大理石の床は冷たかった。柱も、植木鉢のシダも、閉じたドアも、俺が聞きたくない秘密を囁いている気がした。
すると、廊下の奥から声が聞こえた。
遠くて、くぐもっている。
キッチンからだった。
壁に背中を預け、息を殺して近づく。キッチンのドアが少し開いていて、暖かい光が廊下に漏れていた。
中を覗いた。
そこにいた——父さん、ミサキ、そして花子おばあちゃん。
ミサキはテーブルに突っ伏し、腕を組んで世界の重みを背負っているみたいだった。父さんは彼女の背中に手を置いて、慰めと諦めが入り混じった様子。花子おばあちゃんは向かいに座り、足を組んで黒い着物を完璧に着こなし、湯気の立つ湯飲みを持っていた。
空気が重い。張りつめていた。
「さあ、隠す必要はないわよ。分かっているでしょう?」花子おばあちゃんが言った。
声は甘いのに、毒を混ぜた蜂蜜みたいな危険さがあった。湯飲みから目を上げなかったが、唇の薄い笑みが俺の隠れ場所を一瞬で暴いた。
羞恥が首から顔に火のように広がった。
「は、はは……」俺はポケットに手を突っ込んで歩み出た。なるべく自然を装う。「何? 隠れてなんかいないよ。ただ……建築を鑑賞してただけ」
父さんが顔を上げた。笑顔は優しいが、目が……疲れきっていた。
「シエナ。帰ってきたばかりでこんな状況になってしまって……」
「どんな状況だよ?」俺は神経質に笑った。「どういう意味? お父さん? ははは……」
ミサキを見た。まだテーブルに顔をくっつけたまま。肩が少し震えている。泣いている? 寝ている? 分からない。
「些細なことは気にしないで」花子おばあちゃんが湯飲みをカチンと置いて遮った。「話したいことがあるでしょう? 私の可愛い……シ・エ・ナ?」
名前を一音ずつ区切って、味わうように言った。視線が冷たくなる。いや、冷たいというより氷河みたいだった。内側から凍らせる冷たさ。
「は、はは……」足にピリッと痛みが走った。
父さんか、自分の罪悪感か分からないが、とにかく反応した。
「な、何? おばあちゃん? 用事?」
沈黙。
花子おばあちゃんが目を細めた。
「おばあちゃん?」声に奇妙な響きがあった。怒りじゃない。驚き……そして何か別のもの。寂しさかもしれない。「変なこと言った? お父さん?」俺は父さんに助けを求める視線を送った。
父さんは顎を撫で、生え始めた髭を擦った。
「うーん……四年生以来、君がおばあちゃんって呼ぶのを聞いたことがないな」
花子おばあちゃんがゆっくり頷いた。表情がわずかに柔らかくなる。
「孫娘にそう呼ばれて、確かに嬉しいわ」俺を鋭く見つめながら言った。
「へ、へへ……」冷や汗と熱い汗が同時に噴き出した。
(何言ってるんだよ、ダニ! 考えろ!)
「い、いや……」どもった。「ただ、気分転換したくなっただけだよ。いつものリズムに戻るためにさ」
(クソ。俺自身でも嘘くさすぎる)
父さんが不思議そうに俺を見た。花子おばあちゃんは、目が笑っていない笑みを浮かべた。
「まあ……変化は良いことね」
長い、長い沈黙。
「それにしても、浴室で何があったのか説明してくれない? 正確に何が起こったの?」
(直球だ……)
「えっと……」ミサキを見た。まだテーブルに顔を埋めたまま。「ミ、ミサキ、お父さんに何も言わなかったの?」
横目でメイドを見たが、彼女は無言。テーブルに置いた指が白くなるほど力を込めていた。
父さんがため息をついた。
「残念ながら、彼女は自分のミスをとても恥ずかしがって、話したがらなかったみたいだ」
「ミス?」
「そう。主のお嬢様が浴室で転んで……」首を振って困った顔。「ああいう転び方で亡くなった人もいるんだぞ? それにドアを壊して……もう過去のことだと思っていたのに」
(転んだって……そう言ったのか?)
「オズワルドを起こしてドアを交換させなきゃならなかった」父さんはもう一度ため息をついた。
オズワルド。執事だろう。朝の五時にドアを交換できる人。
「そ、そうだ!」俺は少し大声すぎた。「お父さんの言う通り! でも俺のせいだよ。俺が大げさにしすぎたんだ」
花子おばあちゃんが厳しく頷いた。
「確かに、大げさにするべきじゃなかったわね」
「静かに……」俺は思わず呟き、はっとした。(クソ、彼女がいるのを忘れてた!)
でも花子おばあちゃんは怒らなかった。むしろ笑みが広がった。
「それでも、このままにしておくわけにはいかないわ……そうでしょう、孫娘?」彼女は獲物を観察する捕食者のように首を傾げた。「問題の根源を断つべきだと思わない?」
(クソ。知ってる。全部知ってる!)
背中、脇、掌、全身が汗でびしょ濡れになった。
「い、いや、そんな必要ないよ」できるだけ強い声を出した。「このままで大丈夫だ」
「このままで大丈夫?」花子おばあちゃんは父さんに向き直り、突然……目に涙を浮かべた。
本物っぽかった。少なくとも完全に偽物には見えなかった。キッチンの光にキラキラ光る小さな真珠みたいだった。
「ほら、宏。孫娘が祖母の心配を理解してくれないのよ」胸に手を当てて言った。「長い間離れていたのに、もっと一緒に過ごしたいだけなのに……」
(この胸の重さは何だ……?)
「お、おばあちゃん……」
言葉が続かなかった。
父さんが前に出て花子おばあちゃんを強く抱きしめた。顔を肩に埋め、一瞬少年のように見えた。
「心配しないで、お母さん。分かってる」声が優しく温かかった。「それが望みなら、週末いっぱいシエナと一緒に過ごしてくれ」
花子おばあちゃんが泣いた。完璧に化粧した頰に本物の涙が伝った。
「ありがとう、息子。あなたは私の宝物。いつも優しいわ」
父さんが微笑んだ……そして、花子おばあちゃんの背後で素早く口の動きをした。
最初は意味が分からなかった。でもその表情にぞっとした。
(クソ。全部演技だった)
俺は手を上げた。昔のダニの癖。友達がポーカーで騙したり、PlayStationを壊したのを嘘ついた時の癖。
中指を立てた。
花子おばあちゃんがゆっくり振り向いた。俺が中指を立てているのを見た。
彼女の笑みがさらに暗くなった。
(ヤバい……完全に失敗した)
「お嬢様! もう6時5分です!」ミサキがバネのように飛び起きた。
テーブルの角で頰に跡がついていたが、緑色の瞳に新しい力が宿っていた。俺を見た。一瞬だけ。でもその一瞬で、俺たちは同じ側だと分かった。
父さんが素早く懐中時計を確認した。
「じゃあシエナ、着替えて。学校まであと55分だ」
「はい!」テーブルを思いっきり叩いて湯飲みがガタガタ鳴った。「行く!」
俺はロケットみたいにキッチンから飛び出した。裸足で玄関ホールの大理石を叩き、階段を二段飛ばしで上がり、手すりを掴んで転ばないようにした。
部屋に着いて息を切らしながらドアを閉めた——オズワルドが新しく取り付けたドア。
木に背中を預け、荒く息を吐いた。心臓がこめかみで鳴っていた。
「よし……」俺は囁いた。「よし。ただ着替えて、学校に行けば大丈夫だ」
パーカーを脱ぎ、白い学校シャツを着る。プリーツスカートを腰まで引き上げた。指が震えてボタンがかけられない。
コンコン。
「はい?」振り返らずに答えた。まだボタンに集中していた。「ミサキか? 全部混乱してるよな……謝らないと……」
半分着替えたまま——スカートは履いたがシャツは開いて白いブラが丸見え、下のボタンはまだ外れたまま——ドアを開けた。
「まあ、私の可愛い孫娘。待っていたのを知らなかったの?」
花子おばあちゃん
俺は後ずさった。
驚きを隠せなかった。口が開いたまま、目が大きく見開かれ、二歩後ろに下がって自分の足に躓いた。
花子おばあちゃんが部屋に入ってきた。後ろ手でドアを閉め、鍵がカチッと鳴った。死刑宣告みたいだった。
「さて……」血を凍らせるほど甘い声で言った。「長い間離れていた孫娘が、やっと家に帰ってきたわね」
ゆっくり俺に近づいてくる。下駄がカーペットの上を音もなく進む。黒い着物が光を吸い込むようだった。
「記憶通りの姿ね」すぐ目の前で止まった。
ジャスミンと白檀の香りが俺を包む。暗い瞳が頭のてっぺんから爪先まで俺を舐め回すように見つめた。
「でも話し方が違うわ。そして……」
手が下に動いた。
素早く、正確に。
エクスカリバーを掴んだ。
服の上からじゃない。直接。スカートの下、パンツの下の膨らみを指が包み込んだ。布地越しに彼女の手の熱が伝わってきた。
「……これ」
(クソ。クソクソクソ。ここに来てまだ二日も経ってないのに)
「お、おばあちゃん」俺はどもりながら優しく手を押し返そうとした。「何の話か分からないよ……少しプライバシーをくれないか?」
手を押した。押したつもりだった。
動かなかった。
レンガの壁を押すような感じ。山を押すような感じ。花子おばあちゃんはそのまま動かず、濁った笑みを浮かべて鉄のような握力を保っていた。
「話す気がないみたいね?」彼女は言った。
俺を押し倒した。
ベッドに仰向けに倒れた。マットレスが衝撃を吸収したが、プライドは粉々に砕けた。花子おばあちゃんが俺を見下ろし、片手を腰に、もう片方の手は……まだそのまま。
「じゃあ……」下唇を噛んだ。「自分で全部調べさせてもらうしかないわね」
(クソ……先祖よ、友達よ、すまん。でもお前たちができなかったことを、俺は無理やり達成させられる)
花子おばあちゃんは着物の袖に手を入れ、小さな鉛筆を取り出した。
小指サイズの黄色い鉛筆。尖らせてある。
「え……?」
鉛筆が変化した。
魔法じゃなく、物を前後に動かして錯覚を作るような感じ。でも錯覚じゃない。鉛筆が長く、太く、鋭くなった。
三秒後には25センチの長さ、10センチの太さの黄色い木の杭になっていた。
「冷や汗が……」俺は頭の方に後ずさりながら囁いた。「何を……何をする気だ?」
花子おばあちゃんの表情が変わった。
もう優しい祖母じゃない。キッチンで泣いていた女優でもない。別の何かだった。
怒り。でも抑えられた、冷たい、外科手術のような怒り。
腕を上げた。巨大な鉛筆がランプの光にきらめいた。
「なんでもないわ、シエナ……少し血を調べたいだけよ」
「何を調べるんだよ!?」
「飛べ!」
彼女がベッドに向かって飛びかかった。
本能で反応した。両側の枕を掴んで顔に投げつけた。
鉛筆が枕を切り裂いた。
羽、布、糸。全てが爆発したように飛び散り、八月の雪のように白い羽が舞った。
花子おばあちゃんが俺を捕まえた。
片手で喉を、もう片手で腕を。鉄のような握力。喉をちょうど怖がらせる程度に締め、殺すほどじゃない。
「この狂った婆さん!」俺は叫んだ。「何やってんだよ!? お父さんが許さないぞ!」
「ははは……」低い、喉の奥から出るような、ほとんど男性的な笑い声。「本当に父さんが知ると思うの?」
「ミサ——」
「叫べば腕を折るわよ」手首を強く握りしめた。
骨が少し軋む音がした。痛みが白い閃光になった。
(クソ……神様……ミサキ……お父さん……)
目を閉じた。
(これで終わりだ)
コンコン。
二人ともドアの方を向いた。
「まあ……それまでか」俺はヒステリックに笑った。泣き笑いみたいだった。「ははは……」
「ええ」花子おばあちゃんが落ち着いて頷いた。「残念だけど、それまでね」
手が動いた。素早く。鉛筆の先か、手の端か——腕に一直線に走った。
皮膚が裂けた。
血がにじみ出た。
「うああああっ!」
痛かった。神よ、痛かった。普通のナイフの傷じゃない。何か別のものだった。焼けるような、脈打つような、脳まで響く激痛だった。
ドアが爆発した。
破片、木、蝶番。全部が内側に吹き飛んだ。
そして入り口に、拳をまだ伸ばしたまま、嵐の中の灯台のように緑色の瞳を燃やしたミサキが立っていた。
「お嬢様に何をしているんですか!?」
声は叫びじゃなかった。咆哮だった。壁を震わせ、絵画を傾け、そして初めて——花子おばあちゃんのまばたきを誘った咆哮。
美しいピンク髪が目に見えない風に揺れた。緑色の瞳が火花を散らした。制服は完璧なのに、その構えは戦士のものだった。
(ミサキ……)
目から涙が溢れた。
(英雄だ……)
「ミサキ……」俺は嗚咽した。
花子おばあちゃんが俺を解放した。何事もなかったようにベッドから離れ、着物を整えて鉛筆を袖にしまった。
「つまらないわね……」失望したため息をついた。「土曜日に続きを聞かせてあげるわ、シエナ。ははは」
ミサキの肩を軽く擦りながら通り過ぎた。
「警告しておくわ」ミサキは彼女から目を離さずに言った。「あなたが誰であれ……お嬢様を傷つけるようなことは絶対に許しません。分かりましたか、花子?」
花子おばあちゃんは廊下で止まり、ゆっくり振り向いた。
笑みが濁っていた。自信が気持ち悪かった。
「まあ……」彼女は言った。「まだそれを『お嬢様』と呼んでいるなんて驚きね」
彼女は去った。下駄の音が廊下に遠ざかり、消えた。
ミサキが部屋に入ってきた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
手を差し伸べた。
俺はそれを取った。指が温かかった。しっかりしていた。震えていなかった。
「ありがとう……」涙が止まらなかった。「ありがとう、ミサキ……」
全力で彼女を抱きしめた。
彼女も抱き返してくれた。背中に腕を回し、頰を肩に預け、新鮮な花の香りが毛布のように俺を包んだ。
「怖がらないで」彼女は囁いた。「私がいる限り、誰もお嬢様を傷つけさせません」
目を閉じた。
(もしかして……もしかしたら、これも悪くないのかもしれない)
外では太陽が完全に昇っていた。屋敷の庭が黄金色の光に輝いていた。
そして家のどこかで、巨大な鉛筆を持った狂った祖母が、次の攻撃をすでに計画していた。
「残り六日……」俺はミサキの肩に顔を埋めて呟いた。
「え?」
「なんでもない。ただ……いてくれてありがとう」
彼女は抱擁をさらに強くした。
そして一瞬、世界の痛みが止まった。




