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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第2階層―GREEN―
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ニートな女神と初めての花

今回のタイトルを何にしようか微妙に悩んだ。

初めての花にするべきか、あるいは木、樹木、悪の花とか色々候補がありました。

詳しくは本編を参照のこと。


 私は冒険者ギルドを出ると、フローリアの街にいるクエストの依頼人の元へ向かった。

 依頼人は街にある自警団の団長をしている(という設定のNPC)男で名前はカーズ。

 そしてカーズはまさにその自警団の本部と呼ばれる建物の中にいた。

 本部の入り口に立っていた青年にここの団長からクエストを依頼されたと言うとすぐに青年は私を団長の元へ案内してくれた。


 カーズはペペさんのように大柄な男で筋肉がありまさに自警団の団長と呼ぶにふさわしいモデリングがなされていたキャラだった。話して見ると案外普通の人だったけど。

 私は挨拶もさることながら時間もあまりないのでとっとカーズにクエストの内容について話を聞いてみたが、それを聞き終えたところで私はなぜこのクエストが1時間で終わるのかということがわかった。


 カーズから聞いた話を簡単にまとめると、だ。


 3日前、街の自警団に所属するある団員が鍛錬のために花畑フィールドに足を向けたところ、花畑のとある一画の花だけが枯れているということを発見した。

 発見した青年はすぐに街に戻り街の住人たちにそのことを話すと、その団員以外にも見たという住人が他にも多数いることがわかり、その後で調査団が結成されその花畑の枯れた場所の調査が行われた。

 調査の結果、それはあるモンスターがその場所の地中に巣を作ったからだということが判明。ただ原因がわかったのはいいのだが、それから色々と試してみたものの調査団や街の自警団ではその問題を解決することはおろか、どうすればいいのかということさえわからなかったという。


 それで冒険者ギルドに腕の立つ冒険者に依頼を出してそれをなんとかしてもらおうと考えたという話だった。


 いや、それってつまりあれだよね。直接的には私たち冒険者にその場所まで行って地中にいるモンスターを倒してこいと。

 でも、場所が街ではなくフィールドである花畑であるなら別に放っておいても問題はない気がするけど。


「……実は、徐々にではあるのだがその花が枯れた場所が広がってきているのだ。今はまだよくてもこのまま放置しておけばいずれこの街までその影響が及ばないという保証もないし、何よりこの街の住人達はあの花畑の景色を愛している。このまま打つ手もなく花たちがただ枯れていくのを見ているだけしかできないというのは、我々にはとても……」


 と、カーズは言った。

 だからなるだけ早期の段階で冒険者に解決を依頼したのだという。


「わかりました。そういうことでしたら私が行ってなんとかしてみせましょう」


 私はカーズの話を聞き終わるとそう言った。


「ああ。だが、まさかお嬢さん1人で行くつもりかね。我々の調査ではあの場所には今現在だけでも大量のモンスターが潜伏しているということだったが……」


 お、なんだこのセリフ。もしかしてこのクエストをソロで引き受けた場合限定の会話かな。


「大丈夫ですよ。私これでも腕が立つ方なんで」

「そうか。いや、本当は我々だけでなんとかできるならそうしたかったのだが」

「ええ、わかってますよ。それじゃあ、行ってきますね」

「頼みます」


 そんなやり取りを終えて私は自警団本部から出るとまっすぐに南東門へと向かいそこから花畑のフィールドに出たのだけど。

 このクエストを受けている時は、受けているプレイヤーが花畑のフィールドに出た場合は通常の花畑のフィールドとは違う、つまりフィールドのある一帯の花が枯れている花畑に出る。

 いつもとは違う花畑フィールドであってそのフィールドに出られるのはクエストを受けたプレイヤーだけなのでそこに他のプレイヤーの姿はない。


 私は街を出てからやや急ぎ足で道中に出現するモンスターは極力無視して花畑を見て回っていたら、街から出て10分くらいのところでさっき話に聞いた花が枯れている場所というのを発見した。


「意外と広範囲に枯れてるな。あ、そういや現在進行形で枯れてる範囲が広がっているっていう設定なんだっけ?」


 どのくらいのスピードで広がってきてるのかとか、別に興味もないんだけど。


「さて、それでここまで来たのはいいけどこれからなn……!!?」


 と、私が言いかけたところで私の視界が白く染まった。

 ああ、始まったな。つまりここからがクエスト本番。第1階層の森の洋館のクエストで宝箱を開けた瞬間に別の戦闘用のフィールドに飛ばされて、そこでボスゴキブリ×3と戦った時のように今回も私がこの枯れている花畑の花が枯れている部分の中央部に足を踏み入れた瞬間に視界が切り替わった。

 そうして視界が回復した時には、私は何やらうっそうと木々が生い茂る森のような場所にいた。

 手には剣と盾が装備されているためここが戦闘用のフィールドであるということはすぐにわかったのだが。


「なんか、視界の端に嫌なカウンターがあるんですけど」


 私の視界の右端には、残りモンスター×50体という表示が出されていた。

 それは森の洋館クエストの時にもあった表示で、あのクエストの時はさらに制限時間を表す時計のカウンターも出てたけど今回は制限時間はない。

 しかしだとしてもつまり私はこれからモンスターを50体倒すまではこのフィールドからは出られないということは明白で。


「まあ洋館の中を探し回るよりは楽なんだろうけど……」


 私がそう言った直後にクエスト開始の文字が視界に浮かびそれが消えると、同時にそいつらは現れた。

 しかも私の周囲を取り囲むようにして10体もいっぺんに。


「ええ!?」


 そのモンスターはマッドプラント……の、色違いのようなモンスターだった。

 モンスター名はデビルプラント。マッドプラントの緑のカラーリングをそのまま紫に変えただけのようなモンスターだった。唯一明確に違うと言えるのは、そのボディの部分にトレントのようになんか悪魔っぽい怖い顔のような模様がついてたことくらい。


「嘘でしょ。いきなり10体も!?」


 そして始まった戦闘だが私は開始すぐにデビルプラントの触手のような長い蔓にからめとられていっきに投げ飛ばされた。幸いにもそれで壁にも床にも激突しなかったんでダメージはなかったけど。


「1体につき触手2本なのは変わってないけど、それが同時に10体も出てくれば触手の数は合計して20本。それを全部よけながら1体ずつ地道に倒していけと?」


 いや、もちろんわかっているよ。

 これはだからソロプレイだからこの難易度なのであってパーティを組んでさえすれば……いや、これはパーティ組んでてもきつくないか?


「くそ。何がボスクエストの中では難易度低めですだ、よ」


 私はこのクエストの難易度が思っていたよりは高そうなことに今更ながら気づき、おそらく1時間では終わらないであろうとも思いながらまずは1体デビルプラントをファイアーボールで一撃で倒した。


「1体1体は、触手の動きに気を付けていれば倒すことは簡単だけど。今のを50回するにしてもどこかでMPの回復するタイミングがないと無理だな」


 そしてそれから私は時々デビルプラントの触手に絡めとられたり、地面に叩き付けられたりしながらもなんとか最初の10体を倒した。ただ、その直後にまた私の周囲を取り囲むようにさっきと同じで10体のデビルプラントが出現した時はもう最悪だなとか思ったけど。

 だけど、どうやらデビルプラントは1体倒したらまたすぐに1体が補充で出現するわけではなく、あくまでその時出現した10体がすべて倒されると次の10体が出現するシステムらしい。

 ということはつまり……


 ――5分後――


 私は29体目のデビルプラントを倒したところで、あえて1体だけ倒さずに残し、その1体の触手2本の攻撃を見ながら聖水を飲んでMPを一旦完全回復させた。

 そう、1体1で戦っているのならソロプレイヤーでも戦闘中にアイテムボックスから回復アイテムを取り出してポーションや聖水を飲むということは余裕でできるのだ。

 まあそれも素早い敵や、ボス戦などではなかなか難しいかもしれないがこの程度の敵であれば大丈夫だ。触手の動きは早いが私の方が敏捷が高いためその動きもたった2本であれば読みきれる。

 最初は20本あったんだし、と考えただけでも精神的にも余裕は出来たしね。


「んー。でもこいつらってクエストボスじゃないよね。弱いし」


 そしてもう1つ、これは最初から気づいていたことだがもちろんデビルプラントはこのクエストのボスモンスターではない。今戦ってるこれはいわば前哨戦にすぎないのだろう。

 そう考えていた私が30体目のデビルプラントを倒したら、また直後に私の周囲に10体のモンスターが出現した。しかし、そのモンスターは今までのデビルプラントではなかった。


「お……今度は花になった」


 デビルフラワー。そう、それはつまりマッドフラワーの色違い+怖い顔の模様つきのモンスター。

 マッドフラワーは頭部にピンクの花が咲いてたけどデビルフラワーは黄色い花が咲いていた。

 だが触手の数の相変わらず2本だけだったし。やはり強化版なのか敏捷はデビルプラントよりも上で攻撃をよけるのがちょっとだけ難しくはなっていたけど。


 そもそもこいつらの攻撃を受けたところで今の私はもう装備やスキルの効果によって徹底的に防御力が上がっていて、戦闘開始からまず1ダメージも受けていなかったんだ。

 だから少なくとも私がHPを0にして負けることはありえない、のだけど。


「まずいな。あと20体もこいつを倒すとなると本格的に時間が……」


 私はウィンドステップで敏捷を強化しようかとも思ったが、ウィンドステップの効果は3分間。

 それが切れるとそこからリキャストタイムで3分間は使えなくなるのだ。


 今ここでウィンドステップを使ったらデビルフラワーに関してはまあ速攻で倒せるだろう。

 けどもその後に待ち受けているであろうこのクエストのボスモンスターが、もしもめっちゃ素早いやつだったとしたら。そのモンスターと戦うというタイミングでウィンドステップの効果が切れて、最悪の場合私はそれが原因でボスモンスターになぶり殺しに遭う可能性がある。それが怖いのだ。


「あー、ウィンドステップほどじゃなくていいからなんか素早さを上げるアイテムとか持ってなかったっけ?」


 と、私は39体目であるマッドフラワーを倒してる時にアイテムボックスの中を探してみたら、あった。


「あ、粉……」


 そう。それはフローリアの街で買ったはいいものの、今までとくに使う機会もなかったアイテム。

 フローリアの街の魔法屋で売っていた巻物以外のアイテム。つまりは粉だった。

 粉は5種類あって、それぞれ力、耐久、敏捷、賢さ、器用さを10%だが1分間上昇させてくれる。

 そうだな、ちょうどいい機会だし全部使っちゃえ。


 ということで私はアイテムボックスから力の粉、守りの粉、素早さの粉、賢さの粉、器用さの粉を使ってみた。10%ということでさすがにそれほど劇的に変化は感じられなかっけどそれでもちょっとは意味があったようでそこから私は49体目までのマッドフラワーはスムーズに倒すことができた。効果時間は1分間だったから、すぐに効果は切れたけど。


「あれ?、でもちょっと待てよ?」


 私はそこで少し疑問を抱いた。

 40体目のデビルフラワーを倒した時、私はてっきり次のやつかその次あたりでボスモンスターが出現するのだと思っていた。しかしその予想は外れ次に現れたのもデビルフラワー×10。

 もうすでに49体目のモンスターは倒し、残りは今私の目の前にいるやつ1体のみ。

 視界の端のカウンターも残りモンスターは1体と表示されている。


「え?……ってことはこれで終わりだったの?、まさかデビルフラワーがこのクエストのボス?」


 だとするなら確かにこのクエストがボスクエストの中では最も難易度が低いということには納得できる。しかしそれでは逆にあまりにも簡単すぎるというか。

 現在時刻は午後4時49分。もしもこの最後の1体を倒して本当に戦闘が終わったとしたら、その後で10分でまた街に戻って依頼主に報告して、それからギルドに行って依頼達成の手続きをしてもらえばなんとか5時30分までにはこのクエストは終わらせられそうだけど。


「いや、念のためMPを回復しておこう」


 私は聖水を飲んでMPを全快させると、最後に残った1体のデビルフラワーもファイアーボールで倒した。

 本当にどうでもいいことだけどデビル〇〇ってついてる割には普通に植物族だろうし、悪魔的な要素はほとんどないことに関してはあの牧草地帯に出現したデビルトマトと同じだったな。

 まあもっともトマトよりかプラントやフラワーって言う方がむしろ植物の感じは出てたけど。デビルっていう名前部分に関してはそれほど……


「さて、カウンターも0になって消えた。……だけど元の場所に戻る気配はないな……うおお!?」


 そして私は、警戒していたように最後のデビルフラワーを倒した後でこのクエストのボスと対面することになった。

 まず感じたのは地響きと揺れ。それが徐々に大きくなっていったかと思ったら円形のフィールドの本当に中心地にそいつは出現した。

 森の木々で作られたような床、その床を押しのけるようにして地面の下から現れたこのクエストのボスモンスターの名前は……


「デビルツリー。なるほど、プラント、フラワーとなって最後は木になったわけね」


 デビルツリーは、紫色をした巨大な木のモンスターで、全長はきっと10メートルはあっただろうか。ボディ部分にはデビルプラントたちにもあったあの怖い顔みたいな模様もついてたけど。

 デビルツリーのHPは長いケージ1本だけと多くはない、だけど。


「そしておまけにデビルフラワーも5体追加で出てきたと」


 フィールドには追加でデビルフラワーが5体ほど出現していた。

 それで戦闘開始直後、私はまずそのデビルフラワーから倒そうと思って何体か倒したところで、新しい個体がフィールドに出現したためにそれをやめた。


「ようは先にデビルツリーを倒さないと、花の方は無限に出てくると」


 デビルフラワーの方は数は最大でも5体までしか出てこないとはいえそれでも触手は合計10本ある。

 それらをかわしながらデビルツリーを攻撃していくのは大変だった。

 さらにもちろん、デビルツリー本体も攻撃をしてくるわけで。


「え、何?、ぎゃぁぁぁぁぁ~!」


 まずは突然プレイヤーの足元から紫色の木の根を槍のように突き出して貫く攻撃。

 防御を貫通する攻撃ではなかったものの、自分の真下からの何の予告もなしでの攻撃など盾で防げるはずもなく回避もできずに直撃し、しかもボスだからか攻撃力もそこそこあって私はこのクエストで初めてダメージを受けた。


 そしてデビルツリーの攻撃方法はさらにあと2パターンあった。

 ただしその2つは攻撃前に次にその攻撃がくるよという合図のようなものがあったので根っこで貫き攻撃よりかは対処は容易だったけど。


 1つはデビルツリーの本体がなんか左右に揺れた合図の後で、本体のすぐ近くの地面からデビルフラワーと同じように触手を飛び出させてこちらを絡めとろうとしてくる攻撃。

 ただしデビルツリーの出した触手は一定時間が経過すると(たぶん20秒くらい)全部また地面の下に戻っていくのでこれに関しては普通に回避に専念していればいい。触手は1度に4本出てくる。

 まあ、10本の触手が14本になっただけだと考えればいい。さっきまで20本の触手が襲い来る中を戦っていたんだしそれに比べたら楽だよ。

 ちなみにデビルツリーは敏捷はデビルフラワーとたいして違わないのか呼び出した触手もとくに速いということもなかった。


 で、おそらくはデビルツリーの攻撃の中で最も厄介だと思われるのがもう1つのこの攻撃。

 なんかデビルツリーの枝がガサガサと音を立てて揺れた合図の後。


「なんだ。木の幹、いや木全体から紫色の煙みたいなのが……うわぁぁぁぁぁぁ!!」


 そう、その紫色の煙は瞬く間にフィールド全体に広がったためこの攻撃は絶対に回避不能だった。

 紫色をしていたことからもそれはおそらく毒ガスのようなもので、普通のプレイヤーであれば今の攻撃で程度はわからないが毒の状態異常になっていたんだろう。


 ……うん。普通のプレイヤーだったなら、ね。


「うん?、あれ?」


 私はノーガードでその紫色の煙を受けたのにもかかわらず、一切何の変化もないことに最初は戸惑ったけど。すぐに今の攻撃がこちらを毒にしてくる毒攻撃であることに気づくとそこで安堵した。


「悪いね。毒ならもうとっくの昔っていうほど前でもないかもしれないけど。私はもう克服済みなんだ」


 私はすでに毒、麻痺、眠りという3種類の状態異常については無効化スキルがあるため一切効かないし、それにしてくるような攻撃でダメージも受けない。


「でもたぶん今のやつ。パーティ組んでても全員が割と強力な毒になって大ピンチに!……みたいなのを狙ってのことなんだろうけど。私はなー」


 ということで私はデビルツリーの3種類の攻撃のうちの1つはまるで無視して戦闘をこなせることがわかり、そこからは速かった。

 ウィンドステップで敏捷を上げてから、迫りくる触手をかわしながらファイアーボール、ファイアーアロー、火炎斬りの火属性攻撃のオンパレードでデビルツリーのHPを削っていく。


 そしてデビルツリーを無事に倒すと、その後で残った5体のデビルフラワーはツリーが倒されたのと同時に消滅したためにそこで戦闘は終わった。どうやら花は木とつながっていたっぽい。

 今回のクエスト中ではデビルプラント、デビルフラワーからはもらえなかったが、クエストボスであるデビルツリーからは倒した時に経験値とゴールドをもらえた。

 そしてついでに新しいスキルも1つもらった。


<新しいスキルを入手しました>

 スキル:植物殺し(プラントキラー)


 〇植物殺し(プラントキラー)

 植物族のモンスターに与える物理攻撃のダメージが25%上昇する。


「ああ、つまり昆虫殺し(インセクトキラー)の植物族版か。やっぱりこれ、この先も〇〇殺しっていう他の種族に対しても同じように与えるダメージがアップするスキルもあるんだろうな」


 そういえば昆虫殺し(インセクトキラー)のスキルも思い出してみると第1階層のあの森の洋館でのボスクエストのボスであるボスゴキブリからもらったんだったっけ?

 もしかするとこの階層の残る2つのボスクエストのボスも、倒した時に〇〇殺しというスキルをくれるかもしれないな。あ、それかヤタガラスの時みたいに召喚スキルか。


「ま、いいか。さてと、時間は……っと」


 デビルツリーとの戦闘終了後、再び視界が切り替わり元の花畑に戻ってきた私は現在時刻を確認したら時刻は午後5時12分。うーん、どうしたものかな。


「街に戻るだけ戻ってログアウトしよう。んで今日の夜、ヤヌスに夕食御馳走した後で自分の部屋に帰ってきてから再ログインして依頼主とギルドに報告すればいいか」


 私はそう決めた。そしてその後で改めて周囲を見渡してみるとたしかにさっきまでは無残に枯れ果てていたはずの花畑が、まるで何事もなかったかのように元の綺麗な花畑に戻っていた。


 いやいや花たちよ。お前ら復活するの早すぎね?


「はぁ~。あ、でも確かに終わるまでに1時間程度のクエストだったな。ふむ、ギルドの受付の兄ちゃんも嘘は言っていなかったわけだ」


 私はそう言い終えると早いところ街に帰ろうと歩き出した。

 街に帰ってログアウトして、そんで急いでスーパー行って食材買って。

 あー、パスタ売ってるかなー。まあ麺類トリオの会社の商品がなければ別のでもいっか。


 余談であるが、私がクリアしたこの『花畑に咲く悪の花』のクエスト。

 たしかに過去のデータではプレイヤー達は平均して1時間程度でクリアしているのだが、過去のプレイヤー達はすべてソロではなく数人のパーティで挑みクリアしており、このゲームが始まって以来このクエストをソロでクリアしたのは私が最初だということを知ったのは、だいぶ後になってからだった。

 しかもソロで挑んだはずなのにパーティを組んで挑んだプレイヤー達とほぼ同じタイムでクエストクリアしているということは後々に伝説になっていたりして。

 もっとも、その時には私にはそれ以外にも伝説がいくつもあって、この話はむしろちょっとしたエピソードでしかなくなってたんだけど。


<モンスター辞典>

〇デビルプラント&デビルフラワー

植物族。第2階層のクエスト『花畑に咲く悪の花』にのみ出現するモンスター。

デザインはそれぞれマッドプラント、マッドフラワーの色違いでありボディの色は紫色。デビルフラワーの花は黄色であることと、後はボディに悪魔のような怖い顔の模様が入っている。

攻撃方法や弱点に関してもマッドプラントとマッドフラワーと同じで、全体的に能力値が上がっていること以外にとくに変更点はない。

ただしクエスト内では同時に10体出現するため、プレイヤーは1度に20本の触手を相手取る必要があるため、そのことで攻略難易度が上がっているので注意。

ドロップ:なし


〇デビルツリー

植物族。第2階層のクエスト『花畑に咲く悪の花』に登場するクエストボスモンスター。

全長30メートルはあるかという巨大な木であり、ボディは紫色。葉っぱは水色のモンスター。

攻撃方法については本編で書いた通りだが、特にフィールド全体に広がる紫色の煙攻撃は、本来であればプレイヤーを毒(中)の状態異常にするという恐ろしい効果、かつ回避不能の攻撃だったのだが玲愛にはもう効かなくなっていたので空しくただの煙になっていた。

というかこの攻撃こそデビルツリーのもっとも厄介な攻撃であるはずであり、過去にクエストに挑戦したプレイヤー達も散々この毒煙に苦しめられたのだけども。

力と耐久は高いが、賢さは低いので魔法攻撃が効くぞ。ちなみにずっと同じ場所にいて一切動かないため攻撃を当てることは簡単だぞ。(でも敏捷の値は0ではないよ。呼び出した触手は動くから)

弱点は火属性。水属性、土属性、闇属性に耐性があったんだよ。←まあもう無意味な情報だけど。

ドロップ:なし


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