クロ、リバス駅で嬉しい事が
今回は出すのが遅うなってしまったのでこれで終わりにします。
かんなは荷物をまとめながら、元気よく言った。
「クロ!プールに行こう!!」
クロはぴょんと飛び跳ねるように返事をする。
「うんクロ!!! でも、どうやってプールに行くクロ? 歩いてクロ??」
かんなは苦笑しながら答える。
「歩いてじゃなくて、電車で行くんだよ!」
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「電車!? え、あのとっても速いやつクロ!?!?」
クロは目を輝かせてかんなを見つめる。
しかし――かんなは疑問を抱く。
「もしかして……クロ、電車乗ったことないの?」
クロはすぐに答える。
「ないに決まってるクロ!!!ぬいぐるみだったクロから!!」
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かんなは一瞬驚いた表情をする。
「そっか……まあ、そうだよね」
かんなは少し考えながら言った。
「でもクロ、1回だけクロを連れて電車に乗ったことがあるよ!」
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「え、そんなことあったクロ!?」
クロは目を丸くする。
かんなは苦笑しながら説明する。
「もう!! クロは忘れん坊なんだから! ほら、新幹線で遊びに行ったとき、ホテルに泊まるからクロを連れて行ったじゃん!」
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クロは
「うーん……」
と考え込む。
しかし――次の瞬間、ハッと顔を上げる。
「あ!!思い出したクロ!!!」
「あのホテル、楽しそうだったクロね!!」
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かんなはため息をつきながら、ホッとした表情を浮かべる。
「やっと思い出した……」
しかし、すぐに気持ちを切り替える。
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「クロ!! そんな話は終わりにして、電車に乗ろう!」
クロはワクワクしながら頷く。
「わかったクロ!!! クロ、リュックに入りながら行ったことはあるけど、中から出て電車に乗るのは初めてクロ!!」
かんなたちはリバス駅へ向かうことにした。
クロはキョロキョロしながら歩いている。
「かんな!! まだ家から5分ぐらいしか歩いてないクロのに……もうリバス駅に着いたクロよ!!!」
かんなは少し笑いながら答える。
「そうだね、クロ! まあ、リバス駅は私の家に一番近い駅だからね」
クロは
「ふむふむクロ!」
と納得しながら駅を見渡す。
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「そうだったクロか!! でも……クロ、5分歩いただけで疲れたクロ……」
かんなは苦笑する。
「ほらほら! そんなこと言わないで! 初めての駅なんだから、ゆっくり楽しみなよ!」
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クロは少し考えてから、確かに……と頷く。
「クロ、リュックの中でしか駅を知らなかったクロ……。駅をちゃんと見るのは初めてクロ!」
かんなは微笑みながらクロを見つめる。
「でしょ? せっかくだから、電車も楽しもう!」
そしてクロは駅の構造をじっと見つめる。
「ふむふむクロ……駅ってこんなに大きいクロね!」
かんなは軽く頷く。
「そうだよ。人間の駅は広いし、大勢の人が使うからね」
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クロはさらに驚く。
「でもクロが見たらかんなの3倍ぐらいの大きさクロ!!」
かんなは
「そうかもね!」
と笑う。
「クロ、ぬいぐるみだったから、見え方が違うのかもね!」
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しかし――クロは駅をじっと見ながら、小さくつぶやく。
「……でも、電車がないクロよ」
「これじゃ初心マークプールに行けないクロ……!!!」
かんなは驚いた表情でクロを見た。
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「クロ!! 今、初心マークプールって言ったよね!?」
クロは不思議そうにかんなを見る。
「え、そうクロか???」
かんなは嬉しそうに頷く。
「覚えられたじゃん!! ここの長い言葉!!!」
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クロはハッとして、満面の笑みを浮かべる。
「あ!! 今思えばそうクロね!!!」
「クロ、ちょっとここの世界に慣れてきたクロ!!!」
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しかし――かんなは少し考えながら言った。
「いやいや……そんな簡単には慣れないと思うよ!」
クロは
「むむむ……」
と考え込む。
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こうして、クロの初めての電車体験は、続くのだった!!!




