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人の話を聞けや。 

 

 

 

 其処に居たのは一人少年だった。

 柴犬を連れた少年。


 黒い髪に目。

 黄色い肌。

 普通の日本人と言うことが分かる。

 背丈は可也低い。

 年齢は十代前半。

 恐らく中学生ぐらいだろう。

 学校指定のジャージ姿。

 普通の少年だ。

 可也小さいから恐らく去年まで小学生だったのだろう。


 其れは良い。

 其れはまだいい。

 

 良いんだ。

 

 問題は少年は乗っていたのだ。

 

 柴犬に。

 

 馬に乗るみたいに。

 

 ……。

 ………。

 …………。

 

 ゑ?

 

 

「化け物その人を離せっ!」


 ヨタヨタ。

 ヨタヨタ。


 ふらつく柴犬。

 重そうです。


 

「エ~~ト」


 困惑する化け物。

 僕も困惑する。

 


 ヨタヨタ。

 ヨタヨタ。

 

 柴犬は小柄とはいえ人一人を載せているせいかふらついてる。

 というかキツそうだ。

 普通に重量オーバーである。

 柴犬だから当然だ。

 というか犬全般人を乗せるのに適してない。

 

 ヨタヨタ。

 ヨタヨタ。

 

 ふらついてます。

 ふらついてます。

 可愛そうです。

 やばい。

 可哀想過ぎる。

 

「クウウ~~ン」


 縋り付く様な目で僕を見る柴犬。

 其の目には涙が溢れている。

 可愛そうです。

 凄い可愛そうです。

 

「おいっ!」


 思わず少年に文句を言いたく成る位です。


「みなまで言うな御兄さんっ!」

「あ~~」


 僕の言葉をぶった切る少年。


「直ぐに助けてやるっ!」

「いや柴犬から……」


 話聞いて無いコイツ。


「太郎も同じ気持ちだっ!」


 柴犬の頭を撫でる少年。


「……」


 あかん。

 こいつはあかん。

 人の話を聞かないタイプだ。

 縋り付くような目で見る柴犬から目をそらす僕。

 ごめん。

 コミュ障ぎみな僕には荷が重かったみたいだ。

  

「言葉も無いみたいだなっ!」


 はい。

 言葉も無いです。

 というか柴犬から降りろ糞餓鬼。

 しばくぞ。

 

「……」


 化け物も言葉がないみたいです。

 というか反応に困って居るみたいだ。

 気の毒に。

 おかしいな~~。

 先程まで恐怖しか感じなかったのに親近感を覚えるのですが。

 化け物に。

 というかストレス獣に。



「化け物……いやストレス獣よっ! その人を離せっ!」

「コシャクナッ! キサマナヲナノレッ!」


 あ……。


 再起動した。

 化け物改ストレス獣。

 アレ?


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