落着
「じゃあばれちゃったんですか!?」
全部話した後、花ちゃんは大声で叫んだ。
「うん…ごめん」
「ど、どうするんですか!犯人と間違われて襲われ
でもしたら!」
「や、やばいかも」
たしかにこの状況はまずいな…。
「ほら、でもあれだよ。顔が割れただけで居場所までは分かんないからさ」
「ばれちゃってるよ便利屋さん」
そこには清水隆之介が立っていた。
「うそじゃん…なかなかやるな。」
「さぁ、たっぷりお礼をしてやんないとな」
清水が近付いてくる。その前に立ちはだかったのは花ちゃんだった。
「違うんです!私達犯人じゃないんですよ!」
「あぁ?誰だお前。こいつが盗聴してたことが立派な証拠じゃねぇか」
「ちょっとまて!盗聴したのは確かだがそうすることでのメリットは無くないか!?」
「犯人がなに考えてるかなんて知らねぇよ。そもそも友達一人を省けって命令が意味不明なんだからな。おらどけ。」
花ちゃんが押し退けられる。くそっ、どうにかして話し合う手はないか!
「隆之介?」
その声の主は入り口にたっている吉野のものだった。いつの間に…ドアが開いたとわかるベルでもつけないとだな。
「なんで吉野がここにいんだよ…」
清水の声は静かだった。しばらく考えた後、清水は状況を飲み込んだ様だった。
「ふーん…。なるほどな。全部分かったよ便利屋さん」
「君が頭の切れる人でよかったよ」
俺らは全員で吉野君に皆がなぜ無視をしたのか、教科書を処分したのかを説明した。
「じゃあ、あれってこと?別に俺が悪い訳ではないのか」
「いや吉野くん。そうとは限らない。吉野君を名指しで省けと命令したのには吉野君への恨みがあるかもしれない」
少なくとも吉野君は安心したように見えた。だが、これで仲良くなりました。めでたしめでたしとはいかない。
「清水くん。この写真の万引きは本当なの?」
「まぁ…」
「じゃああれだ、一緒に謝りに行くか」
「は、やだよそんなの」
「だだこねない。これ以上ハードな命令が来たらどうすんの。謝るのが得策
。このゲームは君の敗けだ。」
「…ちっ。わかったよ…」
店にはこっぴどく怒られた。だが、学校に連絡いくこともなく、厳重注意と支払いですんだ。とりあえずこれで友達の仲を遮るものはごめんなさいによって除かれたわけだ。結局何もスマートにいかなかったな。子供の頃の英雄はこんなんじゃなかったはずだったんだが…。
まぁとりあえず、こうして俺らの初めての依頼は無事幕を閉じた。