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【Get rich quick Online】MILLION’$ DICE 〜天才と馬鹿と人魚姫、ボードゲームで平和の楽園を買う〜  作者: Kazu―慶―
PHASE-1 新波ゲーム戦士・ニューウェーブ登場!

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〈TURN-2〉ミアと愛海、電脳の海を旅する。

『―――”ティアーズアイランド“は、現実世界の永い歴史に引き起こされた戦争によって、没した人々を悼む為に創られた慰霊碑が有名となっております。到着の際は、是非お立ち寄りを。本便の到着予定時間は……』



 ――西へと沈む仮想空間の太陽。夕暮れにゲームワールドオンラインのエリアとエリアを繋ぐ電脳の海、『ブルーウェーブシー』を渡る遊覧船。

 その船のアナウンスを耳にしつつ、電脳海を無心に眺めるミアさんと愛海さん。


 地球規模のVRMMOと呼ばれているゲームワールドの地形は、()()()()()を目指して構成されていた為、私たちが住んでいる地球と変わらない地理になってるんだとか。


 ミアさんが出発した『LRポート』は鹿児島新港、到着地である『ティアーズアイランド』は、沖縄をイメージして構成されたんですって。

 つまり、ミアさん達が目的地に到着するまで半日くらい掛かる程の長旅。愛海さんが大荷物で構えるのも分かるけど……それでも大袈裟すぎるわ。


「ねぇ、ミアちゃん。……どうして『ティアーズアイランド』に行こうって思ったの?」

 出逢って数分も経たずに、フレンドリーな言い方でミアさんに尋ねる愛海さん。


「……質問を質問で返してすみませんが、そう言う愛海さんこそ、どうして?」

 ミアさんは真意をはぐらかすように、質問返しで愛海に聞き返した。


「彼処は戦争で亡くなった人を追悼する為に創られたエリアよ。……あたしは、自衛官辞めてから暫くは『平和』って何だろうってずっと考えてたの。国を護る為に入る軍隊って何の意味があるんだろう、とか。だからあの島に行って、確かめたい」

「………そうでしたか」


 ゲームワールドには、人の心を動かす為に創られたエリアも存在する。ゲームだけでなく、人類と地球の記録を残すために、平和啓発の為に創られたものもあるという。『ティアーズアイランド』がその一つ。

 愛海さんの目的を知ったミアさんは、彼女なら信頼出来ると思ったのでしょう。彼女に気持ちを打ち明けていきます。


「私も、愛海さんと一緒です。私はドイツと日本のハーフなんですが、どっちも戦争で酷いことをしてきた国でしょう?

 なのに何か核心を隠そうとしたり、しっかりと向き合おうとする姿勢が全く見えないじゃないですか。

 教科書や戦争に関する慰霊碑や、資料館を観たって伝わらないものがあります。ゲームワールドのあの島なら……戦争や紛争で苦しんだ人々の心が分かる。そう思って来ました」


「貴方も……!」


 この物語の時代は近未来。古い戦争で生き延びた者達が居なくなり、資料館等で遺された遺品や生存者のメッセージだけが戦争の記憶を訴えるだけ。

 そして現実でも、国同士が威嚇しあい、独裁者の勝手な行動により庶民が危険に晒される。そんな始末でした。


 ――だからこそミアさんと愛海さんは、平和の意味をこのゲームワールドで突き止めたかったのです。


 投資家であっても、元海上自衛官であっても、人間同士で平和への思いは同じ。ミアさんと愛海さんはより強く、互いに興味を惹かれていく。

 早く『ティアーズアイランド』に着いて、二人の気持ちを共有したい。そう感じていた最中―――



「……それよりも愛海さん、彼処の奥の方に大きな船が見えてますか? 12時の方向」

「ふぇ? どれどれ……」


 ミアさんが所持していた双眼鏡を愛海さんに渡し、彼女が遠方を覗くと、真正面に確かに金色の大型船の姿。船首には黒曜石で掘られた神の格好をした男の像が付けられていた。


「え、待って……? あの船、中東地区であんな形をした()()()を観たわ。あれは確か、ティーチ……」


「そう、『ティーチの使者』。現実の中東地区を問わず、ゲームワールドでも略奪の限りを尽くす海賊の船です」

 ミアさんは、船の詳細を知り尽くしていました。


「しかし、少し妙だと思いませんか?」

「妙、って何が?」


「ティーチの使者がゲームワールドで活動する地区は、ここから約7,500kmも離れてるんですよ。そんな輩が何故遥々船ごと転送してまで、ここまでやって来たのか……?」


 確かに妙です。余程な目的が無ければ、こんな大胆な行動を取ることは無いでしょう。

 しかもその船は、遊覧船が獲物だと言わんばかりにグングンと近づいていく。


 ティーチの使者が遊覧船を狙う理由は何でしょうか? 金目の物の強奪か、いいえ違います。――とある者を、そして物も狙っていたのです。


「き……来た……! ティーチの使者共が……!!」

「お父様!」


 先程、手荷物の中身を過剰に心配していた背広姿の男。海賊船が迫れば迫るほどに彼の胸が絞め付けられ、抑えて蹲る。その様子に娘が寄り添う。



 そして同時に大型船の接近と、何かを察したミアは突然展望デッキから飛び出し、船内へと駆け抜けていく。


「ど、何処行くの、ミア!?」

「ちょっと、気になる事があるんです!」


 飛び出すミアさんに、後から付いてくる愛海さん。遊覧船に立ち込める暗雲に気付いていく二人。彼女達に待ち受ける事件とは何か? 本日のターンは、これで終了!!



 ⚀⚁⚂Go to the next turn!⚃⚄⚅

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