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ハーフエルフの父  作者: タマツ 左衛門


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エルフ湯 エルフの建設力(チカラ)

エルフの里国でのお風呂作り、女王ユーカナーサリーが命名した『エルフ湯』。

一度建設をスタートしたのだけれども、1ヶ月ぐらいが経過して、諸事情が有り、1からやり直しとした。

それは、私の持つ日本式のお風呂、銭湯のイメージがエルフ達の間で上手く理解と共有が出来てなかったから。

それは現場全体の進行具合に支障をきたしてしまった。

士気が上がらなかったって事かな。

女王様は『イメージを伝えろ』とおっしゃられたが、やはり私の一方的な想いだった。

何よりイメージを受けた相手エルフは未知の事柄に対しての事だった。

エルフは未知の事柄に対しての考察する。色々な方向や目線を変え、時には周囲を巻き込んで、答えや予想される結果を導き出す。

しかし、予想される結果に辿り着けない、曖昧なままの状態に対して、エルフは戸惑う。

「取りあえず、やってみるか」「えーい、やるだけやって、それからだ」的な考えや行動が苦手である。

エルフ達は真面目で天才的な頭脳を持ち、肉体的な力も持ち合わす。

でも私から見ると、余裕と言うか遊びの部分が少ない。

遊びの部分が殆どを占める、私なんかから言われるのは、お門違いと思われてるだろうけど。

そんなエルフ達に“丸投げ”で良かったのだけど、やはりその度合いは考慮しないとな。

金銭的な損得が発生しない分、逆にもっと神経を使ってあげるべきだった。反省。


『エルフ湯』建設のやり直しを命じてから1ヶ月。

驚異的なペースで『エルフ湯』の建物、大浴槽、サウナ室、水風呂と施設の一通りが完成した。

驚異的なペースと言い表したのは、彼らには大型の重機も工作機械も無い。

テコの原理や歯車や滑車を組み合した機械と呼べる大型の道具は有る。でも基本は手作業だ。

森林で木を切り倒し、加工して建設木材とする。

山に入って、石切り場から石を切り出し、運び、加工する。

重労働の何者でも無い。

特別な報酬も無い。

エルフの里国の王の『我儘であり、皆に繋がる物』の言葉だけで動いている。


『エルフ湯』(建物全体)が出来た。

それは平家で学校の体育館ぐらいの大きな建物!大きな屋根も乗っている!木造で立派過ぎる!

中に入ると、直ぐに番台も有る。左右に分かれて『男湯』『女湯』が線対称に美しく正確に作られている。

中の造作も完璧だ。

高めの天井、板張りの廊下。窓も有る。

大浴場に入ると、大浴槽、サウナ室、水風呂、洗い場も。

脱衣場も、ロッカー相当の仕切られた棚、湯上がりにくつろぐスペース、、、私の知る銭湯と遜色が無い!むしろ、自然素材で作られてる『エルフ湯』の方が立派で好感が持てる!

凄いすごいスゴ過ぎる!

でも、何かが足りない。何だ?

あー、『のれん』だ。

銭湯はのれんを潜って入らなくちゃっな。

立派に立ち上がった『エルフ湯』に対して、私の発想が貧弱。


今日は建物、施設が完成した事を受けて、設備や運営についての打ち合わせだ。

水の引き込みからお湯への変換、薬草湯の水槽。

水をお湯へと換えるのに“熱鉱石”が使われるが、私は『術』が使えないので、エルフ達にお任せだ。

この辺りの事は、リーザが請け負って、間に入ってくれる。

洗い場にシャワー相当の個別に出る流し湯。

お風呂上がりに飲める水飲み場をお願いした。

これには、ズレヅノォグロマジチキシェ(建具屋さん相当)が、ワンタッチ(レバーを引く)と一定量の水が流れ、シャワーになったり、水飲み場ならコップなりに水を受ける、自動的な水道を作ってくれるとの事だ。

仕組みについては、詳しくは聞かない事にした。(すぐに理解出来るか自信が無かった)


続いてサウナ室だ。

これは、リーザが説明しても、使い方のイメージが伝わらなかっただろう。

ただ、サウナ室自体は木組で箱部屋を作る事なので、問題は無かったみたいだ。でも、やはりその運用方法だ。

「リーザ、熱鉱石に水を掛けて、蒸気を作ろうと思うけど、温度設定とか、どうすればいいんだろう?」

室内の台座に積み上げた、熱鉱石に『術』を流し込んで熱を発生させる。

でも、熱鉱石の温度調整って?

「熱鉱石の熱さ、温度調整ですが、感覚的な事となります。でもですね、一定の温度と成るべく、熱鉱石に記憶させる事は可能です」

良し、熱鉱石を50℃ぐらいに設定してもらおう。

「リーザ、実際に今出来る?」

「お任せを」

リーザが、このサウナ室の中央の台座に積み上げられた熱鉱石に向かい、『術』を流し込む。50℃に設定だ。

熱鉱石が熱を発しているのが分かる。熱鉱石から陽炎が立ち上っている。

密閉度を高く組んでもらったこの部屋が熱っせられる。汗ばんで来た。

頃合いを見計らって、熱くなった熱鉱石に用意しておいた桶の水を掛ける。

『ジュバァー』

と、熱鉱石に掛けられた水は、一気に湯気となり、サウナ室に水蒸気が充満した。

雰囲気は出た。でも、これでいいのか良く分からない。

ネットか何かで、帰ったら調べ直そう。


一通り見て回って、ザドエッタと話しあった。

水の引き込みは、ジオジエラ湖から水車で水を回すそうだ。

水配管も来ているし、地下の下水道への繋ぎ込む工事も終わっているとの事。

下水道へは、常に排水を回す事になり、下水道全体にいい影響となるだろうとの話しだ。

後は建物内の水配管の構築だ。

建物建設の順番としては、前後してしまうかも知れないが、設計図も無ければ作業手順も無い中、よくぞここまで作りあげたな。

今日、目にしたエルフ達も心成しかいい顔している!


ザドエッタに作業しているエルフ達を集めてもらった。

「皆さんご苦労様。素晴らしい!皆さんの素晴らしい働きで、素晴らしいお風呂が出来ました。私は、こんな言葉しか言えませんが、王もお喜びになると思います。今日の報告をしたら、直ぐにお風呂に入らせろと急かされてしまうかも知れません」

あー、やっぱ反応薄いわ。

「ラストスパートになるのかな。引き続き誰も怪我無くお願いします。そして完成の時には、皆で一緒に『エルフ湯』に入ろう!」

「「「おぉぉ~う!」」」

良い、返事でいいんだよな?

隣でリーザが微笑んでくれてるから大丈夫だよな。


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