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プロローグ I『出会い』

世界は三度壊れた。


最初は、生物

次は、工業

最後は、人間そのもの


三度に渡る“撹乱”によって国家は形骸化し、世界は巨大企業によって六つの地帯へ分断された。

氷河、森林、海岸、火山、砂漠、平原——それぞれを支配する企業達は、特殊資源と技術を巡り、終わりなき戦争を続けていた。

そんな中、元傭兵の黒峰(くろみね) 狼牙(ろうが)はとある企業を後ろ盾に持つテロリストNirVanaと交戦中『彼女』と出会い……

地下鉄——E17区画——


雨音が地面を叩く。

鼓膜が張り詰める。灰白が空を濁らせている。地上とは裏腹に静けさと暗さが共存する地下。


シュン


一閃、また一閃。音が響く。使われなくなった地下鉄で。肉が裂け骨が飛び出している。白く動きやすいであろう保護服。顔が見えぬよう顔に骨の面を被っている。それが一人、二人…一体どれほど動かなくなっているのか。『それ』はまるで一つの存在のよう。『それ』が銀閃を受ける隙に別の『それ』が一閃を入れる。そして『それ』こそが……


——否


『獣』がいた。


刀を振る。銀閃、彼が振るっていた。表情を変えず、彼は振る。灰銀の毛並みが揺れ、刀を振るう。刀には血を滴らせながら…


——銀閃


太い腕、発達した脚。そして『獣』と交わる『それ』。『獣』にとって『それ』は何であろうとよかった。ただ進路を妨害する敵。『獣』は呼吸さえ乱さない。そして……最後に残った一つの『それ』。『獣』は理解していた。残った『それ』は他の『それ』とは一際異なるものだと。そう、ただ異なるだけの存在だと考えていた。


『獣』が最後の『それ』に銀閃を……


シュッ


空気が裂ける音がした


避けた。『それ』……いや『彼女』は避けたのだ。ただ相打ちという『それ』にとって何ら障害の無い手段を『彼女』は選べなかった。初めて『獣』は狼狽する。


「……」


『獣』は何も言わない。だが心内で彼は『それ』を他とは異なるものでは無く異質なものとして見始める。それでも『それ』は動く。そう教え込まれてきた、それしか次を知らなかった。


キン————ッ


『獣』が『彼女』に一太刀入れる。ためらうことなく、ただし活動を止める為ではなく他の目的を持って。


カラッ——


面が縦に割れ落ちる。その下には短い髪を持つ女性がいた。淡々とただ生きる為にのみ存在しているかのように。面を落とされても尚、彼女は表情を変えずにいた。


「……何故、避ける」


『獣』が言う。地下、使われぬ線路に低い声が響く。


彼女は首を傾ける。話さない。…それとも話せないのか


「…分からないのか」


彼女は頷く。どうやら最低限のコミュニケーションは取れるようだ。答える彼女の目は不安と困惑でいっぱいだった。初めて彼女は喉を揺らす。


「………殺さないの?」


掠れそして淡く消えそうな儚い声だった。彼女は困惑したのだ。殺す為に殺されることを目的として生きてきた自らが殺されず生かされている。その状況が彼女にとって懐疑的だった。


『獣』は彼女の目を見て何を思うのか。彼女には分からなかった。『獣』は口を開く。


「…来るか?新しい生き方ってやつを教えてやる」


彼女はその言葉を理解しきれなかった。脳が限界を迎えていた。当然だ、今までプログラム化された行動しか取ってこなかったからだ。


『獣』は黙って歩いて行く。彼女に目を向けて。彼女はその姿を最後に…


意識が途切れた

何となく考えてたストーリーを描き始めました。酷評でも是非していただきたいです。

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