クロとりゅうとのケンカ!?!?
無理
森の神殿でごちそうになります! でもその前に、、、
そろそろ、お昼の時間ですよ」
グランファリーの優しい声が静かな空間に響いた。
かんながふと時計に目をやると――すでに12時30分を過ぎていた。
(ほんとだ……お腹すいてきた)
そのとき、クロが両手をお腹に添えてくねくねしながら叫ぶ。
「本当クロね! クロ、ちょうどお腹が空いたクロ〜!」
かんなとクロの共感が広がる中、りゅうともご飯と聞いてとても嬉しそうだ。すると
「あの……私たち、そろそろ隣村に冒険に行こうと思ってたんですけど……家がどこか……」
かんなが少し言いづらそうに口にすると、グランファリーがふわりと微笑んで言った。
「じゃあ――ごちそうしましょうか?」
「……え?」
かんなは思わず目を見開く。
てっきり家まで案内してもらう話かと思っていたからだ。
でもよく考えれば、精霊の神殿に一度入ったら、外へ出る方法もすでに謎だし、誰も見たことがない場所だというのも納得がいく。
それなのに――まさかの、昼食の申し出。
「何を驚いているんですか? あなたは私の命の恩人ですよ」
グランファリーの言葉に、三人の記憶がよみがえる。
あの時――苦しんでいたグランファリーを守った日のことを。
りゅうとはすぐに頭を下げた。
「ありがとうございます!」
グランファリーは嬉しそうにぴょんと小さく跳ねるようにして、足取りも軽く寝室を出ていった。
部屋の中に、ほんのりと石けんの香りと風に乗ったリネンの匂いが残る。
---
静かな間を縫うように、かんながぼそっと言う。
「あの……りゅうと」
「ん?」
「……しゃべらなすぎじゃない?」
「いや! タイミングがなかったんだって!」
「でも、私めっちゃしゃべったよ!? ずっと!」
「それはクロに言えよ! クロも全然しゃべってなかっただろ!」
「失礼クロね! タイミングがなかったクロ!」
「俺のマネすんな!」
「これは……りゅうとが悪いと思います!」
「そうクロそうクロ!」
「俺、なんでそんな嫌われてんの!?」
「だって……喋らないし、喋らないし……」
「それだけ!? 俺、ずっと喋ってなきゃダメなの!?」
「ダメクロ」
「お前が言うな! お前も喋ってなかっただろ!」
「失礼クロね! お前って! クロ様って呼んでほしいクロ!」
「なんだよそれ! 俺が下っ端みたいな扱いじゃねえか!」
「あ、またお前って言ったクロね! お・ま・え!」
「お前もお前って言ってんじゃねえか!」
「あ、またお前って言ったクロ!」
――その瞬間、空気がぴりりと張り詰めた。
「ちょっと! 静かにしなさい!」
かんなの声がビシッと飛ぶ。
クロとりゅうとは、びくっとして声を小さくしながら言い合いを続ける。
「お前が静かにしないから!」
「それはクロ様のセリフクロ!」
「はぁ! ふざけんなって!」
「……もう、喧嘩やめなさい!蒼穹圧葬!」
かんなの杖から青い光がぴしゅっと飛び――
「また俺かよ!? うぅっ、寒っ……!」
りゅうとはびしょ濡れになって縮こまる。水の粒が服からぽたぽたと滴り落ちていた。
「コート? 今日は貸さないよ」
そして、クロには――
「影密!」
かんなの声に呼応するように、足元の影がにょろっと動き、ロープ状になってクロの足を軽く縛った。
「ぴくっ!? クロの足、動かないクロ……手が届かないクロ……!」
もがいてもロープに手が届かず、ぴょこぴょこと跳ねるように足踏みするクロ。
そしてかんなは、ふと思い出す。
(そういえば……さっきベッドの中にいた布団の精霊っぽいやつ、どこ行ったんだろ)
カーテンが静かに揺れる。
外から差し込む光が、ほんの少しだけ長くなっていた。
関係ない
その頃実は、布団の妖精?は……
「うぅ、あんまり大きい声出さないでよー」
姿を消し布団に引きこもってしまった。
無理




