12話〜ピクニックにはならない〜
「ナミ〜、今日はどうする?」
「そうねぇ、あまり行かないとこ行こうよ」
こんにちは、おはようございますでもいい時間か!?まだ……汗
ま、今日はお休みなのでノリちゃんと呑みに、違った、ご飯を食べに行ってきます。
「じゃあ、たまにはJRでどっか行くか?」
「そうね、行きましょ行きましょ」
「久里浜はやめにして」
「って、じゃあ、そっから京急に乗り換える?」
「そだなあ……長沢とか行ってみっか?」
「長沢かあ……あんまり行ったことないね」
「ね、なら行こう!いざ冒険の旅へっ」
大袈裟なっ。
「さあ〜て、やってる店あるかなぁ?」
「そうね、やってるかが心配よね」
さあ〜て、冒険から探索の旅へと〜、
GO!!
「う〜ん、飯屋はあるけど、やってる居酒屋さんはないねぇ」
「私はご飯が食べられればいいけど」
「あっそ、お前はご飯な、じゃあ定食屋でも入って俺は呑むから」
「分かったごめん、謝るから私も呑ませて〜」
ホント、お店にいない時は私にアタリ強いんだからこの人は。
「ねえ、いい加減歩いたけどないねぇ」
「そだな、飯屋はあるけど……いっか飯屋で」
「そうね、飯屋さんなら美味しいだろうし、お酒もあるでしょ?」
「あ!?あそこにしよ」
「ん!?ああそうだな、もうカラッカラだしな」
ガラ……ガラ、
ん!?戸がカタい〜。
「2人なんすけど」
「はい、お好きな席に」
「そこでいっか」
「さ〜て、何呑むかな」
「あれ!?ノリくん?」
え!?
友達?
「は?いや違いますけど」
「あ〜ごめんなさい」
「いいえ、いいですけど」
(やっぱ、感じが!?もう一回)
「ノリくんじゃないですか?衣笠の」
「いえ、まったく違いますけど」
「はあ……」
「どうしたのアンタ」
「いやあ、同級生に似てんだけど、つ〜か本人なんだけど違うって言うから」
「似てるだけでしょ、もう何十年経ってるの?」
「そ、そうだな、違うんだな」
「ねぇ、友達じゃないの?」
「は!?あんなヤツ友達じゃないよ」
「そ、じゃあ何頼む?」
「すみませ〜ん」
「は〜い、 ただいま」
「生2つと馬刺しを、ノリちゃんは?」
「俺?あ、唐揚げもらおかな」
「かしこまりました」
「オーダーね」
「おう」
「ねえ、ノリちゃんって呼ばれてたわよ」
「へ!?やっぱそうか?なんで……」
「はいお待ちどうさま」
「は〜い、ありがとうございます」
「じゃ、乾杯っと」
「ああ〜美味しっ、朝のビールは格別っ」
「お前はいつも美味そうに呑むだろ」
「へへ、ノリちゃんもね」
「馬刺しです」
「あ、はい」
「トミくん、生おかわりね」
「はい、生ですね」
(は!?)
「あの〜、やっぱノリくんだよね?俺の名前知ってるし」
「え!?あ〜、あの人奥さん?そう呼んでたから」
「そう言うこと」
「お前、トミくんって呼んだ?」
「は?店ではマスターってアンタが言ったんでしょ、名前なんて呼ばないわよ」
(そうだよね)
「は〜美味しいねココ」
「そだね、でも早く呑んで出よ」
「なんで?こんなに美味しいからもっと他のも食べてみたい」
「いや、同業の研究心はいいから出よ」
なんなのこの人は!?
「あ、こちらサービスの刺し盛りです」
「え、い〜の!?」
「はい、お昼からこんなに呑んでくれるとこちらも嬉しくて」
「ラッキー、ナミ食おう食おう」
「すみません、こんなスゴイのいただいて」
「いいから、トミがくれるってんだから食えよ」
「やっぱノリか?」
「へ!?」
「お前、とぼけたフリして」
「いや、俺は……ノリ以外の名前だから」
「ふ〜ん、じゃあ何て〜の?」
「そうだなぁ、今日はトシかリョウにしとこうかな」
「ふざけんなノリっ」
「ちょっ、マスターやめて」
「……」
「すみません、お客さんと同級生が似ているようでして」
「いや、コイツだよノリっ」
「ノリちゃん、違うとかもう……」
「うるせ〜、俺は今日はノリ以外の名前にしたんだ」
「市役所にも行ってないのに?」
「は!?そんなのあんの?」
「やっぱお前かノリ、その変な発想」
「仕方ねぇなぁ」
「何で隠した?」
「ん!?だって」
「何?」
「中学ん時お前に300円借りたままだったから」
「は!?」
何それ?
「まさか、30年以上経ってそれ?アンタの友達は」
「いや、こんなヤツじゃ」
「だって、ノリってバラしたら、ゲーセンの300円返せって言うだろ?」
「いや〜、言わないかなぁ!?」
「言うよっお前は」
「そうかなぁ、つ〜か、寂しいなぁそんな間柄なんて」
「そうよノリちゃん、久しぶりに会って」
「うっせ〜、コイツは金命なんだ」
「いやぁ、そうでもないけど、なら今日のお会計プラス300円払ってもらおうかなぁ」
「ははは、ごめんなさい」
「いいえ、奥さんは悪くないので」
「仕方ねぇなぁ、払ってやんから、衣笠来いよっ」
「言ってもいいけど何かあんの?」
「俺の店だよ」
「ほぉ、なら……」
「何だよ?」
「高校の時の文通相手のディズニー代もらってもいい?」
「あ!?それは……」
ガラガラっガラ。
「お〜いノリっ、勘定払っていけよ〜」
完




