魔力量の測定
「試験って?」
「ああ、そんな身構えなくても大丈夫だよ。試験って言っても魔力の測定をするだけだから」
「そうなんだ?」
「はい。基本的にほとんどの方はこの測定を行なってから初めて冒険者として登録をします。そして申し訳ないのですが、万が一規定の魔力をお持ちでない場合は残念ながら登録を許可することはできませんのでご理解を......」
どうやら必ずしも冒険者になれるというわけではないようだ。
説明を聞いた後、俺たちは受付のお姉さんが持ってきた魔力測定器を使って魔力測定を行うこととなった。
「こちらの水晶に手をかざして頂ければ現在のあなた達の魔力量がこの水晶に数字となって現れます。冒険者登録が許可されるのは【魔力量100】が絶対条件です。では、お先にルナさん、お願いしますね!」
「はーい!なんかワクワクするね!」
いつものように目をキラキラさせながらルナは水晶に手を添えた。
「わ〜なんか光り始めたよ!」
手を添えた途端、水晶は淡く光始め、その光がルナをゆっくりと包んでいった。しばらく光続けた後ゆっくりと光が弱くなっていき、消えた。
「お疲れ様です。魔力量は......せ......1000!!?」
お姉さんは信じられないと言った表情を浮かべたまま答えた。周りを見ると、魔力量1000という単語に驚いたのか皆んなお姉さんと同じ表情を浮かべていた。
「へーそれってすごいんですか?」
「すごいも何も今までこんな魔力を持った人が登録しにきたことなんてないですよ!今までだってせいぜい魔力量500が一人いたぐらいですし......」
どうやらルナは俺の思ってる以上にすごいらしい。まああの魔法を見れば納得もするが。
「確かにこれには驚いたな......俺も魔力測定を受けたが300止まりだったからな」
父さんも十分にすごいと思うが、ルナの魔力量を見た後だとどうしても霞んでしまうな。
「これはとんでもない超新星が現れましたね!今後の活躍にも期待が持てます!」
【超新星】という烙印を押されたルナだった。
「さて次はセレン君お願いします」
いよいよ俺の出番がきた。一応俺の魔力量はステータス画面を開いて確認済みだ。無論、魔力は無限だ。だが、普通はステータス画面はその魔法術を知らないと開くことができない。冒険者でも上の方だと使える人も多いらしいのだが、まだ冒険者にもなっていない人たちには使えない人がほとんどなのらしい。だからこそここで自分の魔力量を確認させることで自分がどのレベルなのか認識できる。
「(俺が触れるとどうなるんだ?)」
俺の魔力は無限だ。数字は出てこない。ならば無限という文字が出てくるのだろうか?......考えても答えは出てこなかった。
まあいい。触れればわかるだろ。そう思って俺は水晶に触れてみた......すると......
「バリーーーン!!!!!」
......水晶が粉々に割れてしまった。どうしよう。
「え?え、えええ!?」
何が起きたのか理解が追いつかない様子のお姉さん。無論周りの人たちもだ。
「あの......?これってどうすればいいんですか?数字がわからないんですが?」
「ちょっと待っていてください!すぐに替えの水晶をお持ちしますので!」
慌てて裏に引っ込むお姉さん。そんなに急がなくてもいいんだが......。
「いや〜お前には驚かされっぱなしだな。水晶を割るなんて前例聞いたことないぞ」
「まーセレンならやりそうだったけどね!」
その間ルナと父さんに冷やかしをたくさん言われた。というか割れるのは予想外だった。せいぜい魔力が強すぎて反応しなかったりとか異常な反応をするとかそう言った反応を期待していたかったのだが。これでは変に目立ってしまう。あまり目立ちたくはない。
その後、新しく持ってこられた水晶にも手をかざしてみたがやはり結果は同じで、粉々に割れてしまった。
「故障ではないようですね......つまり、この水晶では測り切れないほどの魔力を持っていることでは......?」
お姉さんが何かぶつぶつ言っていた。やはり不審に思っているようだ。
「おい、結局セレンはどうなんだ?」
父さんが心配する様子で尋ねた。
「はい、こうなってしまうと私の判断だけではどうしようもありません。少々お待ちを、ギルドマスターに相談してきます」
そう言って再び裏に戻るお姉さん。さっきから忙しい人だ。
セレンが冒険者になるには一体どうすれば?




