閃光
最近やりたい事が多すぎて全く進まないんですよね()
「言われてここまでやって来たが……」
劉はため息をつく。
広い部屋の中。
「何だこの空間は」
「私達の『秘密基地』というべきかな」
「誰だ…?」
その部屋には先客がいた。
パソコンを熱心に弄り続ける男。
銃の手入れをしている男。
部屋の隅に置かれている鏡を見ておそらく次に着る服を決めているであろう女。
その他にも複数いるが、一番存在感があったのは
「ようこそ。 君はジェネラに連れてこられた人かい?」
この場を仕切っているように見える男だろう。
ローブを着たその長身の男は、指をさして人数を確認すると
さて、
と話を始めた。
「君たちがそれぞれ事情を説明されているかは知らないが、どちらにしろ今から私が説明するから安心してくれまえよ」
「その前にひとつだけ良いか?」
全身を灰色の衣服で纏った猫耳の女がその鋭い爪を天高く掲げて質問する。
「地下ってマズくないか? 敵の攻撃が『雨』であるのなら土から地下に染み出してくるのも時間の問題だと思うんだが……」
「それに関しては安心してくれ給え。 説明が終わったらまた別の場所に移動する。 そこは地上だ」
「それは良い事を聞きました」
「⁉︎」
部屋から無数に分かれる地下道。
その一つから現れた『それ』はロボット。
ここに居る誰もがそれを『見た』という覚えがない。
しかし。
『聞いた』人間なら居る。
憎しむべき相手の声だと判別したものなら。
「マドゥ…‼︎」
「おい待て! お前がどっか行ったらどうすんだよ!」
「次の場所へは私が案内いたします。 皆様続いてください」
細身で長身な紳士が先導する。
「頼むぞ、シリウス……」
「なーに余所見してくれてんですか?」
地響きを背に、
落石を避けながらまた走り出す。
そこに一筋。
新たな絶望。
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マドゥは傘をさしながら外を歩いていた。
無論、ただの傘では無い。
が、
それ以上に異常な風景があった。
それは
「あれれ! バレちゃった?」
「また想定外かよ…もう嫌になっちまいそうだぜ……」
そこにいたのは少女。
小学生中学年程度にしか見えないその少女は年相応な無邪気な笑顔を見せると
「んで、どうするの? おじさんが私と戦っても死ぬだけだと思うけど…おじさんの予想を超えた芽は早めに摘む?」
トランプをシャッフルしながらそんなことを言い始めた。
だが、それがハッタリというわけではないことはないだろう。
ここまで自信に満ち、堂々と佇んでいる。
それも毒の雨が降り注ぐ中。
只者であるはずがないのだ。
「お前が邪魔するってんなら潰す。 特に邪魔するつもりじゃないなら無駄な体力を使いたくない。 どうする?」
「うーん……」
少女は悩み
「じゃ、良いや」
「死んで」
その決断を下し。
開かれた紙切れにはQと刻まれていた。
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グリッジと呼ばれる灯火。
否、マドゥ私有の機動部隊のリーダー『チェイス』は、退屈していた。
「もう2時間ぐれぇ待ってるけどよォ… 全く出てこねぇじゃねぇか……」
ここから人が出てきたら襲え、出てくるまではひたすら待機。
そう言われてから早1時間半。
自ら狩りに行く側の人間であるチェイスにそれはただの苦行以外の何物でもなかった。
「テメェよ…ちょっとあの穴ん中見に行ってくるわ。 もうメンドクセェ」
「チェ、チェイス様……」
「黙れ。 てかもう黙らせた」
先程まで口答えしようとした部下の喉からは
今はただ血が吹き出るのみである。
「さて、と……お?」
そしてその部下の絶命とほぼ同刻。
そこから現れた。
「みいつけた…♪」
勇者と灯火の連合軍。
後に閃光と呼ばれる希望の光の凱旋である。
今週中に5話くらい描きたいですよね(適当)




