氷の少女の正体は?
氷の少女の正体は
カレンは涙を拭いながら、三人の顔を見つめていた。
その瞳は、まだ怯えと不安が残っているのに、
どこか安心したように揺れていた。
「……かんな……りゅうと……クロ……」
名前を確かめるように、ゆっくりと口にする。
「うん、そうだよ。私たちがいるからね」
かんなが微笑むと、カレンは小さく頷いた。
「でも……わたし……なにも……わかんない……」
カレンは胸に手を当て、震える声で続けた。
「どこから来たのかも……どうしてここにいたのかも……
なにがあったのかも……全部……」
その言葉は、まるで霧の中を手探りで歩いているようだった。
「無理に思い出さなくていいよ」
りゅうとが優しく言う。
「これからゆっくりでいい。思い出せる時が来るさ」
「クロもいるクロ!! 怖くないクロ!!」
クロがカレンの手を握ると、
カレンは少しだけ笑った。
「……ありがとう……」
その笑顔は、氷が溶けるように柔らかかった。
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❄ そして、三人は決めた
「このままここに置いていくわけにはいかないよね」
かんなが言うと、りゅうとは頷いた。
「当然だ。こんな場所に一人なんて無理だろ」
「クロも連れて帰るクロ!!」
三人の言葉に、カレンは目を丸くした。
「……わたし……ついていって……いいの……?」
「もちろんだよ」
「当たり前だろ」
「クロも嬉しいクロ!!」
カレンは胸に手を当て、
涙をこぼしながら微笑んだ。
「……ありがとう……」
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❄ 帰り道
崩れた氷の広間を後にし、
三人と一人はゆっくりと地上へ向かって歩き出した。
カレンはまだ足取りがおぼつかない。
かんなが手を引き、クロが反対の手を握り、
りゅうとが後ろから見守る。
「寒くない?」
「……うん。だいじょうぶ……」
カレンは小さく答えたが、
その声はどこか安心していた。
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❄ そして、外の光の下で
地上に出ると、
冷たい風が吹き抜け、雪が舞っていた。
カレンは空を見上げ、
その水色の髪が光を受けてきらめいた。
「……きれい……」
「外の世界、初めて見るのかな」
「かもな。全部が新鮮なんだろう」
「クロも初めての時、びっくりしたクロ!」
カレンは三人を見つめ、
小さく呟いた。
「……わたし……これから……どうすれば……?」
その問いに、かんなは迷わず答えた。
「まずは、私たちの家に来て。
一緒に暮らしながら、ゆっくり思い出していこう」
りゅうとも頷く。
「お前のことは、俺たちが調べる。
だから心配すんな」
「クロも一緒クロ!!」
カレンは胸に手を当て、
涙をこぼしながら微笑んだ。
「……うん……」
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次回予告
凍りの少女、調査開始
氷の迷宮で救われた少女・カレン。
名前も記憶も失った彼女を連れ、
かんなたちは家へと戻る。
しかし、カレンの身体にはまだ“氷の気配”が残っていた。
それは力なのか、呪いなのか、あるいは――。




