第二十話 魔女の系譜 3
まだ見てないところは鏡台とピアノとベッドだ。
レンは鏡台の引き出しに手をかけた、何か隠してあるとしたらここが可能性として高いと思ったからだ。
引き出しを開けると、中にはくすんだ色をした飴玉くらいの大きさの小石が何個か入っている。
「ブラッキー、これ何か分かる?」
「これはジェムだな、宝石の一種だ」
「宝石!?ってことは結構いいもの?」
「いや、見た感じその辺に落ちてる石に毛が生えたくらいの物だ、価値はほとんどないと思うぞ」
子供が気に入って持ち帰ってきた宝物といったところなのだろう、僅かに魔力を持っているようだが、使い道としてはほぼないとブラッキーが言う。
次にピアノを調べてみる、一般人が見ただけでわかるくらい色あせた木の色をしていて、鍵盤をいくつか叩いてもどれも音が出なくて壊れているようだった。
「年季入ってそうだな、どこ押しても音なんか出ないぞ」
ブラッキーがあちこち鍵盤をべしべし叩いていると白鍵の1つが外れて上に飛びあがり、そのまま床に落ちる。
「…もしかして壊した?」
「いや、多分最初からおかしかったぞ、うん」
誤魔化そうとしているのは明白だったが、とりあえず外れて床に落ちた白鍵を拾って鍵盤を元に戻すと、それと同時にゴウンゴウンという何かを擦る音と大きな地響きが部屋中に響き渡った。
「いったたた…あれ?」
レンはバランスを崩して床に転倒する、偶然にもベッドの下に下り階段があるのが見えた。
「狙い通りだぜ」
ドヤァっとした笑みを浮かべながらブラッキーは倒れたレンの事を見下すようにし、前足で頭をポンっと叩く、なんか悔しいと思いつつレンは立ち上がった。
「地下室への入口とか、かな?」
「どうだろうな、とりあえず変な気配とかはしないから安全だとは思うが」
「安全なら大丈夫だよね?」
階段を下りていくとすぐに地下室があった、石造りになっているようだったが暗すぎて中は何も見えない。
「光虫の灯」
ブラッキーがそういうと、うっすらと弱い緑色の光を放つ虫が一匹召喚される。
光虫が床の付近を舞うように飛ぶと、そこにはペンケースくらいのサイズの小さな箱が一つあった。
「とりあえずここじゃなんだ、上に上がってからゆっくり見ようぜ」
ブラッキーの提案で、とりあえず地下室から上がってレンは部屋に戻るのだった。
ストーリーパートです。
次回は5月11日に3話アップの予定です。




