魔法祭、幼馴染みとの決勝!
「さて、今日は魔法祭か......ルナのやつ、張り切りすぎてとんでもない魔法を使わないといいがな......」
武闘祭から2日後、ついにもう一つの目玉、魔法祭の日になった。魔法際には武闘祭とはまた違った懸念がある。それがルナだった。あいつに至っては魔法が絡むと見境がなくなるからだ。つい先日も前哨戦と称してランクが一つ上のAランク級の魔物を討伐して来たほどだ。
「とりあえず、俺もうまく加減しながら戦うか......」
さすがにまだ7歳である俺がいきなり上級魔法なんて使ったらそれこそいろんな意味で大変なことになる。そこはうまく加減しないと俺自身で墓穴を掘ることになってしまう。さすがにルナもそのことは分かってるはずだが、気分屋のあいつのことだ。あんまり期待はしないでおいた。そんなこんなで、俺は魔法祭が開催される会場に向かった。
魔法祭の会場に入り、説明を受けた俺は、そのまま控室に戻った。そこにはすでにみんながいた。楽しそうにしてるルナやデールは良いが、他の3人はどこか気乗りしてない様子だった。まあ、あえてここには触れておかないことにする。
ルールは武闘祭とほとんど変わらない。自分が使える魔法を最大限だし、相手を戦闘不能にしたり降参させたら勝ちというルールだ。魔法祭でいう戦闘不能というのは、自分の魔力が無くなったり、気絶したりしたときのことを言う。まぁ、俺の場合は魔力が減ることはないからその心配はなさそうだがな。
そんな中、魔法祭が始まった。ルナも俺も、相手に怪我をさせないようにある程度加減をして魔法を放つようにしていたため、基本的に使っていたのは初級魔法だった。それでも冒険者稼業で鍛えられた魔法の技術と魔力のせいもあって、初級魔法でも凄まじい威力を持った攻撃になってしまったこともしばしばあった。それを見せるたびに会場からどよめきに似た歓声が俺たちに飛び交うんだがな......。
結局、ルナは準々決勝でミリアを破り、準決勝でデールを破って決勝進出を決めた。一方俺は、意外にも勝ち上がっていたトランを準々決勝で破り、準決勝は同じクラスのコール・リスマンと言う男の子を下し、決勝進出を決めていた。
そして、俺たちの思っていた通り、決勝は俺とルナの対決となった。ここは少し気を引き締めないとな......。
「それではこれより、セレン・ディクトリアとルナ・ハルバンによる魔法祭決勝戦を行いたいと思います!では......始め!!」
決勝開始の合図が出た。だが、俺たちはまだ何もしてない。いや、あえてしてなかったんだ。
「セレンとこうやって戦うの初めてかもね?」
「だな。基本的に一緒に戦うとかしかしてなかったしな」
「でも、私は嬉しいよ?こうしてセレンと戦える日が来たことが!」
「ああ、俺も前からお前とは一度戦ってみたいって思ってた!」
「負けないからね!セレン!!」
「来い!ルナ!!」
そして、短い語り合いが終わった後、早速ルナが仕掛けてきた。
「行くよ!風牙流!」
「おいおい......いきなり中級魔法かよ...」
いきなりルナが出してきたのは風の中級魔法風牙流だった。鎌風を起こした衝撃波が俺に襲いかかってきた。見ると、前よりも鎌風の規模が大きくなっていた。よほど鍛錬を積んでたんだな。周りのギャラリーたちはいきなり出た中級魔法に言葉も出ない状態に陥っていた。
「ならこっちも、風牙流!」
向かってくる風牙流を迎え撃つように俺も風牙流を放った。俺が放ったそれは、ルナ以上の突風と衝撃波を生み出し、ルナの2倍近くはある鎌風を生んでいた。そして、それはルナの風牙流を巻き込み、そのままルナに向かって行った。
「やっぱりセレンはすごいね!それなら......暴風!」
ルナは両手を前に突き出すと、そのまま詠唱をした。詠唱した魔法は......風の上級魔法、暴風だった。巨大な竜巻と強烈な烈風が起こり、もはや台風の時に近い状態となっていた。ギャラリーはもはや何が起こっているのか理解ができなくなっていた。あ〜あ、とうとう上級魔法使っちゃったな......。後で先生たちになんて言われることやら......。そうこう言ってる間に、巨大な竜巻が俺の元に近づいてきていた。さすがにあれを生身でまともに食らってはひとたまりもない。
「ま、ルナには悪いが、この勝負勝たせてもらう。.......特別に見せてやる。超級魔法......竜巻烈風!」
俺は片手を突き出し、その魔法を”無詠唱”で放った。この魔法は半年ほど前に制御に成功して自分のものにした風の超級魔法だ。放つと3つの竜巻が対象の相手を取り囲み、相手にダメージを与えるといった効果を持っている。今回もそうで、対象はルナの暴風とし、それを打ち消すべく、3つの竜巻が取り囲んだ。そして、ルナの魔法を包み込んだかと思うと、次に魔法が解けた時にはルナの暴風は跡形もなく消え去っていた。
「すごーい!何この魔法!?」
「風の超級魔法だ。お前にもそのうち打てるようになるさ」
「私、この魔法使ってみたい!セレン!この戦いが終わったら教えて〜!」
まだ試合中だって言うのに、もうこの後の約束を交わそうとしてくるルナに。ある意味すごいなと思った俺だった。
結局、この試合は俺たちが互いに魔法を放ち続けて楽しみすぎてしまったこともあって、制限時間が過ぎてしまい、俺とルナの同時優勝ということになった。周りのことはこの際もう気にしてなかった。チラリとみたけど、もはや信じられないといった目や顔をしている奴がほとんどだった。でもそんなことは今となってはどうでもよかった、だって、俺もルナもこの時は同じ気持ちだったからだ。
「楽しかったから良い!!」
という思いを胸に残しながら、俺たちの魔法祭は幕を下ろすのだった。
はい、結果は同時優勝でしたね。
次回からはまた違った展開になるかもです!




