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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第2階層―GREEN―
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ニートな女神と初めての眠り

第2階層では麻痺の他にも新たな状態異常が登場。

 花畑へとやってきてから2時間が経過した。

 その間、私はウェアウルフをすでに倒しクエストを達成したのでそこで1度冒険者ギルドに戻り報酬を受け取った。

 これはどんなモンスターとの戦闘にも言えることだが1度目の戦闘で苦戦を強いられたモンスターにも2回目以降はそこまで苦戦しない。

 1度目の戦闘で敵の攻撃方法や弱点などを確認しているから、というのもあるのだけど。

 やはり驚きがなくなり、油断もしていないと冷静に対処出来るようになる。

 言ってしまえば戦闘に余裕が出てくるというか、まあ誰でも2回目以降は割と楽に倒せるよね。


 ウェアウルフ討伐の報酬は常時報酬が600G。そして初回報酬が力の種だった。

 第1階層の時もそうだったけどエリアボス討伐のギルドクエストって報酬が絶対に〇〇の種だよな。

 まあ使うだけで能力値の底上げが出来るアイテムだからそれもわからなくないけど。

 ちなみに種系のアイテムだが道具屋でためしに売値を聞いてみたらなんと1個につき5000Gという破格のお値段だった。いや、もちろん売ってないよ。


「でも、スキルポイントと同じで使う予定もないからな」


 種系のアイテムはプレイヤー1人につき100個までしか使えないという制約もあるのであまり気安く使えないということも理由の1つだけど。


「そろそろ私も、本格的にバトルスタイルとか決めていかないとな」


 バトルスタイル。あるいは戦闘スタイルとはつまりプレイヤー毎の戦い方のことだ。

 そのプレイヤーが基本どのような戦いを得意とし、またメインにしていくかということでもあってそれはプレイヤー毎に違うがいくつかの種類に分かれている。


 剣や大剣、斧などの武器、近接物理攻撃をメインに戦闘を進めるアタッカー。

 弓や銃などの遠距離攻撃が得意なシューター。

 盾を装備し、敵の攻撃から味方を守ったりする壁役、ガードナー。

 杖や魔法攻撃主体で敵を攻撃するソーサラー。

 魔法でも仲間の回復をメインにしているヒーラー。

 支援魔法で味方を強化したり敵を弱体化したりして戦闘を有利に進めるエンチャンター。


 基本的なものだと上記の6種類だが別にこれはゲーム的に決まっているわけではなくあくまでプレイヤー間で言われているというだけのもので、もちろん上記の6種に当てはまらないバトルスタイルというのも存在しているし、あるいは上記の6種のものでも1人で複数のものを兼ね備えていたりする。


「私は、まあ剣と魔法が主体だからな」


 このバトルスタイルが決まると、ようはスキルポイントの振り分けなども悩まずに済むのだが。

 たとえばアタッカーは、力と耐久。ガードナーは耐久と賢さ。というようにそれぞれのバトルスタイルに合った能力値を強化していけばいいのだ。

 だからそれで言うと私は、力と賢さを上げるべきなのだが敏捷も捨てがたい。

 耐久はもう装備やスキルで十分補えているし、器用さや運に関しては上げる必要性は皆無だろう。


「うーん。でもまだ決めるのは早い、かな。いや、むしろ遅すぎなのか?、うーーーん」


 私は悩みながらもとりあえず今日はもういいやと思ってログアウトした。


 ああ、そうそうライトヒールの魔法についてね。

 ウェアウルフとの戦いでちゃんと確認したけど、だいたい1回の使用でHPを最大HPの1割程度回復ってところだった。本当に微小の回復と呼べるものだったけどまあないよりはましだろう。

 ポーションのようにいちいち取り出して飲む必要もないし、戦闘中に普通に使えるだけ良い。


 回復魔法の回復値は、その魔法の説明欄に書かれている回復量を参考に(微小回復とか、小回復とか)その時のプレイヤーの最大HPと賢さの値をもとに算出される。

 だからレベルがあがって最大HPや賢さの値が上がれば同じ魔法でも使用した際の回復量は上がるわけなんだけど。


 ようは今の自分にとって最大HPのうち微小と呼べるくらいの量を回復してくれる魔法、というのがライトヒールの効果というわけだ。

 今の私の最大HPは180であるから、それに対しての1割という回復量は18だが、これは毎回絶対に18回復するというわけではなく、回復量はおよそ15から22くらいの範囲で誤差がある。

 なんで、まあ22回復したらラッキー程度に思っていればいいぐらいだろうか。


 ちなみに回復魔法に限らずすべての魔法やアクティヴスキルに共通して言えるのだが魔法やスキルを使用してから実際にその魔法やスキルが発動するまでの時間(キャストタイム中)に敵の攻撃を受けたりすると魔法やスキルは発動しないことが多い。もちろんMPも消費されないしリキャストタイムも発生しないが、中には使用してから発動までに10秒以上かかる魔法やスキルもあるらしいので気をつけなければいけない。


 ただ、逆に言うとそれはモンスターが魔法や技を使う場合も、魔法を使用してから発動する前までにダメージを与えたりしたら、その魔法や技の発動をキャンセルすることもできるということなので、戦闘中にそれが狙えるならやってみてもいい。タイミングはシビアなものが多いけどね。


 ――神界の私の部屋――


 私はゲーム機を頭から取り外すと起き上がって大きく伸びをした。

 さて、今日の夕ご飯はと……ああ、そういや昼はカップ麺だったんだっけ。

 夜はまともな飯食おうと思っていたけどどうするかな。


「…………んー。でもま、明日はヤヌスのとこで手料理振る舞うし、それに今からじゃもう近所のスーパー閉まってるだろうしな。よし!」


 私は外向きの格好に着替えると財布とスマホを持って部屋を出た。

 今日は久々にお酒でも飲むかと思い向かったのは近所にある居酒屋。月一くらいで来てるけどお店の大将とはもうすっかり顔なじみだった。


 居酒屋の引き戸を開けて私は店内を確認したが幸いにも他の客はいなかった。

 あんまり自分が飲んでるところ他人に見られたくないんだよな。いや、決して酒癖が悪いわけではないのだけど気持ち的にね。


「大将、まだやってる?」

「おお、レアちゃん。ああ、まだ大丈夫だよ」

「そう、じゃあちょっとだけ」


 私はカウンターの奥にいた大将、ウケモチに確認してから店のカウンター席の椅子に座った。

 しばらくするとお通しの枝豆が出てきたので私はとりあえず生ビールを注文して枝豆を1つ食べた。


「今日は、空いてるんだね」

「ああ。さっきまで賑やかだったんだけどな。でもレアちゃんは1人の方が好きだろう?」

「うん。まあね」


 ウケモチは、下界では日本という国の神話に登場する「食物」を司る神だ。

 中年のおっさんだが料理の腕は良く人柄も良いのでこの近辺の居酒屋の中では割と評判のお店だったりするのだが。

 ただ1点だけ、店で出す料理の食材の仕入れ先を誰も知らず、大将本人もそこは企業秘密とか言って教えてくれないことがちょっとだけ気がかりではある。

 陰では他神には言えない方法で食材を仕入れているのではと囁かれているが私はそんなこと気にしない。

 ようは酒とそれに合う料理さえあればその他の事情など大した問題ではないのだ。


「はいよ、ビール。それにしても今日はえらく上機嫌みたいだね」

「んー?、そう見える?」

「うん。先月来た時よりも明るくなったって言うか、なんか良いことでもあったのかい?」

「良いこと?……あー、うん。まあちょっとね」

「そうかい。そりゃ何より」


 良いこと、良いこと……良いことって何だろう。何かあったかな最近。

 強いていればゴッドワールド・オンライン始めたくらいだけど、まさかそのせいじゃあるまいし。

 あ、でもそういや前にトトおじさんにもちょっと言われたっけ?

 自分じゃまったくわからないけど、やっぱ最近の私って何か変わったのかな。


「それで、今日は何食べる?」

「んー。おすすめは?」

「今日は魚系が良いのが入っていて新鮮だな」

「じゃあ適当に頼むよ」

「はいよ。そこはいつも通りだな」


 私はいつも決まったメニューを注文しない。

 食べ物の好き嫌いなどないし食物アレルギーも特にないからだけど、だからいつも居酒屋などでは店の店主のおすすめを出してもらう。

 まあ、たまに食べたいものがある時は普通に注文するけど基本は店任せだ。


 私はそれから大将が出してくれた料理と、それに合う酒を見繕ってもらって食べながらも、そろそろ酔いが回ってきたかなという辺りで勘定を済ませた。


「へい。まいどあり!」

「なぁ、大将。ちょっと聞いてもいいか?」

「お、レアちゃんが質問とは珍しいな。なんだい?」

「男の神に手料理を振る舞うことになって、でもそいつの好物とかわからない場合って、男は何作ってもらえれば嬉しいんだ?」

「え?…………それってもしかしてレアちゃんの話かい?」

「いんや違うよ。ただ聞いてみただけ。それで、どう?」


 私も少々聞く相手が違ったかなと思いもしたが一応ウケモチも日ごろから料理を作って客に出してるので参考までにと聞いてみたのだ。


「そうさなぁ。まあ神にも寄るんだろうけど俺の場合はなんでもいいな」

「なんでも?」

「ああ。そいつが自分のために作ってくれた料理ならなんでもいい。まずくてもいい」

「どうして?」

「そりゃお前、女が男のために手料理振る舞うってなっちゃそれは愛に違いない。少なくとも自分に好意がある相手が作ってくれた料理なら文句は言えねぇし無下にもできねぇ。男ってのはそういうもんよ。まあ欲を言えば作ってくれた料理は美味いほうがいいに決まってるんだがな。はははは」

「……愛」

「どうだい。少しは参考になったかい?」

「……うん。そうだね、ありがとう。また来るよ」

「おう。うちは年中無休だからな。いつでも待ってるよ」


 私は居酒屋を出るとアパートへの帰り道考えた。

 愛って、あれだよな。つまり、好きってことだ。なるほど女が男に手料理を振る舞うことにはそんな意味があるわけか。好意……あれ、ちょっと待てよ?


「それじゃあまるで私が、ヤヌスのこと好きみたいじゃないか」


 そして私はそこでようやく今日ヤヌスがあそこまで私の手料理にテンションが上がっていた理由が分かった気がした。

 これはあいつも絶対に誤解してるな。明日ちゃんと言っておかねば。

 私は別にヤヌスのことが好きとかそういったことはない。ただちょっと普段良く話したりする隣人ってだけであって。そこに恋愛感情はない。そろそろ恋愛なんてしたことないしな、私。


「あれ、でも。ヤヌスは喜んでたってことはあいつは私のこと……いや、ないな。絶対にそれはない」


 ヤヌスはまあ、見た目は悪くないし性格も真面目で努力家だ。ちょっと抜けている面もあるけど多分本気出せば結構女子にモテるタイプだと思うのだ。

 それに今は見習いだけど将来は絶対に大成して一流の家具職人になる、気がする。

 そんな神が私みたいなニート生活送ってる女神のことなんて好きになるわけないしね。


 あいつはよく差し入れとかくれるけどそれはあくまでアパートの隣人としての付き合いであって決して恋愛的な感情からくる好意とかではないと思う。

 でも、よく考えれてみれば私ってそもそも恋愛経験ないからあれこれ考えても全部間違ってるって可能性もあるかもしれないな。


「うん。今度恋愛経験が豊富そうな神に聞いてみることにしよう。とにかく明日、手料理ならなんでもいいって聞いたからこの話はここで終わり。もう帰って寝よう」


 そうしてアパートに帰り着いた私は寝間着に着替えるとそのままベッドに飛び込んだ。

 良い具合に酒が回っていてすごく気持ちがいい。これは良い夢が見れそうだ。

 私は二日酔いとかはしない質だから明日も安心だし。


 明日は、午後6時にヤヌスの……っていうか隣の部屋にいくわけだけど、料理の材料は5時にスーパー行って買えばいいか。これだけは忘れないようにしておこう。


 こうして私はその日はそのまま眠りについた。


 ――翌日――


 私は目覚めた。夢は、見なかったと思うけど朝起きた時って昨日の夜見た夢なんてたいてい忘れてるもんだしね。頭はすっきりしている。酒が残っている感じはしない。

 私は起き上がるとまずシャワーを浴びた。そしていつも通り髪と体を乾かして、と。

 今日は夕方までに1度ログアウトしなきゃだから、時間には気をつけておかないと。


 そんなわけで私は今日もゲームをプレイするのだった。朝食はパス。


<第2階層:花の都フローリア>


 それでなんだけど、今日はどうしようかな。

 クエストは昨日でだいぶ片付けた気がするから今日は牧草地帯に行ってみるか。

 たしか途中に休憩地点として牧場もあるって話だったし。


 休憩地点とはフィールドに存在する安全地帯のことで、ようはごく小規模な街のようなものだ。

 そこにはモンスターが出現せず武装も解除され暴力行為は禁止。

 休憩地点は様々で、牧場のようにある程度広いスペースがあったり他には小さな山小屋などもあると聞くが、中には森の中の泉など一見してそうとはわからない場所もあるそうだ。

 まあ、今回の牧場はちゃんと木でできた策で囲われていて入口も目立つところにあるそうだからプレイヤーは誰でも見つけられるということだったけど。


 ちなみに牧草地帯のフィールドはこの第2階層では最も広いフィールドらしい。

 そしてまた新モンスターも多数出現するらしいのでちゃんと準備が必要だ。

 準備と言っても、私はまあアイテムの補充くらいしかすることないんだけど。


「よし、まずは薬屋に行くか」


 そういえばこの街の薬屋さんって、始まりの街の薬屋のリックスさんの両親が経営してるところがあるって言ってたな。街に薬屋は2軒あるけど、どっちなんだろうか。

 私は少し考えてから前行った方とは別の薬屋に向かった。


「いらっしゃいませ」

「あ……絶対こっちだ」


 私はその薬屋に入ってすぐに理解した。

 店員のおじさんの顔が、リックスさんの顔にそっくりだったというか、一目で親子だと分かった。


「あの、ルドルフさん、ですよね?」

「え?、ああそうだけど。お嬢ちゃんどこかで会ったか?」

「いえ、初対面です。あの、アルベールの村の薬局の、クローディアさんに聞いたもので」

「おお!、そうかなるほど。母さんは元気にしてたか?」

「ええ、元気でしたよ」

「そっか。なるほどな、でも良く俺が母さんの息子だってわかったな。顔あんま似てないだろう」


 ルドルフはたしかに、クローディアとはあまり顔は似ていない。


「えと、お子さん。リックスさんにそっくりだったので」

「おおお!!、お嬢ちゃん息子とも知り合いなのか。ちょっと待ってな。おーい、エメリア~」


 ルドルフは私の言葉を聞いて興奮したようで、店の奥に向かってそう叫んだ。

 するとすぐに店の奥から中年のおばさんがやってきて。ああ、この人がルドルフの妻、リックスの母親なんだろう。


「なに、急に呼び出して」

「それが聞いてくれよ。この子リックスと知り合いだって言うんだ」

「ええ?、あ、そうなの」

「こ、こんにちわ」


 薬屋には今私1人しかいないけど、他のプレイヤーが聞いたらなんのこっちゃという話だろうな。


「こんにちわ。私はエメリアよ。それであなた、本当に息子のお知り合い?」

「え、ええ。リックスさんには第1階層ですごくお世話になったというか」

「お世話?」

「ええ。えっと、調合のスキルをもらって。それで他にも色々」

「あらそう。あの子まだそんなことしてるのね」

「そんなこと?」


 私がエメリアのセリフに首をかしげていると代わりにルドルフが教えてくれた。


「いや、実はな。調合のスキルなんて今時流行らないし、誰も必要としないだろうからもうやめてしまえばいいってよく言ってたんだよ。私は、別にやりたいならやってもいいって言ったんだがね」

「だって事実じゃないの。私今まで調合のスキル持ってるってお客さん1人も知らないわよ。というか調合のスキルがあるなら薬屋にはこないと思うし」


 まあもっともな話だ。調合のスキルを持ったプレイヤーなんてゲーム内に11人しかいないのだしその内の1人は私だ。調合スキル持ちに出会う確率というのはプレイヤーでもNPCでも低いだろう。

 でも第1階層の薬屋で調合のスキルをもらったとしても、第2階層に来たらまだ薬屋は普通に利用すると思うけどな。


「まあまあ。でもお嬢さんはつまり調合のスキルをもらったんだね」

「はい。すごく役立ってますよ」

「ほら。やっぱりいるところにはいるんだよ。私もお客さんで会ったのは初めてだけど」


 おいおい、これはもう相当調合のスキルってレアもの扱いなのか?

 どうしてかな、たしかに素材とか集めるの面倒だけどそれは他の生産系スキルも同じだろうし、ポーションとか自分で作れるって割と需要あるように思うんだけどな。

 まあ、リックス言ってた店で買ったほうが早いっていうのが1番の理由なんだろうけど。


「ああ、そうだ。それでお嬢さん、何か買っていくかい?」

「ええ。えっと、この店の商品を見せてもらってもいいですか?」

「ああ、いいよ。ほら」


 そしてルドルフはこの薬屋の商品一覧を見せてくれた。

 最初に行った方の店と変わりはないかなと思っていたが大きく違う点があることに気づいた。

 麻痺消し薬が売っていないこと。そして代わりに眠り消し薬というアイテムが売っていたこと。


「あれ?、ルドルフさん、これ」

「ああ、眠り消し薬な。うちの店での売れ筋商品だよ。この街にはもう1軒薬屋があるんだがどうやらそっちでは取り扱っていない商品らしくて」

「知ってます。あの、でもこれが売ってるってことはつまりあれですよね。この階層に眠りっていう状態異常にしてくる攻撃をするモンスターがいるってこと」


 私がそのことを指摘するとルドルフは当然といった感じで頷くと教えてくれた。


「ああ、牧草地帯に出てくるスリープシープってやつがな」


 おお、スリープシープ。それって眠り消し薬の調合レシピにあったスリープシープの角を落とすモンスターのことだよね?

 良かった。これで後は眠り消し草っていう草がこの階層に生えていれば眠り消し薬を作れそうだぞ。


「でも、あんまり多くは売れないんだよな」

「え、どうしてですか?」

「ああ、それはなぁ……」


 ルドルフは私に眠りの状態異常の効果について教えてくれた。

 眠りの状態異常は、なると一定時間一切何もできなくなるというものらしい。

 それだけ聞くととても恐ろしい状態異常に思えるが実は眠りは効果時間が終わるのを待たなくても回復するらしく。その条件は効果時間中にダメージを受けた回数。


 例を出すと眠り(微小)は1分間プレイヤーはその場で眠りこけて何も行動出来なくなる。ただし眠っている間に1度でも敵から攻撃を受けてダメージをくらうとすぐに回復するというのだ。


「眠りの状態異常になったらアイテムの使用もできないからな」

「え、じゃあ眠り消し薬って?」

「そうさ。パーティの仲間の誰かが寝ちまった時に他のやつが使って起こす薬さ」


 なんてこった。それではソロプレイヤーにはまったく意味のないアイテムじゃないか。

 あ、でもどうせスリープシープっていうモンスターからも眠り耐性のスキルがもらえるだろうし別に気にしなくてもいいかな。100体倒すまでの辛抱だと思えば。


「ちなみに眠ってる間は完全に無抵抗だからな。敵のどんな攻撃もクリティカルに食らう」

「ちょぉぉぉぉぉっと!」


 ルドルフが最後に教えてくれたまさかの一言で私は思わずそう叫んだ。

 眠りの状態異常。それ考えようによっては毒や麻痺以上にやっかいなものなのかもしれない。


<状態異常について③―眠り―>

今回は眠りという状態異常についてご紹介。

正確には本編ではまだ玲愛は話を聞いただけでまだ食らってもいませんが次話にて当然のように食らいますので。今回は先行紹介。

本編内ラストでも語られましたが眠りとは一定時間一切の行動が出来ずにその場で眠りこけてしまいます。眠っている間は敵から食らう攻撃がすべてクリティカルに命中するので大変危険なのですが逆に敵から一定回数の攻撃を受けると自動で目覚めます。(つまり叩き起こされた扱い。)

実際の効果は以下の通り。


眠り(微小):1分間の行動不能。1回攻撃を受けると自動治癒。

眠り(小):3分間の行動不能。3回攻撃を受けると自動治癒。

眠り(中):5分間の行動不能。5回攻撃を受けると自動治癒。

眠り(大):10分間の行動不能。10回攻撃を受けると自動治癒。


しかも眠っている間に受ける攻撃はすべてクリティカルですから、眠り(大)は当然として(中)でもかなり危険な状態に陥ります。たいていの場合それが原因で死にます。

さらにこの状態異常は自分自身での治癒が不可能であるためまさにソロプレイヤー殺しの状態異常と呼べるでしょう。はたして玲愛はこの状態異常にどう立ち向かうのか。


あと、今回の話で登場したウケモチという神についてですがもう紹介はしません。

本編内でしましたし、おそらくもう2度と登場しないと思うので。(わからないけど。)

でもまあ日本神話に登場する神で、「食物」を司るっていう神様です。

漢字では保食神と書いてウケモチノカミと呼ぶそうですが気になったら自分で調べてみてください。

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