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おお魔王よ、死んでしまうとはお疲れ様です  作者: イマノキ・スギロウ
5/5

第05話「おお魔王よ、死んでしまうとはお疲れ様です」

これでラストです。

 デスフレアの凡ミスであわてた人類によって勇者が召喚されて早一年、しかたなく魔王城から全世界に対して宣戦布告がなされ、はっきりとした脅威を認識した世界は魔王討伐を召喚した勇者に命じ、勇者もそれを了承して魔王討伐の旅に出た。

召喚された当初は弱々しかった勇者もクッションスライムをはじめとした雑魚モンスター、そして中ボスたちを倒して次第にレベルを上げ、仲間を増やし、とうとう魔王城で魔王デスフレアと対峙するまでになっていた。


 う~ん、始めは可愛かったけど、なんかこうして見るとかっこよくなったなぁ~勇者くん。


「ふぅはっはっはっ、よくぞ来たな勇者よ! さあ、互いの死力を尽くした戦いを始めようぞ!」


「いくぞ! 魔王よ!」


 魔王と勇者たちの長い死闘はギリギリの差で勇者たちの勝利に終わった。


「ぐわぁ、や、やるな、勇者よ」


 ほんとに強いよ! 今の私じゃガチでやっても勝てないかも!


「し、しかし私を倒したとしても無駄なことだ、私は所詮、あの方に仕える身、 あのお方、大魔王様にかかればお前たちなどひとひねりだ!」


「なに、大魔王だと!? ……やっぱそういうのもいるんだ、」


「へ? なんで知ってるの?」


「へ?」


 あ、まずい。


「ぐう、勇者よ、先に地獄でまっているぞー!」


 最期のセリフとともに魔王デスフレアは炎に包まれ、消えて行った。


 それからさらに一年、


 魔王を倒したことに喜ぶのもつかの間、大魔王の存在が公になり、世界は再びに勇者に救いを求め、勇者もそれに応じて大魔王を探して世界を旅する事となった。道中、勇者たちは普通と異なる姿形の特殊なモンスターが現れるという話を聞きつけ、討伐に向かったりもしたが、その特殊モンスター達のほとんどは謎の女魔法使い一人の手によって先に倒されてしまっており、勇者たちは道中で彼女と遭遇する度に何度となく大魔王討伐のためのパーティーに入らないかと勧誘を続けたが、ついに彼女がパーティーに参加することはなかった。


「できれば、彼女がいると心強かったんだけどな」


「それは言いっこなしだぜ、勇者様」


「だな、行くぞ!」


 長い旅の果て、ついに見つけた大魔王の居城に乗り込んだ勇者一行はモンスターたちを蹴散らし、大魔王の居室へと乗り込んだ。


「ふぅ~、よくぞ来た勇者よ、無駄な努力ご苦労様と言っておこう。では、さっさと死ぬがよい!」


「いくぞ! 大魔王よ!」


 はいはい、さっさと終わらせたいからまきで行きましょ、まきで~。




 以下略。




















「さあ、かの者に祝福を! 目覚めなさい!」


 ゴトッ、 


「あ~、疲れた~」


「せんぱ~い、死んでしまうとはお疲れ様で~す」 


「はいお疲れ。デスフレア、あんた約束忘れてないでしょうね?」


「はい、今日の帰りは私のおごりで朝まで飲みましょうー!」


「よろしい」


「うわ、メアリーさん自分だけずるいなー、」


「どこがよ! このバカのせいで魔王・大魔王の二段重ねの策で勇者に無駄に世界歩かせて時間稼ぎしながら負のエネルギー消費し切った上、残ってたファンシーモンスターも全部私がぶち殺して後始末してきたんだから当然でしょう!?」


「本当にありがとうございます。先輩!」


「んじゃさっそく行くわよデスフレア」


「はーい」


「あ、メアリーさん、課長への報告を、」


「そんなのあと」


「そんな…、私が怒られちゃいますよ」


「誰が置いてくって言ったのよ?」


「へ?」


「あなたも来るのよ、今日と言う今日はハッキリ言わせてもらうからね!」


「え、それってどういう…、」


「いいから来い! この鈍感!」 



魔王たちの倒される日々はこれからも続いて行く。

そしてそのたびに私、邪神官は彼ら魔王に、特に彼女(メアリーベル)にはこう言うだろう。おお、魔王(わがつま)よ死んでしまうとはお疲れ様です っと。


 ここまで見ていただいてありがとうございました。なんとなくいつもRPGで遊んでいるときになんで魔王っていつも懲りずに世界征服しに来るんだろうっていう理由を考えてて、そこからこの話を思いつき、勢いに任せて書いてみました。

 まぁ、多少ツッコミどころもありますが、楽しんでいただけたならば幸いです。

 そのうち、もう少し内容を考えられたらリメイク版を書くかもしれません。その時はまたご覧いただけるとうれしいです。感想をいただけるとなおうれしいです。 ではまた。 

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