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ニートな女神がログインしました。  作者: 唯一信
第1階層―始まりの街―
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ニートな女神と初めてのレシピ

 翌日の朝のことである。

 私は目が覚めて起き上がると昨日の夜部屋に帰ってきてそのままの格好で寝てしまっていたことを思い出し、そそくさと寝巻に着替えた。

 そして台所に置いてあったヤリーロからもらったカップ麺の1つを作って食べようと薬缶に水を入れてコンロに火をつけた。

 そして湯ができるまですることもないなと思っていたらそこで玄関の扉の外からなにやらトンチンカンという金槌を打つような音が聞こえてきた。

 ああ、この音はきっとヤヌスが昨夜私がぶっ壊したヤリーロの部屋の扉を直してる音だな。

 月一くらいでよくこの音が聞こえてくるのだ。もうアパートの住人たちも慣れただろう。

 え、今まで壊した扉の数?……もう忘れたよ。数えるのも馬鹿らしいじゃない、そういうのって。


「はぁ~あ。眠いな、でも今日はまた1日こもんなきゃだしな」


 こもるとはもちろんゲームの世界にである。

 最初は軽い気持ちで始めたはずのものに気がつけばドップリはまってるなんて話、よく聞くだろう。


 正直もう、自分の恩恵がどうこういうのは半ばどうでもよくなっていた。

 どうせもう確認しないんだから、これから先はそんなの気にせず気ままにやっていこう。


「お、お湯が沸いたみたいだ」


 私はカップ麺に湯を注ぎ入れるとタイマーで3分を計り始めた。

 そして出来上がったカップ麺を食べ終えると容器の片づけをした後でまたベッドの上へ。

 さて、今日はまず何から始めようか。

 私は頭にかぶったヘルメット型ゲーム機の電源を入れた。


 <第1階層:始まりの街>


 いつもと同じように街の祭壇の上で目覚めた私は祭壇を降りてとりあえずまずは薬屋の方へ行くことにした。

 調合Ⅱのスキルのレシピを確認すると、やはり毒消し薬の調合が出来るようになっていたのだ。

 調合や鍛冶などの生産系のスキルと呼ばれてるものは、基本的に街中ならどこでも使える。

 フィールドやダンジョンでは使えないのだけどそれはいいとして、ではどうしてわざわざ私が薬屋まで行くのかというと理由は2つあった。

 まずは、もしも何かわからないことがあってもすぐに店員に聞けるから。

 あとは、できれば他のプレイヤーがいるようなところで調合をしたくはなかったから。

 あくまで実際に何らかの作業をするわけでなく画面の操作で作ることができるのだけどそれでも見ていたらばれる可能性がある。

 別にそれがばれたところでどうなるというわけでもないけど、ただなんとなく、ね。

 調合のスキルなんて持ってるの10人しかいないっぽいし、まあ人気がないからなんだろうけど。


「でも、自分のスキルとか能力は少しでも隠しておくべきってコルトさんに教わったし。ああ、そういやコルトさん、最初に会った時以来全然顔を合わせないんだよな。まあきっとリアルでは大人で社会人ってやつだろうから仕事が忙しいのかもだけど」


 そんなことを言いながら私は薬屋までやってきた。


「いらっしゃいませ。おや、またいらっしゃったんですか」

「ええ、ここで買った毒消し薬のおかげで森の中も安心して探索できましたよ」

「そうですか。それは何より」


 まあ、私が使った毒消し薬は最初の1回だけだったんだけどね。そこはまあ、それで。


「それで今日は何の御用でしょうか?」

「いや、まあ。また調合したいんですけど、この奥をまた使わせてもらえないかと思いまして」

「え?……いやあ、まあ別に構いませんけど、どうしてまた」

「あんまり、人目につくところで作業したくないんです」

「ああなるほど、わかりました。いいですよ、ぞれじゃあ終わったらまた声をかけて下さい」

「ありがとうございます」


 私は薬屋のイケメン店員の了承を得ると、また店の奥にある1スペースを借りることができた。

 さて、さすがにあんまり長くいるのも迷惑になるだろうからちゃちゃっと終わらせるか。


「スキル、調合Ⅱ、レシピ……それで毒消し薬か」


 私はそこで改めて毒消し薬のレシピを確認した。


 〇毒消し薬

 毒消し草+ポイズンスパイダーの爪+水


 毒消し草×63個

 ポイズンスパイダーの爪×131

 水×70


 水に関してはこの前薬屋で100個買った。

 そしてポーションを30個作製したため残りは70個ということだ。

 ポイズンスパイダーの素材は必要なのは爪の方だった。

 あれ、じゃあポイズンスパイダーの糸は何に使う道具なんだろうか。洋服とかかな?

 まあ、そっちについてはいいか。とりあえず今は……作ろう。


 ――50分後――


 毒消し薬は1個作るのに40秒かかる。

 それをとりあえず60個ほど作ろうとした私は、40×60で2400秒。

 それに画面の操作などの時間を入れておよそ1時間ほどでなんとか60個目の毒消し薬を作り終えた。


『毒消し薬☆×60』


 うん、言いたいことはわかるよ。

 単に毒を消すというだけの効果なのに高品質なものっていったいなんだっていう疑問ね。

 まあこれは実際に2つを見比べてもらえればわかるだろう。


 〇毒消し薬

 状態異常:毒(微小)を治す薬。


 〇毒消し薬☆

 状態異常:毒を程度によらず治す薬。


 さて、おわかりいただけだろうか。

 前者の方が街の薬屋で買った市販品、後者が私が作った最高品質のものである。


「つまり普通に売ってるやつが微小の毒しか治せないのに対し、私のはどれだけ強い毒でも治ると」


 私は画面を閉じると腕を組み考え込む。

 だけど、そもそも私にはもう一切の毒が効かないのでこれはもっていても無駄だろう。

 だから本当なら全部売ってしまってもいいと思うのだが、でももしも誰かが毒をくらって倒れてるところに遭遇した場合にそなえて少しは手持ちで残しておくことにしようかな。

 あくまで他人の応急処置用としてだし、足りなくなったらまた作ればいいんだしね。


「おや、もういいのかい?」

「はい。あの、それで1つ聞きたいことがあるんですけど」

「なんだい?」

「この店で売っている、普通の毒消し薬って微小の毒だけが治せるんですよね?」

「そうだね。まあこの階層でいうとポイズンスパイダーの毒を治せる薬って認識の方が強いと思うけども、その通りだよ」

「じゃあ、それ以上の毒、たとえば毒(小)とかを治すにはどうすればいいんですか?」


 私がそう質問すると薬屋さんは少しの間考えるようなそぶりをした。

 そしてこう言った。


「うーん、普通ならもっといい薬、ああつまり上毒消し薬なら治せるんだけど。そうだな、僕は作ったことはないけど毒消し薬の+とか++とかならあるいは。まあ、それを作るには調合スキルが必要だから普通の人に言ってもわからないんだろうけど」


 なるほど。それならば……


「あの、じゃあ今ちょっと出来た薬があるんですけど、ここで買い取ってもらうことはできますか?」

「ああ、それならもちろん。うちは薬屋だからね」

「はい。あのそれじゃあ、これなんですけど」


 私はアイテムボックスの中から1本だけ毒消し薬☆を取り出すと薬屋の店員さんに渡した。


「はいはい、えっと……え……これって?」

「はい。ただの毒消し薬ですよ。最高品質のものですけど」

「えええええええ!!、うそ、だってそんな。え、ほんとに!?」


 店員さんは心底驚いた様子で私が渡した毒消し薬を様々な角度から見ていた。

 だけど、実は高品質のものであっても見た目には違いはいっさいないので確認するためにはアイテム画面の表示を見るしかないのだけど。


「あの、それっていくらですか?」

「ちょ、ちょっと待ってね。うーん、どうだろう。この毒消し薬なら効果はもう普通の最上毒消し薬と同じみたいだし。それなら最上毒消し薬の買い取り価格と同じでいいのかな。でも、ああ、どうすればいいんだろう、こういうのって」


 なんでもいいから早く買い取ってほしいのだけど。


「これって、出来たのは1個だけなの?」

「いえ、とりあえずは40個ほど」

「よんじゅっ!?」

「はい、これです」


 私は毒消し薬☆をとりあえず40個ほど数を指定して今度はアイテム画面だけを店員に見せた。

 さすがに40個もカウンターの上に置いたら邪魔だろうから。


「ほ、本当だ。あ、えっとじゃあ。今回はもう1個500Gで買い取るよ。それでいいかい?」

「はい、それで構いません」

「はぁ、本当にびっくりしたよ。君って調合の才能というか、本当に何か恵まれてるんだね」

「そうですかね。割と普通だと思いますけど?」


 こうして毒消し薬☆は1個500Gで40個すべて売れた。

 ということは利益はすでに20000G、そう、2万ゴールドである。


「ははは、もしかしたら君。今この街にいる人のなかじゃ1番のお金持ちかもね」

「そんなことないと思いますけど」


 それはもちろんプレイヤーの中ではという話だろうか。

 まあ言われてみれば第1階層は初心者しかおらず、みんな強くなったらすぐに次の階層に行ってしまうからそうなのかもなのだけど。

 ちなみに現時点で私の所持金はどのくらいになっていたのかというと。


「うわ、大変だこりゃ」


 3万5648ゴールドも持っていた。そのうちの2万は今のお金だけど。

 ああ、ポイズンスパイダー狩りやドロップアイテムとか売りさばいてたからなぁ。


「いくらだったんだい?」

「え、いやちょっと。言えないくらいです」

「おっと、それは失礼。じゃあ早いところ銀行に預けに行かないとね」

「あ、はい」


 そうだった。私は薬屋に言われて思い出した。

 このゲーム内にも銀行という施設があり、それは冒険者ギルドの中にあった。

 銀行は、もちろん自分の手持ちのゴールド、お金を預けておく場所でありここに預けていたお金は私が死んだ時に半分になったりしない。

 まあ今のところ死ぬ予定もないけれどここまで大金を持ち歩いているというのもなんだか怖いので私も預けておくことにしよう。


 そして薬屋さんに礼を言うと、また調合したい時にはいつでも来てくれていいと言われたのでそこはお言葉に甘えさせてもらうことにした。

 そして冒険者のギルドの方へと歩いて行く。


 冒険者ギルドの中についてさっそく中に入った私は1階の1区画にある銀行の受付のところまで歩いて行くと受付のお姉さんに申し出た。


「すみません、お金を預けたいのですけど」

「はい。冒険者登録は済ませていますか?」

「はい」

「では、お名前の方をお聞かせください」


 と、受付のお姉さんが言うと私の前に名前の入力画面が出てきたので玲愛と打ち込んだ。

 するとお姉さんが確認を済ませたようでいくら預けるか聞いてきた。


「それじゃあ、30000Gで」

「はい、30000G……3万!?、あ、すみません。えっと、30000Gですね。はい、たしかに」


 良かった。なんか目の玉飛び出すくらいの勢いで驚かれたけど、受け付けてくれた。

 ちなみに各階層の大きな街には必ず冒険者ギルドと銀行はあって、たとえば第1階層で預けたお金でも他の階層の銀行で引き出すことは出来るらしい。良かった。


「それじゃあ私はこれで、また溜まったら預けに来ます」

「は、はい。いつでもお待ちしています」


 そして銀行の受付から離れる時も、受付のお姉さんの顔は若干引きつっているようだった。

 まあ、この街で30000Gという額は大金なんだろうし、その反応もわからなくないけど。

 でも、やっぱりこのゲームって凄いな。

 まるでゲームの中にいる気がしないっていうか、前も思ったけど街の住人たちとかの反応とかもすごく自然だったし。


 ここって本当はゲームの中の世界とかじゃなかったりして、なんてね。


「んー、お金も預け終えたところだし、どうしようかな」


 今日もまた森へ行って、昨日は行けなかった残りの場所のマッピングを済ますか。

 あるいはもう次の、というか最後のフィールドである岩場エリアに行くか。

 ああ、その前にまた武器屋と道具屋によってアイテムの換金を済ませておくか。


 と、私がふとギルドの掲示板の方を見るとそこで思いついた。

 そうだ、今日は1日クエストをやってみよう。薬屋さんもクエストの報酬で新しいレシピがもらえるかもしれないって言ってたし。


 私はせっかく冒険者に登録したのだからということで掲示板の前まで歩いてくるとそこに張り出されている依頼をいくつか確認してみた。

 クエストにもいくつか種類があって、特定のモンスターを〇〇体倒してこいとか、特定のアイテムを〇〇個ほしいというようなもの。

 さらには単に街中を駆けまわるだけのおつかいのようなものから、かなり特殊なものまで。


 掲示板は2つに分かれていて片方がギルド掲示板、もう1つが住人掲示板である。

 ギルド掲示板の方に張り出される依頼はギルド依頼、あるいは常設依頼と呼ばれている。

 いつでも同じ依頼が張り出されていて誰が同じ依頼を何度引き受けてもいいというものだ。

 多くはモンスター討伐と素材採集のクエストの依頼が張り出されていて報酬は基本的にゴールドのみのという依頼が多い。

 あるいは同じ人が受ける場合でも1人につき1回、初回クリアした時だけ特別な報酬が出る依頼などが張り出されている。


 例としてたとえばこれなどだ。


『クエスト002:ウルフ討伐』

 第1階層に出現するウルフを5体倒す。


 報酬:50G

 初回報酬:獣の爪×3


 このクエストを私が受けてクリアすると、1回目にクリアした時だけ獣の爪×3がもらえるが、それ以降に同じクエストを何度クリアしてももらえるのは50Gだけである。

 また、私がこのクエストを受注している最中であっても、別のプレイヤーが同じクエストを受注することが可能となっている。

 これがギルド掲示板のクエストである。


 では逆に住人掲示板の方のクエストはどうかというと。


『クエスト002:リンゴを届けて』

 依頼主:アリシア


 リンゴを3個買って、アリシアに渡す。


 報酬:アップルパイ×1


 たとえばこのクエストを私が受けるとしよう。

 すると私がこのクエストに挑戦している最中はこのクエストを他のプレイヤーが受けることはできない。

 そして住人掲示板の依頼の方は同じ依頼を同じプレイヤーが2度は受けられないようになっている。

 だから私がこのリンゴのクエストを受けられるのは1回だけだということだ。

 正確に言うと受けてクエストクリアしたら2度は受けられない。


 ああ、クエストに失敗した場合は別で、その場合は3日経過するまでは再挑戦は出来ないのだとか。


 さらにお気づきの方もおられるだろうか。

 このリンゴのクエストと先ほどのギルド掲示板にあったウルフ討伐のクエスト、よく見るとクエストの番号が同じである。

 そう、つまりこの2つの掲示板に張られているクエストの依頼は、ギルドのものと住人のものとで別物と考える必要があるのだ。

 そしてフィールドで自然発生する自然クエストとももちろん別物である。


「と、ここまで見たのはいいが。どれにしようかな」


 私は色々見て回ったがどれでもいいかと思い適当に依頼書の紙を選ぶとそれを取った。

 1度に受けられるクエストは同時に5つまで、である。

 私はギルド掲示板ではなく住人掲示板の方から5枚の依頼書を取った。

 だって、こっちの依頼の方が面白そうなやつが多かったのだもの。

 そしてそれから私は、取った5枚の依頼書をギルドの受付にもっていくとすべてやりますと言った。

 ギルドの受付のお姉さんは私のことを見てこの前の薬屋のクエストを受けたやつだということに気がついたようで顔を引きつらせていたけれどちゃんと仕事はしてくれた。


 さあ、今日は徹底的に街の人たちの願いを聞いて回るぞ。


 ――それから3時間後――


 気づけば私はその時30個目の依頼を達成していた。


「こ、ここ、これが報酬にな、なななります」

「あ、はぁ。そうですか」


 最初に受けた5つのクエストを20分足らずで終えて戻ってきた時には、受付のお姉さんの顔はもう青くなっていたようだけどここまでくると笑えて来る。

 始まりの街の住人掲示板に張り出される依頼は、全部で50種類である。

 私はこの前クリアした薬屋のクエストを含めるとそのうちの31個をクリアしたことになる。

 もう街の人たちの多くと私は顔見知りになったと言っていいだろう。


 一応、今まで受けた30個の中でも面白いクエストはあった。

 それに何よりクエストをクリアした時に聞くことができる街の人たちのありがとうの言葉が、なんだかとても嬉しくて、それでついはりきってやってしまったのだ。

 そのおかげもあってかクエストの報酬でもいくつか有用なものが手に入った。

 スキルが2つと、魔法が1つ。そして調合のレシピが1つもらえた。

 最後の調合のレシピについては先に調合のスキルをもらっていない場合でも報酬でレシピがもらえたのかどうかはわからないけど。


 ここで手に入れたスキルと魔法について言っておく。

 まずはスキルの方から。


 〇ダッシュ

 街中での移動速度が上がる。常時発動。


 〇バックガード

 戦闘中、背後から攻撃された場合に受けるダメージが25%減少する。


 ダッシュのスキルは、残念ながらフィールドでは効果はない。

 しかしこのスキルをとったおかげで街中を早歩きというか、普通に歩いてるのに走っているのと同じ速度で移動ができるようになった。

 風邪を引いてしまった郵便局員に変わって手紙をあちこちの家に配達するというクエストだったけど、あの郵便局員の人はあの後どうなったのやら。


 そしてバックガードの方は戦闘用のスキルで効果は文字通りである。

 ようは背後から奇襲してくる敵とか、回り込まれた時などに少しだけ役立つといったところ。

 もっとも、私は割と素早い方なので後ろから攻撃されることはほとんどないだろうけど。

 なんか、街の道場へ行って100回くらい柔道の受け身を取るだけで依頼達成になったんだけど、あの依頼はなぜ出したのだろうか?、今でも意味がよくわからないクエストだった。


 そして魔法の方についてだが、これは結構使えそうなものだった。


 〇マジックカウンター

 無属性の初級特殊魔法。自身の体に作用する。

 戦闘中、魔法攻撃を受けた場合に5秒間だけ自分のSTRとAGIが25%アップする。

 魔法の効果時間は5分。

 消費魔力:10 再使用可能までの時間:10分


 ようは敵から魔法攻撃を受けた直後だけ、反撃として5秒間だけいつもより強い一撃をお見舞いできるよというまさにカウンター攻撃用のスキル。まあ反撃は物理攻撃なんだけど。

 依頼主はなんとあの魔法屋のおばあさんだった。

 依頼内容については獣の爪、ホーンラビットの角、そしてマッドプラントの種の3つのアイテムをそれぞれ10個渡すというもので、私はお婆さんに話を聞いて即座に渡した。

 元々持ってたからね、それ。というか今まで一切使う機会なかったから溜まってたんだけど。

 魔法屋のおばあさんも驚いてたけどすぐにアイテムを受け取ると報酬の巻物をくれた。


「ふうむ、まあ一旦ここら辺でやめとくか。薬屋に行こう」


 そう、そして私は新しく手に入れた調合のレシピ、そのアイテムの作成をするべくまた薬屋へと足を運ぶのだった。それはもう軽快な足取りで、期待に胸を膨らませながら。



今回、アストレアが達成したクエストについて。

あまりにも大量にあったため本編ではほんの少ししか触れませんでしたがここでいくつかご紹介します。

なお、ここで紹介するクエストの内容は今後本編に一切関係はないのでご安心下さい。


〇1人暮らしのおじいさんの家に行き、おじいさんの話を10分間聞く。

〇いなくなってしまった飼い猫の捜索。(※制限時間15分)

〇好きな男の人に今好きな女性がいるのかどうかを代わりに聞いてきて、女の人に教える。

〇井戸から水を10杯汲んでくる。(※約500メートルの道のりを10往復)

〇母親とけんかをしてしまった男の子の仲直りの手伝いをする。

〇ストーカー被害にあっている女性、犯人の男性を捕まえること。

〇旦那の浮気調査

〇よくわからない品の入った紙袋の受け渡し。(※紙袋の中身を見てはいけない)

etc……


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