↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
6/24

サナの場合⑥



ごめん。行けなくなった。

彼女が犬の散歩中にこけたみたいで、今から病院に付き添って行ってくる。



返信の文章が思い浮かばなくて暫く画面を見たまま固まる。


犬の散歩?

こけた?

へーって感じ。


何も今日じゃなくても、タイミング悪としか言いようがない。



藤堂さんには八年近く付き合ってる彼女がいて、籍は入れていないけど週末婚みたいな形のパートナーがいるのは理解している。


私にもシンがいる。

それはお互い様。


それはそうなんだけどさ……。



綺麗に塗られたフレンチネイルを見つめながら、小さくゆっくりため息を吐いた。


このまま帰りたくないなー。


こんな着飾って来たのに、ナシって意味分かんない。


マスターにビールを頼んでから、言いたい言葉を全部無理矢理押し込んで、「了解」とだけ打ち込み、送信ボタンを押した。



よく冷えたビールを一口飲み込む。


スカッとした炭酸に反して、どんよりした気持ち。


暇つぶしにラインのともだちリストを眺めていたら、懐かしい名前にぶつかる。



ユキヤ、元気かなー。


大学の時に一瞬だけ付き合った人。


私には手に負えなかった遊び人。


たしか、一つ年下だったなー、まで思い出して、「久しぶり」とだけラインを送った。



何か始まって欲しい訳じゃなかった。

ただの暇つぶし。


真っ直ぐ家に帰りたくない子供の道草みたいなもの。



なのに、こういう時に限って、フワフワと軽いタイプの男はタイミングがいいのか悪いのか……。


「久しぶり、どうしたの?ビックリした。暇なの?」


即レス過ぎてこっちがビックリする。



2分以内に届いた返信。


「一人で飲んでる」


「どこ?俺も暇だし行くよ。久々会いたいし」


展開早すぎって、思いながらもユキヤに会いたくなっている自分がいる。


やめておけ。


そんなセリフが、遥か遠くから聞こえた気がしたけど、悩んだのは数秒で、結局は店名とマップを添付して、紙飛行機マークを押していた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。