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トイレには行かず、、、赤ちゃん言葉!?!?

無理

「お、俺って……意外と赤ちゃんって呼ばれるの、好きなのか?」


りゅうとは廊下の隅で小さくつぶやいた。

さっき、素直に

 「嫌だ!」

 って言いたかったのに、言葉が詰まってしまった。

顔も真っ赤になって、まるで熟したトマトみたいに。


「……もしかして俺、赤ちゃんって呼ばれるの、実はけっこう悪くないって思ってるのか?」


頭の中で同じ考えがぐるぐる回る。

自分は笑えることが好き。からかわれるのも、ちょっとだけ楽しい。

赤ちゃん扱いされるのも……気に食わなくはない。


「俺……もっとからかわれたいって思ってる? いやいや、違うって。からかわれるのがイヤだから、ここに逃げてきたんだろ!」


自問自答が止まらない。

でも確かに、ひとつ分かったことがある。


「……俺、赤ちゃんって呼ばれるの、意外と好きかも……」


そうつぶやいた瞬間、顔はさらに真っ赤になった。


「俺のバカ! なに考えてんだよ……これ、かんなたちに聞かれたら、恥ずかしすぎてヤバすぎる!」


慌てて周りを見回す。

誰もいない。静か。


りゅうとは、ホッと息をついて――ふざけ半分に言ってみた。


「バ、バブ〜……りゅうとでちゅよ〜」


言い終わるや否や、顔がまた真っ赤になった。


「な、なにやってんだ俺!? バブーじゃねぇし!!」


でも、なぜか赤ちゃん言葉でしゃべりたいという謎の衝動が心の奥からじわじわと押し寄せてくる。


「ぼくは、りゅうとでちゅ! なかよくしてくだちゃい!」


「っ!! 恥ずかしすぎる!! なんでそんなこと言ってんだ! やめろ!俺、やめろぉ!」


……でも、止まらない。


「ぼく、虫がキライでちゅ……」


「なんで黒歴史、自分から暴露してんだよー! クソ恥ずかしい!」


「ぼく、まだ3さい!」


「いや、それは本物の赤ちゃん!! と言うか僕!?!? 俺っていいなよ!」


もう、ツッコミが追いつかない。

自分の赤ちゃん心がどんどん暴走していく。


「これ……もし、かんなの前だったら……俺、人生終わる。マジで……」


りゅうとは廊下で小さく身を縮めながら、必死に決意した。


(絶対バレないように……慎重に戻ろう)

 

無理

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