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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めての装備品

タイトルはもちろん金色の宝箱に入っていたというすごい装備品のことです。

ちなみに今回のサブタイトル。玲愛が初めて装備を買った回の話のタイトルにしようと思っていたものをこちらで使いました。

本当はタイトル的には、そっちの方が意味として正しい気もするのですがそこはまあ大目に見てもらうということで。

 通常のダンジョンのボスは基本的にプレイヤーが1度倒してもまたダンジョンを出て入りなおせば復活するので何度も戦うことができる。

 だけどその階層最後の迷宮ダンジョンだけは例外で、迷宮ダンジョンのボスは1人のプレイヤーが倒せるのは1回だけ。

 次からはたとえダンジョンを再び踏破してボス部屋まで行ったとしてもその部屋の扉の先にボスはいない。

 また、それはプレイヤー毎に認証されているので例えばその階層のボスを倒したことのあるプレイヤーと、ないプレイヤーの混同パーティではボス部屋には入れない。

 さらにボス部屋は隔離された別空間扱いになっており、誰かがボス部屋でボスと戦っている時にすでにボスを倒したプレイヤーがボス部屋の中に入ることは出来る。

 その場合、後者のボスを倒したことのあるプレイヤーが入ったボス部屋と、現在ボスと戦っているプレイヤーが存在するボス部屋は別の部屋扱いで個々に存在している。


 つまりはまあ、他の誰かがボスと戦ってる最中でも私がボス部屋に入ることはできるって話だ。


 私はいつでもあのボス部屋に入れて、第2階層のフィールドへとつながるワープゲートを通ることが出来る。

 そのボス部屋にも、私はダンジョンの入り口である神殿の中に現れた緑色のワープゲートの中に入ることで道中の長い道のりを無視して一瞬で行くことができる……のだけども。

 私は今再びダンジョン、第1階層の迷宮の中にいてモンスターを相手取っていた。


「くそ、しくじったかな。こうなるなら先にクエスト受けておけば良かったかも」


 私はため息交じりにそうつぶやく。

 なぜ私がまたダンジョンの中に潜っているのか、理由は単純明快だ。

 始まりの街の冒険者ギルド、そのギルドクエスト達成のためだ。


 時間は少しだけ巻き戻ってつい小一時間ほど前。

 私は見事にダンジョンのボスであるドラゴンを倒し晴れてこのダンジョンをクリアした。

 そしてボス部屋から一旦ダンジョンの入り口まで戻ってきた後で私は始まりの街に帰還した。


 それから、私はボス部屋のあの金の宝箱の中身を確認しながらも、第1階層でやり残したことを片付けようと思い冒険者ギルドへと向かった。

 そこで改めて気づかされたのだ。ギルドクエストの残りがあのダンジョン内のものであるということに。


 私は思った。こんなことならダンジョン攻略前にここに立ち寄ってクエストを受けておけば良かったと。

 もうね、完全に二度手間だったんだよ。


 ギルドクエストの方は、全部で40種類あって岩場のフィールド攻略終了時点で私はそのうちの35件を1度づつクリアしていた。

 つまるところ残る5件が迷宮内のモンスター討伐や素材採集のものであったみたいで。


「うわ、面倒くさ。またダンジョンまで行って倒してこなきゃ行けないわけ?」


 私はそれを知ってげんなりとした気持ちになりつつも、しかしこれで最後なわけだからと思いその残った5件のギルドクエストを受けた。

 そうして私は再び迷宮ダンジョンの中までやってきたのだ。


 迷宮の地下3階まで降りてきた私は、そこでクエストの討伐対象になっていたシャドーマンを規定数倒し終えるとそこでもう1度受けた5件のクエスト内容を確認した。

 どうやらこれで最後だったようだ。後は戻ってギルドに依頼達成書を出せば始まりの街のギルドクエストは完全に制覇したことになる。


「……でも、クエストにここのボス討伐とかなくて良かったよ。だって1回しか倒せないだもの」


 ゲームのシステム的にも、さすがにそれはなかったようで私は安心していた。

 だって、もしも先にそのクエストの存在を知らずにボスを倒してしまったプレイヤーは、もう2度とそのクエストは達成できないことになってしまうからね。

 それはゲームをプレイする上ではあってはならないことだろう。


「……ふう。それにしても、この装備。強すぎると思うのは私だけだろうか?」


 私は身にまとった新装備と、新しい剣と盾を見ながらそうつぶやく。

 そう、この新装備とはもちろんボス部屋の金の宝箱の中に入っていたものだ。

 私はそれを全部装備した。ああ、もちろん兜も盾もね。

 今までなら、装備を全部一式で同じシリーズで揃えるのはためらっていた私だったけど、今回のものに関してはむしろ揃えておかないとちぐはぐ感が満載で恰好悪い感じになると思ったからだ。

 まあ、それと普通にデザインも恰好良いなって思ったのももちろんあるけどね。


 というわけで私の今現在の装備について紹介しよう。


 頭:ドラゴンヘルメット

 体:ドラゴンメイル

 右手:ドラゴンソード

 左手:ドラゴンシールド

 足:ドラゴンブーツ

 装飾品1:ドラゴンの腕輪

 装飾品2:カラスの指輪

 装飾品3:賢さの指輪


 まず何から説明しようか。

 そう、装飾品を除く体につける装備品はすべてドラゴンなんちゃらに統一された。

 私はドラゴンって竜のことなんだし竜の剣とか、そういう名前なのかと思っていたけどなぜかしら全部英語だった。理由については推測もできないけど恰好良いから別にそこはいいや。


 それぞれボスの討伐報酬の品であるためかとてつもなく優秀な装備だった。

 一応それぞれの能力値と特殊効果を個別に説明しておく。


 〇ドラゴンヘルメット

 VIT+24

 特殊効果:物理攻撃によって敵から受けるダメージを10%減少させる。火属性の魔法攻撃によって敵から受けるダメージを10%減少させる。


 〇ドラゴンメイル

 VIT+46

 特殊効果:物理攻撃によって敵から受けるダメージを20%減少させる。火属性の魔法攻撃によって敵から受けるダメージを20%減少させる。


 〇ドラゴンソード

 STR+42

 特殊効果:物理攻撃によって敵に与えるダメージが20%アップする。


 〇ドラゴンシールド

 VIT+38

 特殊効果:物理攻撃によって敵から受けるダメージを15%減少させる。火属性の魔法攻撃によって敵から受けるダメージを15%減少させる。カウンター率が25%アップする。


 〇ドラゴンブーツ

 VIT+22 AGI+18

 特殊効果:物理攻撃によって敵から受けるダメージを5%減少させる。火属性の魔法攻撃によって敵から受けるダメージを5%減少させる。



「……ということでまあ色々言いたいこともあるけどまずはこれだけ……強い!!」


 VITの上昇値はトータルでちょうど130。もはや言葉も出ない。

 さらには特殊効果のおかげで私は、物理攻撃と火属性の魔法攻撃に対してはダメージが合計して50%も減少する。つまりは半分ということだ。

 いや、火属性の魔法攻撃に対してだけならそれほどでもないんだろうけど物理攻撃のダメージが半分になるというのは凄すぎる。

 私はもちろんその凄さを確かめて見た。


 つまりはダンジョンに向かう途中、岩場でまたストーンゴーレムのあの一撃を無抵抗でくらってみた。

 そうしたらね、もう笑っちゃうんだけどダメージが2しかなかったわけ。

 ダメージが2っていうと肩を軽く叩かれた程度の衝撃しかなくて当然痛みもない。


 いやいや、これ本当に強くない?


 そして剣の方も、能力の上昇値もすごいけど特殊効果が。物理攻撃で与えるダメージが20%も上がるってそれもう1.2倍になるってことだからね!?


 もちろんこれもその凄さを確認したよ、ストーンゴーレムでね。

 まあ結果はもうお分かりいただけてると思うけど普通に剣で斬っただけの攻撃でもかなりのダメージを与えられたわけ。

 どのくらいかっていうと一撃でHPケージの10分の1ほど削れた。

 それは低いように思えるかもしれないけどよく思い出してもらいたい。

 この装備をつける前にためしに剣だけでストーンゴーレムを倒した時のことを。

 あの時は剣の一撃でもHPケージの20分の1程度しか削れていなかった。

 つまりはそう、与えるダメージがほぼ2倍近くにまで跳ね上がっていたのだ。


「いや、もう十分すぎるんだけど」


 だが装備品のすごさはまだまだある。

 足に装備したブーツには今まではなかったのだがVITの他にAGIの値も上昇させてくれる効果がついていて私は素早くなったし。

 そして1番の問題は盾の方についていた特殊効果だろう。カウンター率が上がるというもの。


 以前に私は、盾で攻撃を防いだ時に低確率でガードと呼ばれる現象が起きて通常時よりもダメージが減るということがあるというのを説明しただろう。


 だけど実は、盾にはさらに低確率で起きうる現象でカウンターと呼ばれるものがある。

 そのカウンターの現象が発生する確立をカウンター率と呼ぶのだけど。


 カウンターとは、ようは自動反撃のことだ。敵から攻撃を受けた時に一定確率でシステムが勝手に私の体を動かして自動で攻撃してきた相手に反撃を決め込む。

 この時に敵に与えるダメージは通常時の2倍のものとなる。

 ただ、カウンターは本当に低確率、0.003%くらいの確率で起きうるとされていて私もこれまでに1度も経験したことがなかったからそれがいきなり25%に上がったので驚いた。

 しかもカウンター攻撃は、システム的に不可避のものであり絶対に敵に命中する。


 考えても見てほしい。

 攻撃を盾で受けたら4分の1の確率で強力な反撃が自動で、しかも絶対に当たるという。


 ……いやむしろ怖すぎて私が盾で攻撃を受けることを躊躇するレベルなんですけど。


 正直私は、この盾だけは別のものに変えようかなと思ったくらいだ。

 でもそうしたら見た目的なバランスが崩れるし、私はそっちの方が嫌だったので仕方なく装備したけど。

 カウンターが発生した時って、私の体が私の意志に関係なく勝手に動いて敵を攻撃するから気持ち悪いんだよね。

 ……まあ、これも慣れるしかないんだろうけど。


 <第1階層:始まりの街>


 ダンジョンでのクエストを終えた私はすぐさままたボス部屋から入り口のところまで戻ってきてまた始まりの街に帰還してきた。


「ふう、でも今日はもうここまでかな」


 その時には時刻はもう完全に夜になっていた。

 いつもならこのまま夜の時間もぶっつづけでプレイするところだけど今日はさすがに疲れた。

 むしろボス戦終わりなのにギルドへ行ってクエストを受けてまたダンジョンに行っただけでもすごい方だと私は思っているのだけどこれはまあエゴだろう。


 そうそう、さっきの装備品のことで装飾品の方の説明をしていなかったんだっけ?

 ボス討伐報酬の中には装飾品も1つ入っていたんだよ。ドラゴンの腕輪ってやつが。

 ただこの腕輪も、例にもれず効果はぶっとんでてさ。


 〇ドラゴンの腕輪

 ING+25%。火属性の魔法攻撃で敵に与えるダメージが25%アップする。


 うん、まあようは魔法攻撃の強化だったんだけど私はすでに火魔法最強のスキルの効果で火属性の魔法攻撃で敵に与えるダメージは100%アップしているので後者の効果は無意味なんだ。


 こういう%でアップする効果は、同じ効果であればたとえスキルや装備品で限界まで上げても100を上回ることはない。つまり最大で2倍までにしかならないのだ。

 それでもINGの値が25%もアップするという効果の方は魅力的だったので私はそれまで装備していたウサギのお守りを外して竜の腕輪をつけた。


 それと装飾品の3につけていた守りの指輪を外した。

 守りの指輪の効果はVIT+10というものだったけども私の耐久はすでに他の装備で十分すぎるほど強化されていたのでいまさら10上げることに意味はないと思ったのだ。

 そして代わりに、あの森の洋館クエストの最後に宝箱から手に入れていた賢さの指輪を装備した。

 賢さの指輪の効果で、私のINGの値が10上がった。これは竜の腕輪とも効果的に相性が良さそう。


 あ、そうそうそれで装備品の見た目のことなんだけど。

 まあ全身黒っぽい緑だね。兜、鎧、靴はなんか竜の鱗みたいなデザインがモチーフというか、まんま竜の鱗を使っているようだ。

 盾も同じような感じだけど、私が今まで使っていた丸い盾が比較的小さな盾だったのに対して、ドラゴンシールドは割と大きめのサイズの盾で最初は慣れるのに苦労したけど。

 剣は、それまでのものよりも若干短いようだったけど実際の戦闘ではそこまで変化を感じなかったので些細なものだろう。ちなみに剣は刀身が黒っぽい緑であるためすごく恰好良い。


 ちなみに、このゲーム内の仕様として剣というのにはいくつか種類がある。

 私が装備している片手剣のほか、両手で装備する大剣、投げて敵を攻撃もできる短剣等。

 また刀という武器もあるようでそれは片手剣とは別の武器扱いになっているらしい。


「……さて、と」


 私は始まりの街に戻ってくるなり冒険者ギルドの前までやってきた。

 中に入りなじみの受付のお姉さんに今回受けたギルドクエストの依頼達成書を5枚出して受け付けてもらい、そしてクエストの報酬を受け取った。

 ただ、その後で受付のお姉さんがさらにこのようなことを言ってきた。


「おめでとうございます」

「……はい?」


 私は一瞬何のことだがわからずに素でそう返事をしてしまったけど続くお姉さんの言葉で理解した。


「あなたは第1階層の冒険者ギルドにあるギルドクエストをすべてクリアされました」

「あ、はあ。えっと……」

「つきましては、ギルドの方から記念品の授与があります。こちらをお受け取り下さい」


 そうしてお姉さんから手渡されたのは金色に輝くメダル、金メダルだった。

 メダルの中央に大きく1という数字が彫られているけど、これってもしかして第1階層のことかな。


「あ、どうも」


 私が差し出されたそのメダルを受け取るとお姉さんはにっこりと笑って最後にこう言った。


「これからも暇があればギルドのクエストを受けて見て下さいね。当ギルド職員一同、心よりお待ちしておりますので」

「……はあ。それは、どうも」


 そして私が受付カウンターを離れた後で、受け取った金メダルを確認してみた。


 〇金メダル[1]

 第1階層にある冒険者ギルドの、ギルドクエストをすべてクリアしたことの証。


 アイテムの説明欄にはただそれだけが書かれていた。

 なんだろうこれ、本当にただの記念品かな。それともこれも、集めていけばどっか先の階層で何かに役立つんだろうか?


「んー、まあいいか。くれるっていうならもらっておこう」


 私はただで人がくれたものはよほど変なものでもない限りは受け取る主義だ。

 私は金メダルをアイテムボックスに収納するとふとギルド内の住人掲示板の方を見た。


 たしか私はこの50種類ある住民クエストのうち前回の森の洋館クエストをクリアしたことでクリアした住人クエストは44件になったはず。

 住人クエストはギルドクエストと違って1プレイヤーは同じクエストは1度だけしか受けてクリアできないからな。


「まあ、今すぐやるっていうんじゃなくて受けておくだけならやっておくか。……もしかして住人クエストの方も全クリしたら何か記念品とかもらえるのかな」


 私は住人掲示板の前までやってくると私がまだ受けていない残りの6つのクエストの依頼書を探した。

 そしてそのうちの2つはまた別のプレイヤーが挑戦中とのことだったのでとりあえず今受けられる4つの方のクエストの依頼書をボードから取ると、また受付へ。


 依頼書を受け付けてもらってから、クエストを始めなければいけないまでの期間は3日間だ。

 依頼書を受け付けてもらってから3日間その依頼書のクエストをやり始めなかった場合は強制的にクエスト失敗扱いになりアイテムボックスの中から依頼書は消失する。

 ただし、クエストをやり始めてしまえば後はそのクエストの内容にそってクエストの達成、失敗の判断がなされることになる。

 第1階層の冒険者ギルドにある住人クエストにはないが、先の階層にあるクエストではクリアするのに最低でも1週間以上かかるようなクエストもあるという話だが、さて。


「……はい。それでは玲愛さんの依頼書はすべて受理されましたので、まずは依頼書を出した依頼主のところへ行って話を聞いて下さい」

「はいはい、どうも」


 この、依頼主のところへ行って話を聞くことというのがようはクエストの始まりを意味している。

 依頼書にはちゃんとこの街のマップの、どこに依頼主がいるのかも書かれている。

 まあ、今日はもう依頼書を受け付けてもらうだけで依頼主のところへ行かないんだけどね。

 今受けたクエストはまた明日やることにしよう。明日は、今日挑戦中だった残りの2つのクエストも受けれるようになっていればいいと思うけど。


「んー、まあせっかくだし気晴らしに草原でも散歩してからログアウトするか」


 私はギルドを出ると1人そう呟き、街の東の門へと足を運んだ。

 そして門を出て平原フィールドを当てもなくてくてくと歩いていく私。

 私は、第1階層のフィールドの中なら実はこの草原が1番お気に入りだったりする。

 どこまでも続くような緑の草原。ときおり風が吹いてはその草が揺れてざあっという音が聞こえる。

 さらに夜の静けさもあいまって私は1番癒しを感じるのだ。


「はぁ~あ。ボスを倒してからはなんかずっと気が楽になった気がするな」


 私は草原の一画、草の上に仰向けに寝っ転がると空に浮かぶ星を眺めていた。

 作り物の世界のはずなのにどうしてこんなに綺麗なのだろうか。

 いや、違うか。そもそも物に本物と偽物という分け方は存在しないのかもしれない。

 だって偽物も、言ってしまえば本物の偽物であるわけなんだし。

 だからゲーム世界の中で見るこの星空も、紛れもなく本物だということだ。


「あーあ。神界の空にはどうして星がないんだろう。下界の人間たちはいつもこんな綺麗な景色を見ているんだろうか」


 私の目には今、夜空を彩る満点の星たちが燦然と輝く様が映し出されている。

 もちろん、下界の人間たちが本当にいつもこんな幻想的で美しい景色を見ているわけではないということは私も知っている。

 だけど少なくとも夜空に星がある。このことだけで私は1つ、下界に住む人間たちのことがちょっとうらやましく思えたのだ。


「よく考えて見れば神界の空には星はないのに、父さん、天文学者なんだよな。ああ、そういや私お父さんの仕事のこと今まで考えたことなかったかもしれない。普段どんな仕事してんだろう」


 星のない空を見て、それで天文学者などというのが務まるのだろうか。

 いや、そもそも私は天文学者とはどういう仕事をする職業なのかということさえ知らなかった。


「……たまには私から電話してみようかな」


 最近では、親との電話はいつも向こうからかかってくるばかりでこっちから向こうに電話をかけることなんてなくなった。

 1人暮らしを始めたばかりの頃は、毎日のように電話してたはずなんだけど。

 いつの間にか、連絡することがなくなっていたな。


「……よし、決めた。今日しよう。電話」


 私は立ち上がると歩き出し、草原フィールドから始まりの街に戻ってくるとそこでログアウトした。

 きっと両親は驚いてくれるに違いない。私はいつの間にかそんな期待を胸に膨らませていた。


多分、あと4~5話くらいはまだ第1階層編が続くかもしれない。

というのも、実はまた急遽入れたいエピソードが出来たのです。本当は、第2階層編で入れようと思っていたのですがこちらに差し込むことにしました。

エピソードの内容はまだ言えません、というかすぐにわかると思うので。もしかしたら次話にでも。


あと、今回の話で前回のボス討伐の報酬が入った金の宝箱の中身のうちのいくつかは説明しましたけど、残りの中身については次話でまた説明します。

とくに魔法を覚える巻物とかね。あとはまあ素材アイテムの名前とかも一応は。


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