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第1話 神隠し

1986年の8月中旬、夏休みもあと2週間となる日の18時頃。

東京の足立区は東京都でありながら畑が多くあり、のどかな風景が広がっている。

そんな足立区の一角にある佐藤家のリビングではテレビ番組を心待ちにしてる兄弟がいた。


「高橋名人対ドボ名人の対決何時からだっけ?」


話を振ってきた彼は兄の佐藤健太郎、以後はけんたろうと表記しよう。

中学1年生でまだ誕生日がきてないので12歳、かなりのお調子者だ。


「7時からだよ。」


答えたのが弟の佐藤権助、以後はごんすけと表記する。

小学5年生の11歳、彼がこの物語の主人公だ。


「高橋名人って確かゲームの人だろ?そのドボ名人って人もそうなのか?」


話に入ってきたのが佐藤大助、以後だいすけと表記する。

ごんすけ達の父で41歳、建築業の会社で働いている。


「そうだよ。オイラと同じ5年生で最強なんだよ。」


ごんすけは自慢げに答えた。


「へーそれは凄いな。」


だいすけは感心していた。


「それでどっちが勝つと思う?。」


けんたろうがごんすけに聞くと


「ドボ名人に決まってんじゃん!」


ごんすけは強く言い切った。


「えー高橋名人だよ。なんていっても16連射だぜ。」


けんたろうが応戦した。


「そんなの関係ないよ。」


「関係なくないよ。」


軽い兄弟ゲンカが始まった。


「そんな事より2人とも夏休みの宿題は終わったの?」


兄弟ゲンカが始まる前に話に入ってきたのは佐藤和恵、以後はかずえと表記しよう。

ごんすけ達の母で40歳、専業主婦をやっている。


「俺は終わったぜ。」


けんたろうは自信満々に答えたけど実は全く宿題やってない。


「オイラもまあ大体は」


ごんすけは正直に答えた。


「今日の日記は書いたの?」


かずえは更に聞いてきた。


「俺はさっき書いたぜ。」


けんたろうは自信満々に答えたけど書いてない。


「ごんすけは?」


「テレビ見てから書くよ。」


ごんすけはかずえから目を逸らして答えた。


「そんな事言ってたら遅くなるから駄目でしょ?番組は7時からでしょ?まだ時間あるから今書きなさい!」


「えー…分かったよ。」


かずえに言われてごんすけは渋々立って居間から出た。


「ごんすけと同い年っていえば確かイギリスのキャサリン・スミスもそうだよな?」


だいすけが名前を出したキャサリン・スミスはイギリス人の世界的な歌姫だ。


「そうね。」


答えたかずえはキャサリンのカセットテープを擦り切れそうになるくらい聴いている。


「ごんすけとは月とすっぽんだな。」


けんたろうが得意げに言った。


「そんな事言うんじゃないの。」


かずえがけんたろうを叱った。


ごんすけは自分の部屋に行くために階段を登っていた。

その時に突然強い光に包まれた。

そして光が収まるとそこは川だった。


「えっ…。」


ごんすけの目の前には川で妖精達が泳いでいる光景が広がった。

ごんすけは口を半開きになって眺めていた。



OP『お子様ランドのテーマ』


1人の子供が何故かニヤついてる

くだらない事ばかり考えている

訳の分からない行動したりして

勝手に1人で喜んでいる


変な世界に迷い込み

怖いけれどもハートが踊る


お子様ランド

お子様ランド

お子様ランドが大好きで

お子様ランド

お子様ランド

お子様ランドと叫んでる



「妖精?これって?」


ごんすけはぼそっと呟いた。


すると妖精達が何故か飛び去った。


ガシャッガシャッと音が響き渡った。

甲冑姿の武士のような者がごんすけに近付いてくる。


「アマチャロビに迷い込んだのはお前か!?」


甲冑の者がごんすけに向かって凄んだ。


「えっ?」


ごんすけは戸惑うしかなかった。


「アマチャロビに迷い込んだのはお前か!?」


甲冑の者は再び凄んだ。


ごんすけは恐怖で何も答えられずに立ち尽くすだけだった。

そして甲冑の者の目が強く光った瞬間、ごんすけの意識が遠のくのを感じ、その場に倒れ込んだ。



ごんすけが神隠しにあってた頃、同時刻に世界中でも子供達が神隠しにあっていた。


東京・虎ノ門スタジオは18時半、大勢の観客達で溢れていた。

セットの上には最強高橋名人VS天才少年ドボ名人、世紀の対決と書かれている。

そして控え室のドアにドボ名人の張り紙が貼られていた。


「ドボ名人!出番ですよ!あれ?どこ行った?」


番組スタッフは慌てていた。



一方、アメリカのニューヨークは朝の5時半、郊外にある広い一軒家では、


「マット!朝よ!」


母親が息子を起こそうとドアを開けても部屋に誰もいなかった。


「あれ?いないわね。もう自主練行ったのかしら?」


マットの野球グローブだけが床に落ちていた。



当時はまだイギリス領だった香港は17時半、アクション俳優を何人も輩出している中国戯劇学院の道場では、


「おい!リン・シャオファはどこ行った?」


師範代がイライラしていた。


「あれ?さっきまでそこで型の練習してたんですが帰ったのかな?」


女性の門下生は気まずそうに答えた。


「挨拶もなしで帰ったのか?けしからんな!」


師範代は怒っていた。



フランスのストラスブールは11時半、石レンガで出来た古い家の台所では、


「ルルちゃん…あれっどこ行ったんだい?」


おばあさんが孫を探していた。


「さっきまでいたんだけど急にいなくなったのよ。あの子が台所散らかしたままなんてなかったんだけどね。」


ルルの母親は答えた。


「お菓子の材料でも買いにでも行ったのかしらね。」


おばあさんは心配していた。



エチオピアは12時半、青ナイル川沿いにあるリバーホール孤児院では、


「ミナはどうした?」


院長は険しい顔をしていた。


「ミナならさっき井戸水汲みに行ったけどまだ戻って来てない?」


孤児の少女は答えた。


「全くあいつはどこ行ったんだ。」


院長はイライラしていた。



ソビエト連邦のレニングラードは12時半、ソ連で中でも特に優秀な生徒が通うレニングラード第239寄宿学校の食堂では、


「あれ?マーシャ?」


女生徒は食事している手を止めてキョロキョロしていた。


「そこ何話してる?静かに食べなさい!」


教師が女生徒を叱った。


「はい…。」


「マーシャ・ミコワはどうした?」


「横で食べてたはずが気がついたらいなくなってまして…。」


「……。」


気まずい空気が流れた。



イギリスのロンドンは10時半、ウェンブリースタジアムでは夕方に行われる世界的歌姫、キャサリン・スミスのライブの為にバックバンドが演奏のリハーサルをしていた。


「おーい!キャサリン。」


ギタリストが大きな声で叫んだ。


「どうした?」


ドラマーが駆け寄ってきた。


「いや、リハーサルだし音合わせたくて、キャサリンどこにいるか知らない?」


「知らないけどトイレでもいったんじゃないの。」


ドラマーはそう言って笑った。



そしてごんすけはベッドに寝ていた。

ごんすけが目を覚ますとベッド近くに緑色の道着を着たシャム猫と白いセーラー帽を被った九官鳥がいた。


「久しぶりだね。良かった目覚まして。」


シャム猫が話しかけてきた。


「えっ猫が喋った!」


ごんすけは驚いた。



ED『落書き達のフェスティバル』


長い年月開けてなかった

ダンボール箱開けたら

子供の頃に描いた漫画や

落書きが出てきて

訳の分からない生き物や

人間らしきものもいて

そんな漫画を読み始めたら

時間を忘れてた


感動とか熱い話は

そんなものはないけれど

楽しかった思い出が

そこには詰まってて

バカみたいな事ではしゃいだ

あの頃の想いが今

溢れて再び動き出す woh


落書き達のフェスティバルを

開催する事決めたよ

全部一つにまとめ

物語作るんだ


色んな想いを全部集めて

ワクワクする気持ちを

再現するというより

新たに生み出すよ



次回予告


やあ!オイラごんすけ。

ダンゴ虫よく捕まえてコロコロ転がしてるんだけどなんかでかい鼻くそに見えてくるよね。

そんな訳で次回の話はアマチャロビ

お楽しみに!




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