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居酒屋なみのり  作者: マメ
居酒屋なみのり5

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12話〜ピクニックにはならない〜


「ナミ〜、今日はどうする?」


「そうねぇ、あまり行かないとこ行こうよ」



こんにちは、おはようございますでもいい時間か!?まだ……汗


ま、今日はお休みなのでノリちゃんと呑みに、違った、ご飯を食べに行ってきます。



「じゃあ、たまにはJRでどっか行くか?」


「そうね、行きましょ行きましょ」


「久里浜はやめにして」


「って、じゃあ、そっから京急に乗り換える?」


「そだなあ……長沢とか行ってみっか?」


「長沢かあ……あんまり行ったことないね」


「ね、なら行こう!いざ冒険の旅へっ」


大袈裟なっ。



「さあ〜て、やってる店あるかなぁ?」


「そうね、やってるかが心配よね」


さあ〜て、冒険から探索の旅へと〜、


GO!!



「う〜ん、飯屋はあるけど、やってる居酒屋さんはないねぇ」


「私はご飯が食べられればいいけど」


「あっそ、お前はご飯な、じゃあ定食屋でも入って俺は呑むから」


「分かったごめん、謝るから私も呑ませて〜」


ホント、お店にいない時は私にアタリ強いんだからこの人は。



「ねえ、いい加減歩いたけどないねぇ」


「そだな、飯屋はあるけど……いっか飯屋で」


「そうね、飯屋さんなら美味しいだろうし、お酒もあるでしょ?」


「あ!?あそこにしよ」


「ん!?ああそうだな、もうカラッカラだしな」



ガラ……ガラ、


ん!?戸がカタい〜。


「2人なんすけど」


「はい、お好きな席に」


「そこでいっか」


「さ〜て、何呑むかな」


「あれ!?ノリくん?」


え!?


友達?


「は?いや違いますけど」


「あ〜ごめんなさい」


「いいえ、いいですけど」


(やっぱ、感じが!?もう一回)


「ノリくんじゃないですか?衣笠の」


「いえ、まったく違いますけど」


「はあ……」



「どうしたのアンタ」


「いやあ、同級生に似てんだけど、つ〜か本人なんだけど違うって言うから」


「似てるだけでしょ、もう何十年経ってるの?」


「そ、そうだな、違うんだな」



「ねぇ、友達じゃないの?」


「は!?あんなヤツ友達じゃないよ」


「そ、じゃあ何頼む?」


「すみませ〜ん」


「は〜い、 ただいま」


「生2つと馬刺しを、ノリちゃんは?」


「俺?あ、唐揚げもらおかな」


「かしこまりました」



「オーダーね」


「おう」


「ねえ、ノリちゃんって呼ばれてたわよ」


「へ!?やっぱそうか?なんで……」



「はいお待ちどうさま」


「は〜い、ありがとうございます」


「じゃ、乾杯っと」


「ああ〜美味しっ、朝のビールは格別っ」


「お前はいつも美味そうに呑むだろ」


「へへ、ノリちゃんもね」


「馬刺しです」


「あ、はい」


「トミくん、生おかわりね」


「はい、生ですね」


(は!?)


「あの〜、やっぱノリくんだよね?俺の名前知ってるし」


「え!?あ〜、あの人奥さん?そう呼んでたから」


「そう言うこと」



「お前、トミくんって呼んだ?」


「は?店ではマスターってアンタが言ったんでしょ、名前なんて呼ばないわよ」


(そうだよね)



「は〜美味しいねココ」


「そだね、でも早く呑んで出よ」


「なんで?こんなに美味しいからもっと他のも食べてみたい」


「いや、同業の研究心はいいから出よ」


なんなのこの人は!?



「あ、こちらサービスの刺し盛りです」


「え、い〜の!?」


「はい、お昼からこんなに呑んでくれるとこちらも嬉しくて」


「ラッキー、ナミ食おう食おう」


「すみません、こんなスゴイのいただいて」


「いいから、トミがくれるってんだから食えよ」


「やっぱノリか?」


「へ!?」


「お前、とぼけたフリして」


「いや、俺は……ノリ以外の名前だから」


「ふ〜ん、じゃあ何て〜の?」


「そうだなぁ、今日はトシかリョウにしとこうかな」


「ふざけんなノリっ」


「ちょっ、マスターやめて」


「……」



「すみません、お客さんと同級生が似ているようでして」


「いや、コイツだよノリっ」


「ノリちゃん、違うとかもう……」


「うるせ〜、俺は今日はノリ以外の名前にしたんだ」


「市役所にも行ってないのに?」


「は!?そんなのあんの?」


「やっぱお前かノリ、その変な発想」



「仕方ねぇなぁ」


「何で隠した?」


「ん!?だって」


「何?」


「中学ん時お前に300円借りたままだったから」


「は!?」


何それ?


「まさか、30年以上経ってそれ?アンタの友達は」


「いや、こんなヤツじゃ」


「だって、ノリってバラしたら、ゲーセンの300円返せって言うだろ?」


「いや〜、言わないかなぁ!?」


「言うよっお前は」


「そうかなぁ、つ〜か、寂しいなぁそんな間柄なんて」


「そうよノリちゃん、久しぶりに会って」


「うっせ〜、コイツは金命なんだ」


「いやぁ、そうでもないけど、なら今日のお会計プラス300円払ってもらおうかなぁ」


「ははは、ごめんなさい」


「いいえ、奥さんは悪くないので」



「仕方ねぇなぁ、払ってやんから、衣笠来いよっ」


「言ってもいいけど何かあんの?」


「俺の店だよ」


「ほぉ、なら……」


「何だよ?」



「高校の時の文通相手のディズニー代もらってもいい?」



「あ!?それは……」


ガラガラっガラ。




「お〜いノリっ、勘定払っていけよ〜」




            完






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