第6話 勝負の妙
「フリッツさんの1勝です。」
レフェリーのチョキによりフリッツの1勝がコールされた。
(ありゃりゃー。)
ごんすけは何も出来ずに1ゲームを取られた訳だが、まだよく分かってない。
(こいつ弱っ。)
対戦相手のフリッツはごんすけをバカにしていた。
「これは一方的になりそうね。」
既にチョキの試練に合格して観戦していたリンはつぶやいた。
「でもあの子なんかケロッとした顔してるよ。」
同じく既にチョキの試練に合格したキャサリンの言う通り、ごんすけは悔しそうな顔もしてないし落ち込んでもいない。
普通にゲームで楽しんでいた。
「そうね。でも厳しいんじゃない。」
「そうかもね。」
リンもキャサリンもごんすけの負けは確実だと思っていた。
「それでは次のゲームを始めます。」
チョキ君のコールで2ゲーム目が始まった。
OP『お子様歩いてる』
お子様歩いてるー
お子様歩いてるー
イカセノミーカーハビロチャマアー
お子様歩いてるー
お子様歩いてるー
お・子・さ・ま歩いてる〜〜
「それではカードを配ります。」
チョキ君によりごんすけとフリッツそれぞれに9枚のカードが配られた。
フリッツの手持ちのカードとなった9枚は
ジョーカー、グーのA、パーのA、チョキのK、チョキのQ、グーのJ、グーの10、グーの8、チョキの6
(何これ!最強じゃん!これはもらった。)
フリッツは手持ちカードを見て勝ちを確信した。
何を出しても勝てると思いほとんど迷わずにカードを3枚並べた。
「バトルOK。」
フリッツは自信まんまんにコールした。
一方のごんすけは首をかしげながらカードを並べた。
「バトルOK。」
コールした後もごんすけは首をかしげている。
「それではカードをめくります。」
チョキ君は6枚のカードをめくった。
フリッツのカードが
チョキの6、パーのA、チョキのQ
ごんすけのカードが
グーの9、パーの6、チョキの8
2ゲーム目の1バトル目もフリッツが勝ち越しでバトルを取った。
(よし!危なかったけど勝ち越し!1番弱かったチョキの6もなくなったし最高。それにしてもこいつのカードかなり弱いんじゃないか。ちょっと試してみるか。)
フリッツは余裕が出来たのでこのバトルは取られてもいいつもりでカードを3枚選んで並べた。
「バトルOK。」
フリッツはコールしてごんすけの顔を見た。
ごんすけは、また首をかしげながらカードを並べた。
「バトルOK。」
ごんすけはこのバトルでもコールしてからも首をかしげている。
「それではカードをめくります。」
チョキ君は6枚のカードをめくった。
フリッツのカードが
グーのJ、グーの10、グーの8
ごんすけのカードが
チョキの7、グーの4、パーの7
このバトルもフリッツのカードが勝ち越してフリッツがバトルを取った。
(キタキター!やっぱりこいつのカードくそ弱い。もう俺のカード最強ばかりだしこれはもらった。よしとどめだ!)
フリッツは笑みを浮かべながらカードを並べた。
「バトルOK。」
フリッツは勝ち誇った顔をしてコールした。
そしてごんすけは、また首をかしげながらカードを並べた。
「それではめくります。」
チョキ君がカードをめくると同時にフリッツは立ち上がった。
「はははは!気をつけて帰れよご苦労さん!」
フリッツはごんすけに吐き捨てるように言いながら余裕の笑みで6枚のカードを見た。
フリッツのカードが
ジョーカー、パーのA、チョキのK
ごんすけのカードが
パーの3、グーの2、チョキのA
1枚のカードはジョーカーでフリッツが勝ったが、残りの2枚のカードはごんすけが勝った。
「あっ、フリッツさんジョーカーを使って負け越したのでごんすけさんの1勝です。」
チョキ君がごんすけの1勝をコールして、会場中が何が起こったんだという空気になった。
「えっ…。」
フリッツは状況が分からず唖然とした。
「えー、なんかよくわかんないけどやったー!」
ごんすけも分かってないが、とりあえず喜んだ。
「ちょっと待て!2枚目のカード、俺がパーでこいつがグーだからじゃんけんで勝ってんじゃねーか!だったら俺の勝ち越しだろ!」
フリッツは納得出来ずにチョキ君に抗議した。
「いいえ。2がAに勝つという特別ルールに限ってじゃんけんの記号は関係ないです。ルールブックにも書いてあります。」
チョキ君は淡々とフリッツに答えた。
「そんなのありかよ!ふざけんなよ。」
フリッツはチョキ君に顔を近付けて怒鳴った。
「暴言を吐くと失格になりますよ。」
チョキ君は冷静にフリッツに警告を出した。
「チッ、分かったよ。」
フリッツは納得いかなかったが、渋々席に座った。
「あの人怖い。」
急にピリついた空気になってキャサリンは怖がった。
「そうだね。悔しいのは分かるけどね。でも高笑いでご苦労さんは引いたよね。」
リンは怒った事よりも上から目線になったフリッツに引いていた。
「そうだね。」
キャサリンも同意した。
「それではカードを配ります。」
チョキ君がカードを配り3ゲーム目が始まった。
(俺の父親は西ドイツでは知らない人はいないくらいの名医だ。
俺も父親みたいな医者になるのが当然だと言われてきた。
それに色んな習い事をさせられた。
塾に英語にバイオリンに乗馬にサッカー。
とにかく色々だ。)
フリッツは現世の事を思い出していた。
フリッツのカードが
チョキのK、パーの7、グーの10
ごんすけのカードが
グーのJ、チョキの5、パーの8
3ゲーム目の最初のバトルはごんすけが全てのカードで勝った。
「やったー。」
ごんすけもここにきてルールを理解し、持ち前のじゃんけん勘を発揮した。
(成績だって上位だしどんな習い事だって俺はやりこなした。
こんな普通のガキなんかに負ける訳がないんだ。)
フリッツは冷静さを失っていた。
フリッツのカードが
パーのJ、グーの9、チョキの10
ごんすけのカードが
チョキの3、パーの10、グーのQ
このバトルでもごんすけはじゃんけんの強さを発揮して全てのカードで勝った。
「イェーイ!」
ごんすけはもうノリノリだ。
(絶対負けない!絶対負けない!負ける訳がなーい!)
フリッツのプライドがごんすけみたいな普通の子供に負けるのだけは認めたくなかった。
フリッツのカードが
グーのA、チョキのA、パーのA
ごんすけのカードが
パーのQ、ジョーカー、パーの2
フリッツは再度逆転を狙ってエース3枚を出したが、ごんすけのじゃんけんの強さと、ここにきてジョーカーを使って、そして2がエースに勝つという特別ルールで全てのカードで勝った。
そしてごんすけのカードはなくなった。
「ごんすけさんの2勝目でチョキの試練合格になります。フリッツさんお疲れ様でした。」
チョキ君のコールにより、ごんすけの勝利が正式に決まった。
じゃんバト 第10試合
勝者 佐藤権助
「勝ったー!いやっほー!」
ごんすけは椅子から立ち上がって喜んだ。
一方のフリッツは上を向いたまま固まっていた。
「これでチョキの試練合格者が10人決まりましたのでチョキの試練は以上になります。ありがとうございました。」
チョキ君はやっとチョキの試練が終わり、心底ホッとしていた。
ED『タマちゃん』
タマちゃん
タマちゃん
タマちゃんみたいだね
かわいい
かわいい
タマちゃんみたいだね
タマちゃんみたいだねパカパン
次回予告
ワーリチョン!アタイ九ちゃん。
バンザイ。
別に意味はないよ
言いたかっただけだよ。
バンザイって言ってたらウルサイって言ってた人がいたからウルサイって言い返してたら、
アタイの口癖になっちゃったアハハハ。
そんな訳で次回の話はパーの試練
お楽しみに。




