表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球真拳カミカゼ ~ま、まさか!?→そのまさかよ!!~  作者: 関 涼太郎
第四話『新奥義開眼!殺人忍法破れたり!』
35/88

4 魅惑の殺人お遊戯! 幼稚園対日本!

 シン・巣鴨(すがも)コロシアム闘技グラウンド。

 対峙するのは幼稚園代表、魔野(まの)ゆかりと――日本代表、フジヤマ・サムライ丸。

 決勝トーナメントBブロック一回戦第二試合である。


「「キャーキャー! ワーワー!」」


 幼稚園セコンドテント内ではしゃぐ幼稚園児!

 魔野ゆかりが所属する土星幼稚園よもぎ組の学友たちだ!


「さあ、みんなで応援しましょうね!」

「「ハーイ!!」」


 土星幼稚園教諭、柚上(ゆずかみ)マリコ28歳人妻が音頭をとる!


「ゆ・か・るぃ! ゆ・か・るぃ!」

「「ゆ・か・るぃ! ゆ・か・るぃ!」」


 隣には日本セコンドテント!

 護衛の武士に守られた内閣総理大将軍が鎮座する!


「ええいクソガキめら! 上様(うえさま)のお側でバカ騒ぎしおって!

 切腹を申し付けてくれるわ!!」

「まあまあ、よいではないか。子供は国の宝! 元気が一番!」


 御側役(おそばやく)の後期高齢者、船倉(ふなくら)タコベエをいさめる将軍!

 日の丸の扇を広げ身を乗り出す!


「サムライ丸! 見事勝利してみせい!!」




 ゴオオオオオオオオオオオオオオオンンンン!!!


 釣鐘の荘厳的音色が試合開始を告げる!


 水色のスモック、黄色の園児帽姿の魔野ゆかり!

 軟体動物のごとくダラリと脱力! 身体を揺らす!

 対する全身白練色(しろねりいろ)の甲冑武者サムライ丸!

 腰を沈め居合の構えを取る!

 ゆらゆらと左右に揺れながらサムライ丸に接近する魔野ゆかり!


小娘(こむすめ)……貴様、人ではないな」

「ほう……わかるか」


 ぷにぷにほっぺのゆかりがニヤリと笑う!

 ――直後!


「――ムウ!?」

「後ろじゃ」


 一瞬にして姿を消した魔野ゆかり。

 次の瞬間にはサムライ丸の背後にいた!


「怪しげな術を……妖怪変化(ようかいへんげ)の類か!」

「いかにも。我はただのロリッ子ではないぞよ。

 かわいらしい五歳児ではなく……実は1005歳児じゃ!」


 サムライ丸は動けない――否!

 今二人は超スローモーション状態!

 魔野ゆかりの貫手(ぬきて)がサムライ丸の心臓を背後から貫く、その間に交わされるテレパシー的な会話!

 死の直前に見ると言われる走馬燈のごとき時間の圧縮!

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ!


「催眠効果のある舞を見せ相手の脳を支配。

 知覚させぬ間に急所を突き、気づいた時には死……!」

「そう、これこそが必殺の舞! 殺人お遊戯じゃ!」


 ゆっくりと、そして確実に近づくゆかりの貫手!

 サムライ丸は未だ居合の構え!

 超スローモーション時空においてこの差は埋められぬ!

 もはや回避は間に合わない!


「ただの幼女ではないと思うていたが……なるほど、恐ろしい術だ」

「フフフ! 我は幼女であり妖女!

 強すぎるゆえこの世に飽いておったところじゃ!

 (たわむ)れにこの大会に出てみたが……所詮はこの程度、がっかりじゃ。

 とはいえ……()()()()()()()()()ようじゃの?」

「……!」


 ゆかりの貫手がサムライ丸の背に到達!

 超合金『ビャクヤノカネ』で作られた甲冑を容易に通過していく!

 数秒後――現実世界では数瞬後――には心臓を貫く!


「しかし驚いたぞ。これほど長く我と時を過ごせるとはな……!」

「そうだな……俺も初めてだ」

「いかな達人といえど一言二言交わすのが限界!

 すぐにあの世に送ったものじゃが……ッ!?」


 魔野ゆかりが異変に気付く。

 サムライ丸を貫かんとする己の貫手が――()()

 身体の動き全体が……()()()()()()


「な……これは!?」


 目を見開くゆかり!

 その身体は完全に停止!

 背中越しにサムライ丸が告げる!


(あやかし)の者よ……よく見るがいい! 己が何を見ているのかを!」

「何を言って――」


 そして理解する。

 目の前のサムライ丸の背中、さらにその先に――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()


「ま……まさか!?」

「そう! そのまさかよ!!」

「先手を取られていたのは――我の方だった!?」


 ゆかりに背中を貫かれるサムライ丸、サムライ丸の背中を貫くゆかり、その両者が霧散。

 真に残された光景は――ゆかりを斬るサムライ丸、そしてサムライ丸に斬られるゆかり!

 そう! ゆかりの殺人お遊戯でサムライ丸が知覚を支配される直前!

 サムライ丸が瞬時に間合いを詰め、先に居合斬りを仕掛けたのだ!


「さすがは千年を生きる者だ。実際刹那の差であった。

 貴様が先手を取ったと――()()()()()()()()()()()()()!」

「バカな……! この我の上を行くなど……!!」


 必死に回避行動を取らんとするゆかりだが――身体は動かない。

 そして凝縮された時は終わりを迎える!


 メキャアアアアアアアアアアアアア!!!


「……ゴブウ!?」


 魔野ゆかりは吐血1リットル!

 そのまま刀身に弾かれ吹っ飛び、闘技グラウンドの壁に激突!

 さらに吐血1リットル!


「俺のことを人間ではないと言ったな。

 そう……俺は鬼!

 ()()()()()()()()……()()()()()()()!!」


 愛刀『オイナリ』を鞘に納めるサムライ丸。

 その様子を忌々し気に見る魔野ゆかり。

 己がまだ生きていることに驚く。

 彼女は斬られていなかった。

 つまりミネウチ!

 いかなる悪魔的威力の攻撃もミネウチであれば死なぬのだ!


「ぐ……なぜ殺さぬ!?」

「勘違いするな! 別に情けをかけたわけではない!

 千年を生きる妖女……下手に殺して呪われては敵わんからな。

 これからは無暗に人を殺めず、幼女らしくロリって生きるがよい」

「言ってくれるのう……」


 魔野ゆかりが白目をむき意識喪失!

 血だまりの中に崩れ落ちる!

 マスター行司・タチカワが軍配をサムライ丸に向ける!

 日本代表の勝利である!

 観客がワーワー! ワーワーのワーワー!




「見事であったぞサムライ丸!」

「ありがたきお言葉……!」

「祝いじゃ! 寿司を用意させよう!」


 いや、と将軍の誘いを辞するサムライ丸。

 御側役のタコベエが立腹!


「これ! 上様からのお誘いを断るとは何事か!!

 この場にて切腹いたせ!!」

「急ぎの用がありますれば、御免!」


 言うや否やサムライ丸はその場で跳躍!


 パカラン! パカラン! パカラン!


 どこからともなく現れたる白馬!

 サムライ丸はその背に着地し、いずこかへと走り去る!

 果たして彼はどこへ行こうというのか!?


「俺が行くまで生きていろよ……トオル!」


 そう! 彼が向かうはシン・青梅(おうめ)、ブループラム霊山!

 地獄の猛特訓に身を置く神風(かみかぜ)トオルの元である!



 ◆◆◆



「パアアアアアアアオオオオオオオオンンン!!!」


 ――シン・青梅奥地のブループラム霊山!

 神風トオルら探検隊はオウメ・デスインド象の群れに追われていた!

 無造作に生い茂る巨木の間を縫い、時速60キロで走る探検隊!

 地形の悪いジャングルではこの速度が限界である!

 片やオウメ・デスインド象は木々をなぎ倒し一直線に迫る!

 このままでは殺人象に追いつかれるのは時間の問題!

 ――そして、我々の前にさらなる窮地!


「……川!?」


 ジャングルが開け、神風トオル一行の前に現れたのは陸地を分断する巨大な河川!

 向こう岸を繋ぐのは今にも壊れそうなオンボロつり橋!

 明らかに危険であるが、この橋を進むしかない!


「いいか! ()()()()()()()()()!」


 神宮司(じんぐうじ)ゴウショウ、ルリ、トオルの順でつり橋を渡っていく!

 川にはピラニアやワニ、サメなど人喰い生物が生息!

 早く落ちて来いと言わんばかりに殺人的な顔を見せる!

 地獄よりも危険な一級河川、それがオウメ・デスリバーだ!


()()()()()! ()()()()、おい!!」


 神宮司隊長が後続に注意喚起!

 しかし!


「キャーコワーイ!」


 ふらつく神風ルリ!

 貧弱なつり橋の上では少しの揺れが瞬く間に巨大化する!

 上下に激しく揺れるつり橋!


「おい!? 揺らすんじゃない! おい!!」


 おお、見よ! つり橋を張る縄ロープを!

 激しいモーメントにより縄がほつれブチ切れる寸前!

 このままでは崩落必定!


「ええい、ルリ! 少しの間我慢しろよ!!」


 神風トオルがルリを抱え上げ――


「地球真拳! 地球スロウ!!」


 そのまま向こう岸へと投げ飛ばす!

 宙を舞う美少女JK神風ルリ!


「隊長!」

「おう!」


 神風トオルと神宮司隊長が跳躍!

 ()()()()()()()()()()

 一塊(ひとかたまり)となった三人はそのまま川を越え向こう岸に着地!


「痛ーい!」


 尻もちをつき泣き出すルリ!

 ――と、次の瞬間!

 つり橋が崩落、地獄の川の中へと沈んでいく!

 そこへ突進してくるオウメ・デスインド象の群れ!

 川岸で止まれず水中に落ちる!

 そこへ群がる人喰い水生生物!

 最初に落ちた一頭が無残に食い殺される!

 オウメ・デスインド象の群れが反撃!

 丸太のごとき鼻でワニを絞め殺し、捕食!

 川の水ごと飲みこまれるピラニア!

 象の鼻から発射されるダイヤモンドカッターのごとき超高圧放水!

 水中を泳ぐサメが両断される!


「パアアアアアアアオオオオオオオオンンン!!??」


 魔界に突如として響く悪魔的絶叫!

 ピラニアがオウメ・デスインド象を体内から食い破ったのだ!

 瞬く間に赤く染まるオウメ・デスリバー!

 なんというおぞましき弱肉強食世界!

 食うか食われるか、原始の地球を我々は見た!


 そして――探検隊はブループラム霊山最後の難関にたどり着く!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ