EPISODE 3 - 40 √朱音
「ナイスタイミング!」
ダメージが無くても
やっぱり鬱陶しいのか
自動迎撃システムの破壊を
碧依が優先し出したので、
その隙をついて、
近くの建物の中に避難すると
早速、スキャン結果を見る事にした。
その結果………。
「困ったな………」
予想通り、『緊急停止スイッチ』が
あったのは良かったけど
問題は、その場所やった。
「まさか、『首』付近にあるとは………」
正確には、『頸椎』に当たる所に
件のスイッチがあるみたいや。
ベフィモスに近づくだけでも
骨が折れるのに
その上、どうやって高さ30mもある所の
スイッチまで近づけばええねん………。
「しかも、解除コードが
『3重』に設定されてるって………」
普通に考えて、
この手の緊急停止コードは『1重』やろ!
何で『3重』も設定されてんねん!
しかも、ランダム設定やから
1回でも打ち間違えると
最初っからやり直しとか………。
「決まりや!
これを作った奴は、
絶対性格が悪い!!」
憤ってもしょうがないけど、
ツッコまずにはいられんはこんなもん!!
「はぁ……!はぁ………!」
あかん!
まずは、深呼吸して落ち着くか。
「すぅ………。はぁ………」
取り敢えず、深呼吸をして
気持ちを落ち着けた後、
やらんとあかん事を順序立てて考えて行く。
まず、前提条件は、
『ベフィモスの動きを止める』事や。
ここを如何にかせんことには、
碧依に接触も出来ん。
その為には、
もっと『火力の高い』物が要るけど
今手元にある武器では、
どう転んでも火力不足なんは明白や………。
「一か八かで、コイルガンを使って見るか?」
流石に関節を狙えば、
ベフィモスでも何かしらのダメージはあるやろ………。
「でも、虎の子の武器を使って
『駄目でした』じゃ、目も当てれんしな………」
答えを出しては、駄目出しをしてと
自問自答を繰り返してると、
ある事に気が付いた。
「もしかしたら、まだ『アレ』が
あるんとちゃうんか?」
思い立ったが吉日。
直ぐに、不知火にスキャンを開始させる。
「不知火!スキャン開始。
目標!『N2航空爆雷』!!」
【了解………。
施設内のスキャンを開始します………】
「出来るだけ、急いでくれよ………」
施設内にある防衛システムも
さっきから碧依に破壊されていって
残りわずかやからな………。
刻一刻と、数を減らしていく
防衛システムを眺めつつ
スキャン結果を待っていると………。
【スキャン完了………。
6時方向………。
距離約800mにある『格納庫』の中に
『N2航空爆雷』を発見しました】
「ビンゴ!」
まだ予備があると踏んで
スキャンをしてみたけど
目的の物が見つかってよかった。
しかも………。
「6時方向なら丁度、
ベフィモスと反対の位置やな!!」
ようやくウチにも、運が向いて来た!
上手くいけば、ベフィモスを
無力化出来るうえに
碧依の救出も出来るぞ!
ただ問題としては………。
「どうやって、ベフィモスに
気づかれずに目的地に向かうかやな………」
そう思い、身を寄せている
建物の死角から外骨格の
左腕の指をベフィモスに向ける。
指に仕込んでいるカメラを使って
ベフィモスの方を見て見ると
最後の無人戦車隊を踏み潰してる所やった。
「防衛システム全滅………」
防衛システムの全滅を確認すると、
再度、建物の死角に隠れ直す。
「マジで、どうした物か………」
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
もう暫く程、
朱音ルートが続きます。
これからも
3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




