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ゴーストライター ~幽霊専門代筆屋~  作者: 都宮 アキ


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エピソード2 幽霊は殺人事件の犯人を知っている 第24話【終】

第24話。エピソード2はこれで終わりです。ここまでお読みいただきありがとうございました。




昼下がりの午後。

シオンがカフェの席でアイスティーのグラスを掲げた。



「それじゃあ、みんな、テストお疲れさまーっ!!」

「「「お疲れさまー!」」」



グラス同士が軽くぶつかり小気味いい音が鳴る。


今日はテストの最終日。

佐渡たちは涼しい店内でテストからの解放感を味わっていた。


佐渡はアイスコーヒーをグラス半分くらい飲んでから、「はぁぁぁぁー」と思いっきり息を吐き出した。



「あー、ほんっと、つっかれたー……」

「佐渡クンはお疲れモードだね」

「仕方がないよな~。テスト期間中も色々と警察に協力してたんだから」

「まあな~」



そう言って残りのアイスコーヒーをちびりちびりと啜った。


先週の金曜日に幽霊に会ったと思ったら、翌日の土曜日にシオンの父親である白石刑事との面談、そしてさらに翌日の日曜日には埼玉まで行って調査し、その帰りには殺人犯の捕り物に参加。


これで終わりにしようと思ったが、死んだ長澤のために手紙を書いたり、事情聴取に付き合ったりと、かなりハードなスケジュールだった。


佐渡の精神的な疲れを温かい海老かつと冷たいアイスコーヒーが癒した。



「うちのパパが事件が無事に解決したのはみんなのおかげだ、って言ってたよ! みんな、本当にありがとうね!」



シオンは「今日はパパからお金を預かって来たからいっぱい食べてね! パパの驕りだから!」と笑った。

俄かにテンションが上がるテーブル席。

早速メニュー表を皆で見直した。


そして追加の商品を注文し終えたタイミングで竹内がシオンに尋ねた。



「結局、あのあとどうなったんだ?」

「うん。あのね、久留和吾郎は長澤慎吾の件も罪を認めたからあとは裁判を待つ形」

「アリバイの件はどうなったんだ?」

「詳しくは知らないけど、結局は長澤の三番目の奥さん、長澤瑠梨が協力してたみたい。ただ、久留和吾郎と長澤瑠梨の供述の一部が食い違ってるから、これからそこを調査していくってパパは言ってたよ」

「なるほどなー」

「それと、長澤瑠梨については状況が複雑で、だから、あんまり重い罪にはならないだろう、って」

「そっか……」



シオンの話を聞き、佐渡はなんだか少ししんみりとした気分になってしまった。


佐渡は事情聴取に参加したから皆より多少内情を知っている。

久留和の自供を聞いて、佐渡ははっきり言ってしまえば同情していた。

もしかすると長澤瑠梨も久留和に同情を抱いたのかもしれない。


追加のメニューがやってきた。

テーブルが再度盛り上がった。

美味しい料理に舌鼓を打ちながら、話題は事件からテストの話に変わる。


佐渡と竹内は学部が同じなので共通のテストの話題が多く、また藤原とシオンはそれぞれ学部が違うので変わったテストの内容に場が賑わった。



「ボク、ちょっとトイレ」



冷たいものを飲み過ぎたか。

話の途中でシオンはそう言って席を立った。


それを目で追う竹内。

シオンの姿が見えなくなった瞬間、竹内はにやけたような笑みを浮かべた。



「いや~、それにしてもシオンちゃんってホント頭良くて可愛くて最強だよな! まるでアニメの主人公みたいだっ!」



手放しでシオンを褒める竹内。

その姿に佐渡は一抹の不安が過る。



「あのー、竹内?」

「ん?」

「誤解してるかもしれねーから言っとくけど、シオンは男だからな?」



確認の意味も込めて佐渡は竹内に言った。

その佐渡の言葉に竹内は驚く。



「はっ?」



竹内は一瞬固まったが、だが、すぐに腹を抱えて笑い出した。



「はははっ! 佐渡、冗談キツイって!! だって、シオンちゃん、胸がちゃんとあんじゃん」

「えっ?」



今度は佐渡が驚く番だった。



「お待たせ~」

「おう! お帰り!」



そうこうしているうちにシオンが戻って来たのでこの会話は中断せざるを得なかった。


どういうことだと、佐渡が目を白黒してると藤原が佐渡の肩を叩き、耳を貸せとジェスチャーをする。

佐渡が大人しく藤原に耳を貸すと藤原はすぐに小声で耳打ちしてきた。



「――シオンが言うには、胸は作るものらしい」

「胸は作るもの……」

「チンコは隠すものらしい」

「チンコって隠せるの!?」

「ああ……」



藤原は神妙な顔をする。



「…………」



佐渡は竹内を見やる。



「ユウマのケーキ味見してもいい?」

「いいぜ!」

「わーい! あー、美味しい~!」



和気あいあいとするシオンと竹内を見て、佐渡は先が思いやられたのだった。




エピソード2・終

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