5 CIA四天王集結! 逆襲!草原のクサッパ!(後編)
草原のクサッパは四足獣のごとく――否、実際に四足獣と化しヤエベニへと突進!
彼は己の肉体をトラのごとき獣人へと変身させる能力を持つ!
獲物を追う瞬発力と速度は平地において右に出るものなし!
鋭い爪に削られた芝が舞い上がる!
遅れること数秒!
天空のケーンはオスプレイのごとく上昇しクサッパの後に続く!
地下鉄のトーマス、深海のマコはヤエベニの左右を固めに動く!
「やはり突出してきたか! 愚かな小僧よ!」
ビームクナイを構えるヤエベニ!
突っ込んでくるクサッパの攻撃をかわしカウンターで仕留める算段!
――しかし!
ギイイイイイインンンン!!
「――!?」
ヤエベニの胸部装甲に亀裂!
深々と爪の跡が残される!
ヤエベニのカウンターは失敗! 相手が速すぎる!
すれ違いざまに一撃を加えたクサッパがターン!
「どうだああああああああああああ!!
装甲くノ一いいいいいいいいいい!!
狩らせてもらうぜえええええええ!!」
(――速い! 以前よりも!!)
カウンターを諦め、両腕を盾にするヤエベニ!
首と心臓、急所へのダメージを警戒!
クサッパが往復するたびに装甲へ爪痕が刻まれていく!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの左肩装甲に亀裂!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの右肩装甲に亀裂!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの左オシリ装甲に亀裂!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの右オシリ装甲に亀裂!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの左太もも装甲に亀裂!
ギイイイイイインンンン!!
ヤエベニの右太もも装甲に亀裂!
「お前のおかげでええええええええええ!!
十分に休ませてもらったからなああああああ!!
今の俺はベスト・コンディションんんんんん!!
ぶっ殺してやるうううううううううううう!!!」
「――ちいい!!」
背面スラスターを吹かし上空へ逃れんとするヤエベニ!
しかし!
「オスプレイ・キイイイイイイイック!!!」
ゴシャアアアアアアアアアアアア!!!
恐るべきオスプレイ宙殺拳!
追いついた天空のケーンがヤエベニを撃墜!
河川公園の芝地に背中から叩き付けられる!
「とったぞおおおおおおおおおおおお!!!」
起き上がらせまいと草原のクサッパがヤエベニに跳びかかる!
両腕を押さえつけられ無防備となるヤエベニ!
各種武器の使用、そして防御手段を封じられる!
クサッパの口から覗く太く鋭い牙!
首に噛み付き、とどめを刺すつもりだ!
「これが俺の本当の力! 人が獣に勝てるものか!!」
「……なるほど、確かに想定外のスピードだ」
抵抗することなく、真っすぐにクサッパを見つめるヤエベニ!
この状況から自力で脱出することは不可能!
「さすがは草原の。我らが手を出すまでもないか。
これで屈辱を晴らすことができよう」
暴走気味のクサッパを心配していたトーマス。
勝敗が決した様子に安堵する。
「この様な地形での戦いはクサッパの最も得意とするところ!
装甲くノ一……見誤ったな!」
天空のケーンは上空からクサッパを見守る!
「孤立させれば勝てると思ったようだが――残念だったな!
俺は一対一において最強! 俺に勝てる者はいない!!」
「そうだな……確かにお前は強い。……一対一ならな」
――直後!
クサッパの右肩から左肩にかけて弾丸が貫通!
弾道上の骨、筋肉、神経その他組織を破壊!
ヤエベニの腕を拘束していた腕力が喪失!
クサッパの体勢が崩れた隙を突きヤエベニは背面スラスターを噴射!
脱出と同時にクサッパの頭上を取る!
――タアアアアアアアアアアアアアンンンン!!
やや遅れて聞こえる銃声!
「な!? ま、まさか!?」
「そう、そのまさかだ」
「伏兵だとおおおおおおおお!?」
「相手が一人だと勝手に思い込んでいたようだな」
ヤエベニの右腕、その装甲が展開!
手のひらにエネルギー粒子が集束、光弾が形成される!
草原のクサッパは理解する!
己は狙撃された――そして!
ヤエベニは初めからこの状況を作るために動いていた!
「その姿、運動能力、確かに脅威だ。
だが所詮は獣。その攻撃手段は限定される。
爪で傷つけ、牙で息の根を止める。
貴様がどう動くかは容易に想像がつく!」
「碌な抵抗を見せなかったのも……!」
「私が動かなければ貴様も動く必要がない。
いくら速く動けようが……動かなければただの的!
厄介な相手は確実に仕留めさせてもらう!」
「馬鹿な……! 狩られていたのは――」
「そう! 私ではなく貴様だ!」
ヤエベニが光弾を発射!
至近距離からの直撃を受ける草原のクサッパ!
「くそおおおおおおおおおおお!!!
ぶっ殺――」
チュドオオオオオオオオオオンンンン!!!
爆発! 木っ端みじんと化す!
CIA四天王・草原のクサッパ、アララ・リバー河川敷公園に散る!
◆◆◆
――アララ・リバーを挟み一キロメートルほど。
埼玉県戸田エリア、とある建物の屋上。
スナイパー・ライフルに次弾を装填する者の姿あり。
「獣が人を狩ろうだなんて……なんて思い上がりでしょう。
獣ごときが――銃を持った人間に敵うわけないでしょうに」
小さく嘆き、銃を構えスコープをのぞき込む。
その者は――腰まで伸びる長い黒髪を持ち――なんと巫女装束姿!
そう! 彼女こそは装甲くノ一・ヤエベニの助っ人日本人!
その名はスナイパー巫女・乃木ののぎ!
本業は巫女! その傍らスナイパーとしても仕事を請け負う可憐な美少女だ!
「さすが装甲くノ一、情報通りの動きね」
タアアアアアアアアアアアアアンンンン!!
乃木ののぎが発砲!
二発目の弾丸が向かう先は――天空のケーンだ!
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