りゅうと、顔真っ赤! 恥ずかしい方でね
無理
りゅうと、顔真っ赤! 恥ずかしい方で
「ズルズルズル……」
りゅうとはフォークでくるくる巻いたパスタを口に運びながら、無言ですすっていた。
野菜を美味しく食べられなさすぎて、完全に諦めた表情。
頬はすっかり赤く染まっていて、トマトよりも炎よりも鮮やかだった。
するとクロがにやっと笑って言う。
「あれれ? りゅうとはお子様だから、野菜ひとつも食べられないクロか〜?」
その言葉に乗っかるように、かんなも言ってみる。
「ねぇ、りゅうと。野菜なら、3歳でも食べられる子いるかもよー?」
「う、うるせぇよ……」
りゅうとの声は弱々しく、顔はさらに赤くなっていく。
「りゅうとちゃん、顔真っ赤になってるクロよ〜」
「りゅうとちゃん、ちゃんと野菜食べようね〜」
クロと一緒に、かんなもついもう一回からかってみる。
「お、俺は赤ちゃんじゃ……!」
そう言いかけて、でも言い返す言葉が見つからない。
かんなは目を細めて、少し首をかしげながら言う。
「もしかして……赤ちゃんって呼ばれるの、まんざらでもない?」
「う、嬉しくねぇし! 別に……お前らに赤ちゃんとか、ちゃんとか呼ばれて……嬉しいわけ……!」
言いかけたところで、言葉が詰まる。
「やっぱり嬉しいクロね! りゅうとちゃん!」
「お、おい! ぬいぐるみがその呼び方するの、いいと思ってんのか!?」
「あ、じゃあ私はいい?」
「い……言い訳ないだろ……」
りゅうとの声はどんどん小さくなっていった。
そしてついに席を立ち――
「ち、ちょっと……俺、トイレ行ってくる」
ひと言だけ残して、足早に部屋を出て行ってしまった。
その後ろ姿を見送って、かんながぽつり。
「やっぱり恥ずかしかったんでしょ」
「赤ちゃんって呼ばれるの、意外と好きクロなのかもね〜」
そしてその頃、廊下では――
「あぁ〜、なんで俺、素直に嫌って言えなかったんだろ……」
りゅうとが小声でつぶやきながら、頭を抱えていた。
無理




