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天使と悪魔が結婚したら  作者: 下手むくれ


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2/2

ミッション

GLあり、BLあり。キス表現あり。

さて、今日起こった出来事を整理しよう。


1.大天使ミカエル様に、犬猿の仲である幼馴染と結婚しろと言われた。


2.人間界で暮らすことになった。


3.ベッドが一緒。吐いた。


4.ユラが出ていこうとした。


5.ちょうどよく、ミッションが来た。その内容が、『一時間以内にキスをしろ』←今ここ


「誰がやるかクソ天使ィィィィィィィィ!!!!」


悪魔ヴィランはスマホに映し出されるミッションを凝視し、頭を抱え叫んだ。


「ミカエル様にクソとか言うなクソ悪魔!!!」


すかさず天使ユラがヴィランを怒鳴る。


「クソ⋯よりにもよってこんなやつと⋯というか、順序を飛ばしすぎ⋯⋯あぁもう!一回神界に戻って説得⋯」


「どうやって戻るんだよ?」


「⋯⋯」


そう、今の彼らには翼が無かった。


神界に帰ってこれないようにと、対策が施されていた。


「じゃ、じゃあスマホに⋯」


だが、返信機能はどこにもなかった。


これじゃ返信もできないどころか、自分の意見を言うこともできない。


「⋯⋯どうする?」


「悪魔、その品性もない低俗な脳で考えろ。何が出来る」


「めっちゃ余計だなその言葉?!?!ほんと性格わりぃな昔っから!!!」


その時、インターホンが鳴った。


「!ミカエル様か?!」


「ぜってーちげぇだろ」


ガチャっとドアを開ける。そこにいたのは。


「やっほー!」


「あ、ユラくん、お久しぶり」


「⋯姉さん」


「あ、ねーちゃんじゃん!」


ユラの姉、ユラニマと、ヴィランの姉、ヴィオラだった。姉弟は、性格が正反対だった。


二人は昔に結婚して、現在、人間界で幸せに暮らしている。


「ちょっと〜、聞いたわよ?アンタたち、結婚したんだってね?」


「白紙にするつもりだよ」


「おう!」


「えぇっ、もったいないよ⋯二人とも、とてもお似合いなのに」


「「どこが!!!」」


声が揃ったことが気に食わなかったのか、ユラは舌打ちをし、ヴィランは睨みつけている。


「あららぁ?結構仲良しじゃないの〜。ユラ!ヴィランくん泣かしたら許さないわよ!」


「ヴィランも、ユラくんに迷惑をかけないようにね?」


「泣かすも何も、もう関わりたくないんだけど⋯」


「俺もだ!こんなやつ、誰が!」


「もー、昔っから変わんないわね、アンタたち!」


やれやれ、とユラニマがため息を付く。


そして、小さな袋を取り出した。


「これ!ヴィランくんの好きなおまんじゅうと大福!」


「マジ?!?!」


「姉さん、こいつを甘やかさないでよ⋯」


「私からは、ユラくんが大好きって言ってたミロワールショコラとティラミス!」


「本当ですか!」


「ねーちゃん!こいつに何も与えなくていいって!」


2人は、お互いの好きなものを見て目を輝かせている。


神界では年に一度、選ばれし神、天使、悪魔が人間界に行き、色々な食物を持って帰るという伝統がある。ふたりはそれで、「おまんじゅう」と「大福」、「ミロワールショコラ」と「ティラミス」という存在を知った。


大昔、まだヴィランとユラが生まれてもない頃。神界は果実等しかなく、動物は勝手に狩るのを禁止されていた。ルールを破ったら、禁固30年だ。


そのルールに耐えきれず、世界は弱肉強食という悪魔がデモを起こした。


このままだと、また戦争が起きかねないと考えた、まだ幼い偉神の子シヴァは、父親である偉神シルクと、その妻ヴァイオレンスに頼み、人間界から食べ物を持ってくるというルールを追加した。


そして現在、すっかり人間界の味に溶け込んでしまった神界。


人間界に行くことは神界の者たちにとって至高だった。


⋯結婚、という形で行かなければならないが。


「まったく、少しは仲良くしなさいよ!私たちみたいにね!」


「そうよ?2人は永遠の愛で結ばれるの⋯」


「⋯姉さんの隙あらば恋人を自慢してくるところ、僕嫌いだよ⋯」


「⋯ねーちゃんのロマンチストなとこ、俺嫌いだわ⋯」


またもやシンクロする2人。


「僕の真似しないでくれる?」


「あ?お前のほうが真似してんだろ?」


そして、またもや睨み合う2人。


仲良く出来るのは、まだ先のようだ。


すると、スマホが鳴る。


『まだしないのか?』


「見てんのかよ!!!」


「ということはミカエル様を待たせている、ということ?!」


『私はいつでもお前たちを見ているぞ』


「こっわ!!!監視こっわ!!!」


「わぁぁ了解致しました!今すぐ行為を行います!」


「っはぁっ?!?!?!」


ミカエル様への忠誠心が高いあまり、先走ってしまった。


姉2人は「あら、アツアツね」、「じゃあ、これで帰りましょうか」と言って帰っていった。


「待ってぇぇぇ!!!ねーちゃん、ユラニマさんっ!!!」


「さぁ、腹をくくれヴィラン!!!」


「忠誠心高すぎるだろやめろーッ!!!」


ユラが勢いよくヴィランの頬を掴み⋯。


——ちゅっ——


力任せにキスをした。


そして、すぐに離れる。


すると、スマホからピロンと音がした。


『ミッション完了』


緑色画面に、白い文字が映し出されていた。


「よし、できた。これでミカエル様からの信頼度はあっぷしただろうかっ⋯」


やはり、ミカエル様しか考えていない。


「⋯⋯」


ヴィランはというと、俯いていた。


「⋯?おい悪魔。どうした?」


「⋯⋯ぞ」


「え?」


「初チューだったんだぞ!!!」


ヴィランは涙目だった。


「は?」


「ファーストキス!初めてのチュー!わかる?!?!」


「⋯いや、それが?」


「はぁ?!?!お前罪悪感とかねぇのか!!!」


「僕もだけど?」


「⋯⋯え?」


「僕も、ファーストキスだったけど?」


止まった。主にヴィランが。


目を見開いている。


というかめちゃくちゃ凝視してくる。


「⋯⋯は???」


「ん?」


ユラはと言うと、きょとんとした顔でヴィランを見ている。


「⋯お前、結婚したくないんじゃなかったのかよ」


「したくないよ。君とはね。けれど、冷静に考えてみなよ。翼もない、神界への通信技術も、このスマホ、しかも返信不可のものだけ。これはもう、抗えないんだよ」


「⋯⋯確かに」


「あとミカエル様が喜ぶかなって」


「なんでだよ!!!あの人そういう趣味ねぇだろ!!!」


そしてうずくまり、


「⋯⋯そこは、もうちょっと愛とか、ある感じじゃねぇのかよ⋯」


「愛を求めるだなんて。悪魔は飢えてるねぇ」


「あーはいはい!愛に飢えてますとも!!」


しかし、ユラは少し考え、


「⋯じゃあ、こうすればいいの?」


「は?」


ガタンッ。


ユラがヴィランを壁まで追い詰めた。いわゆる、壁ドンというもの。


「ねぇ、キスしていい?⋯好きになっちゃった」


「⋯⋯」


ヴィランは目を見開き、


「⋯⋯⋯〜〜〜〜!!!///////////」


顔を真っ赤にさせた。ものすごいスピードで。


ユラはそれを見て固まる。


「⋯っ、ちょ、攻めすぎ⋯散歩行ってくる!!!ついてくんなよ!!!」


「う、うん⋯⋯」


ヴィランは荒々しく玄関のドアを開け、外に出る。


ユラはへたっと座り込んだ。


「⋯⋯は、はは⋯⋯⋯なぁんだ」


ぺろっと舌なめずりをし、


「可愛いとこ、あるじゃん」


ニヤッと笑った。

本作を読んでくださりありがとうございました!初投稿ですので、お楽しみいただけていたら幸いです!


あれあれ、ユラさん最後ちょっと動き始めましたね。ユラさん?ユラさん???


分かりにくいかなと持ったので説明しておきます。


ユラの姉は元気で活発なユラニマ、ヴィランの姉は大人しくロマンチストなヴィオラです!


これからも2人の甘々ほのぼの日常生活を書いていきます!どうぞ完結まで、お付き合いいただけたら嬉しいです……!

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