第18話 紙一重
ごんすけは能力エコーブレードで狼男の技、ウルフステップをコピーして軽快にステップを踏み出した。
洞窟内にタッタッタッと音が響きわたった。
「なにー!」
狼男は驚愕した。
「うわー!何これ、おもしろーい!」
ごんすけはステップを踏めるようになってはしゃいでいる。
「俺様が長年かけて編み出したウルフステップを…、だが、おもしれーじゃねえか!」
狼男はショックよりも好敵手と戦える事を心底楽しんでいた。
そして、ごんすけの剣と狼男の爪がぶつかり合うキン!キン!という音が洞窟内に響いた。
OP『お子様ランドのテーマ』(2番のみ)
剣やゲームやマイクを渡されて
能力目覚めたと言われたけれど
使い方とか何も教えてくれない
説明書何で無いんだよ
急に宿命背負わされ
戦いの中に巻き込まれる
お子様ランド
お子様ランド
お子様ランドが愛しくて
お子様ランド
お子様ランド
お子様ランドを抱きしめる
「これがごんすけの能力…。」
ドボ名人はごんすけの動きの変わりように驚いていた。
「ごんすけさんの能力エコーブレードは対戦相手の技をコピー出来ます。」
チョキ君はそれぞれの能力を把握していて、ドボ名人に答えた。
「コピーですか?でも何となくだけどごんすけのステップのほうが速い気がする。」
キャサリンは社交ダンスを習った事がある為、ステップの速さの違いが気になった。
「確かに。」
ドボ名人はごんすけと狼男の足さばきを見比べてキャサリンに同感した。
「ごんすけさんは素直な性格ですから人一倍吸収力が強いのかもしれません。」
チョキ君は自分なりに分析した事を答えた。
試合はごんすけの剣と狼男の爪がぶつかりキン!キン!と音が鳴り響いている。
そして徐々にごんすけが押し始めた。
「こいつ…。こうなったら奥の手だ!ルナティックドライブ!」
狼男は技名を叫ぶと、体を前方に回転させて両手両足の爪を突き出し、ごんすけ目掛けて突進した。
ごんすけはなんとか剣で受け止めようとするも、回転の力で剣が飛ばされた。
「今だ!」
狼男はチャンスだと思い、ごんすけに向かって飛びかかった。
するとごんすけが再び剣をポンッと出した。
「えっ…。」
狼男はまさかと思って動きが一瞬止まった。
「ええーい!」
ごんすけは無我夢中で横から剣を振り抜いた。
「ぐふっ!!」
剣は狼男の体に直撃して、狼男はそのまま前に倒れ、気を失った。
「狼男さんが気を失ったので決着です。」
チョキ君が入ってきて試合の決着をコールした。
「コンコンココーン!」
ごんすけは右手で剣をあげて左手はきつねの手の形にして踊った。
ごんすけの剣の一撃で決着
モンスターバトル 第6試合
勝者 GON FOX ごんすけ
「勝ったのは良かったけど何が起きた?ごんすけの剣が飛ばされたと思ってたらいつのまにかごんすけが勝ってた。」
ドボ名人はあまりにも一瞬の事で状況を理解出来なかった。
「私も速すぎて分かんなかった。」
キャサリンも同じく見えてなかった。
「狼男が攻撃しようとしてるところをごんすけが剣をポンッと出して斬ったんだよ。」
タマだけは全て見えていて、何でもない事のように話した。
「タマちゃんあんな速いの見えるんだ。凄いね。」
キャサリンはもうタマが可愛くて仕方ない。
「にゃー。」
タマはよく分からないけど褒められて嬉しかった。
「つまり狼男はごんすけが剣を持ってないと思って無造作に攻撃しようとした。そしてごんすけの剣は能力によるものだから剣が飛ばされようが自分の意思で出し入れ出来る。それで狼男の不意をついた形でごんすけは斬る事が出来た。まさに紙一重の差だった訳だね。」
ドボ名人は試合の結果をまとめてみた。
「あれ?オイラ勝ったのにあんまり喜んでないね。」
ごんすけは全然盛り上がってない事に拍子抜けした。
「そんな事ないよ。嬉しいよ。」
キャサリンは笑顔で返した。
「やったにゃ。」
タマは普通に喜んでた。
「あまりの凄さにビックリしてただけだよ。」
ドボ名人は慌てて答えた。
「だったら良かった。じゃ、次行こう。」
ごんすけは安心して歩きだそうとした。
「ちょっと待って。少し時間が経ったから回復試してみるよ。」
キャサリンはごんすけを呼び止めてマイクをポンッと出した。
「ラララララララ〜♪」
キャサリンが歌うとごんすけの体力がほんの少しだけ回復した。
「ありがとうキャサリン。」
ごんすけは満面の笑みで礼を言った。
「本当にちょっとしか回復出来なかったけどね。」
キャサリンは申し訳なく思った。
「うん、十分だよ。さあ行こう。」
ごんすけはそう言って洞窟の奥へ歩き出した。
◇
「ごんすけさん、次にまた頭の中で声が聞こえたら声に出さないで心の中で会話したほうがいいですよ。」
チョキ君は歩きながらごんすけに声をかけた。
「あーそうか。そういえば狼男怒ってたね。」
ごんすけはさっきまでの事を思い出していた。
「あれは怒ってたというより慌ててたんだと思います。でも相手に手の内がバレないように心の中で話したほうがいいと思います。」
「うん、分かったよ。次からそうする。ところであの声の名前ってなんなの?」
「ごんすけさんの能力名はエコーブレードですが声そのものには名前はないと思います。」
「だったら勝手に付けていいの?」
「はい。」
「じゃあエコーブレードだからエーちゃんでいいか。よろしくねエーちゃん。」
ごんすけは心の中の声に名前を付けた。
「…。」
心の中の声は何も返さなかったが、名前が付いて喜んでいるんじゃないかと、ごんすけは思っていた。
「フランケン、ドラキュラ、狼男ときたから次は怪物の王子かな。」
ドボ名人は次の対戦相手の予想をしていた。
そして、しばらく歩くと石の墓らしき物が見えた。
「なんだあれ?」
ごんすけは墓を指さした。
「どうやら王子ではないみたいだね。」
ドボ名人は予想が外れたなと思った。
すると墓の前の地面がムクムクと盛り上がり、人影が出てきた。
「ミイラ男だ!!」
ごんすけは本で見たモンスターが現れて思わず叫んだ。
ED『暗闇のバラード』
真っ暗な暗闇の中で
子供達は何を思う
明日も見えない不安だとか
怖くてどうしようもない気持ち
だけど日常ではない状況に
なんだかワクワクもして
よく分からないけど冒険心で
この胸が この胸が ドキドキと
高まっていくんだ
涙を流したこの想いも
成長してる証なんだ
明日にはきっと光が見えて
眩しいはずなんだ
次回予告
どうも、僕ドボ名人。
ファミコンってコントローラーが壊れたら取り替える為にファミコン分解しないといけないから自然と電子工作に詳しくなるんだよね。まあそんなに難しくはないけどね。
そんな訳で次回の話はファラオクッワ。
お楽しみに。




