とある職員の休日
白黒の組織にも休日は存在する。
そんな休日にできることは一般の人間と大差ないが、多くの人間は自分の研究や研鑽に費やしている。その大部分が個人の趣味によるものである。しかし、組織は無制限に資金を提供している。そこで発明されたものや研鑽は結果的に組織のためになるからである。
そんな中でこの男はpcゲームに熱中していた。組織によって提供されたオーダーメイドのハイエンドpcを前に狂気的な笑いを響かせている。画面には緑色の宇宙飛行士がロケットに縛り付けられ、発射と同時に爆発する様子が映し出されている。
「あー↓、あー→、あ゙ー↑あ゙ー↑あ゙ーwwwwww」
腹を抱えながら徐々に甲高くなる声をあげながら笑い続けて画面を指さしているのだ。
「いやー何がいけなかったのかな?次は行ける。次は絶対成功するから。」
言ったそばから巨大なロケットブースターが大爆発を起こし、男は腹を抱えて笑う。
「今度は大丈夫。今度は大丈夫。」
隣にいる長身の女は完全にあきれた様子で男を見守っている。やっとのことで宇宙空間まで打ち上げられたロケットであったが、あろうことか男は宇宙空間で緑の宇宙飛行士を分離させる。
「え゛↑、え゛↓、え゛↑ーーwww、なんでー(棒)wwどうしてー(棒)ww」
「趣味が悪いですよ、ゼータ」
長身の女がいい加減にしろと言いたげに言葉をかける。
「ゼータじゃなくて、秋山だ。それに休日に何をするかは職員の自由であり、権利だ。」
女はやれやれといった感じで眼鏡をあげながら答える。
「あなたの名前はゼータです。それにあなたの後輩は仕事熱心なようですよ。すぐに先を越されてしまうかもしれません。」
「何?それは聞き捨てならんな。ちょっと様子を見に行ってやるか。」
女は驚いた様子で答える。
「休日なのに現場に行くんですか?」
「ちょっと様子を見に行くだけだ。それに可愛い後輩の面倒は先輩が見てやらなきゃな」
不気味な笑みとともに、ゼータはサングラスをかけ、部屋を後にした。




