EPISODE 4 - 3
身支度を済ませた俺は、
前回朱音に紹介されてから、
すっかりお気に入りにさせて貰っている
ダアトのエリア5にある
小さな『公園』に向かう為、
部屋を出て行く。
『公園』に向かう為、通路を進んでいると
途中にあった『メンテナンスルーム』から
1人の少女が出てくるのが見えた。
「おーい!あか………」
一瞬、『朱音』と呼びそうになったが、
寸での所で、飲み込むことが出来た。
『朱音』は、俺と同じ部隊に
所属している仲間で、
何と言っても、色鮮やかな『赤色の髪』を
『首もとで切り揃えている』のが、
特徴的な『アンドロイド』の少女だ。
性格は『活発』で、初対面の場合、
『喧嘩腰口調』で、
突っかかって来るのだが、
実は、『家族想い』で、『義理堅い』性格の
優しい少女だと言う事も知っている。
「(気恥ずかしくて、
本人にはとてもでは無いけど、
言えないけどな………)」
因みに俺が現在こうやって、
『アンドロイド』として復活できたのは、
『朱音』があの時、戦闘に介入してくれて、
『ダアト』に俺を連れて来てくれたおかげだったりする。
もし、それが無かったら、
今頃俺は、大地の肥やしになっていたな………。
そこまで考えた俺は、
慌てて頭を振って、
逸れかけた思考を元に戻す為、
今、『メンテナンスルーム』から、
出てきた少女の事を、改めて観察してみる。
『メンテナンスルーム』から
出て来た『少女』は、
『朱音』と瓜二つの容姿をしているが、
『朱音』と違い、髪は『腰まで届く位の長さ』で、
色が『赤色』では無く『薄い水色』だっだ。
そこで俺は、
『朱音』が『ベフィモス』との戦いで、
救出した『碧』と言う名の『少女』だと思い出す。
彼女は、『ある実験』により
『脳』以外の『肉体』を、
全て失っていたのだが、
エミリーによって『アンドロイド』として、
生前と変わらない肉体を手に入れることが出来た。
容姿が『朱音』と瓜二つなのは、
『朱音』の容姿をベースにして、
エミリーが作ったからそうだ。
何故そんな事をしたかと言うと、
『碧』が『朱音』の妹だからだそうだ。
一時は『脳』だけと言う、
俺には想像も出来ない様な
過酷な環境に居た彼女だが、
今では朱音と一緒に、
楽しそうに日々を過ごしている。
それ見るだけで俺も、
朱音の頑張りが報われた気がして、
嬉しく思う。
「あ!アキトさん!こんにちは」
そんな事を考えていると、
俺に気が付いた
碧ちゃんが挨拶をしてくれた。
「こんにちは、碧ちゃん。
こんな所で何してたんだ?」
俺も挨拶を返しつつ、
『メンテナンスルーム』で
何をしていたのか聞いて見た。
「はい。
新しい体に馴れる為に
『訓練』をしていたのと、
エミリーさんの『実験』に
付き合っていました」
「なるほどね」
改めて彼女を見て見ると、
普段は『ワンピース型の服』を
着ているのだが、
訓練の為か今は、
彼女の髪と似たような色の
青い『短パン』と『タンクトップ』を着ていた。
「あの………。
あまりじっくりと見られると、
恥ずかしい………の……ですが………」
「え!?あ!!ごめん!!」
俺がマジマジ見ていたせいか、
碧ちゃんから消え入りそうな声で、
そう言われた。
慌てて、謝る俺だが、
前回、エミリーのせいとは言え、
彼女の裸を見た前科がある為、
説得力に欠けてしまう。
「「………」」
碧ちゃんもその事を
思い出しているのか、
両腕を使い、
体を隠すような仕草をし出した。
お互い何とも居た堪れない
雰囲気になってしまい、
無駄に時間だけが過ぎて行く。
「所で、アキトさんは、
こんな所で何をしていたんですか?」
暫くすると、
沈黙に耐えきれなくなったのか、
碧ちゃんから俺に話を振って来てくれた。
女の子に気を遣わせて、
情けないとは思うが、
今はそれに便乗させて頂こう。
「さっきまで『探し物』をしてたんだけど、
思うような成果が出なかったんで、
息抜きに『散歩』でも、
しようかなって考えてたんだよ」
「なるほど………」
そこで、一旦会話が途切れると、
碧ちゃんが何やら考える素振りをし出した。
「(どうしたんだろ?)」
不思議に思いつつも、
このまま放置する訳にもいかないので、
彼女の考えが纏まるまで、
待つことにする。
待つ事、数秒。
思いの外直ぐに、
考えが纏まったのか、
碧ちゃんが再度、
俺に話しかけてくる。
「あの……。アキトさん」
「ん?」
「アキトさんの『散歩』に、
付き合っても良いですか?」
ふむ………。
突然の申し出に面を食らってしまったが、
俺に不都合がある訳では特に無いので、
断る理由は無いのだが………。
碧ちゃんを俺に付き合せて
良い物か、悩むな………。
折角、新しい体を手に入れて、
姉である『朱音』と、
一緒になれたのだから、
その時間を大事にして欲しいと思う。
「あの………。
やっぱりご迷惑だったでしょうか………」
俺が悩んでる事に、
不安を感じたのか、
碧ちゃんが少しだけ涙目になりながら
そんな事を言ってきた。
「あ!ごめん!
少しでも時間が出来たなら
朱音と一緒の時間を過ごした方が、
良いんじゃないかなって考えてただけで
迷惑と思ってた訳じゃないんだ!!」
俺が一気に捲くし立てて話すと
碧ちゃんが、一瞬呆けた顔になった。
そして、直ぐに笑顔になって
俺に何でも無いと話してくれた。
「それについては、大丈夫です。
朱音ちゃ………。
姉とは、同室なので何時でも話せますし、
私も今後は、アキトさん達の仲間になりますので、
少しでも『コミュニケーション』が、
取れればと考えていました」
なるほど………。
碧ちゃんがそこまで考えてくれているなら、
俺に断る理由は無いな。
「退屈かもしれないけど、
良ければ俺の散歩に
付き合って貰って良いかな?」
「はい!喜んで!!
では、直ぐに着替えてきますので
少しだけ待っていて下さいね!!」
そう言うと碧ちゃんは、
着替えの為に急いで自室に戻って行った。
こうして俺の息抜きに、同伴者が出来た。
この度は、最果ての世界を
ご覧頂きまして、誠にありがとうございます。
これからも、3分間から5分間の
ささやかな楽しみを
皆様に提供出来ますように
のんびりマイぺースながらも
精進してまいりますので
何卒最後までお付き合いの程
宜しくおい願いいたしますm( _ _ )m




