3 悲惨な結末! 宇都宮対忍者!(後編)
ワーワー! ワーワー!
シン・巣鴨コロシアムで騒ぐ一般庶民観客!
一回戦第四試合、宇都宮対忍者の戦いが始まろうとしていた!
「いよいよか……!」
地球代表神風トオルが観客席で拳を握る。
この試合の勝者が次の対戦相手となるのだ。
宇都宮代表ギョウザ男は共に苦難を乗り越えた友。
いずれ戦う運命であるが……応援せずにはいられない!
(ギョウザ男……できることなら戦いたくはないが!
拳を交えることを楽しみにしている自分もいる!
勝ち上がれギョウザ男! 俺は待っているぞ……!)
ヨビダシ・マスターがファイターの名を呼ぶ!
「ひがあああしいいいいいい~~~~!
しゃどう~~うげんんんたああああ~~~~!!」
ゴゴゴのゴ!!!
コロシアム東門が厳かに開き、入場する地球ファイター!
忍者代表、シャドウ・ウゲンタである!
――シャドウ・ウゲンタ!
その姿は全身漆黒の忍者装束!
顔は鋼鉄製の額当てとマスクで覆われその表情をうかがうことはできない!
唯一除く両眼は殺人的な光を揺らす!
肩、前腕、下腿部分には装甲!
忍者刀を背負い、首には忍者マフラーがたなびく!
まさしく一般的な忍者の姿である!
実況者がウゲンタの紹介を行う!
『忍者は日本固有の生物!
彼は一体何者なのか!? その一切の情報が不明!
好きな兵糧丸(注:忍者の携帯食糧である!)の味はメロンソーダ!
暗殺を生業とする彼に狙われたら命はない!
秘密を口にする者には手裏剣が飛ぶ!
恐るべき殺人忍法マスターであります!
中でも得意な忍法は――』
――そこまで言いかけたところで!
『ギャアアアアアアア――――ッッッ!!!』
スピーカーで会場に響き渡る悲鳴!
実況者の額から血液が噴き出す!
ウゲンタの投げた手裏剣が突き刺さったのだ!
秘密を口にする者には死!
無言で有言実行である!
ウゲンタの立ち位置から実況席までは100メートル以上の距離!
しかし! プロの忍者にとっては十分射程距離の範囲内である!
死んだ実況者から生きた実況者に交代される!
『えーシャドウ・ウゲンタ氏の得意な忍法は――』
――そこまで言いかけたところで!
『ギャアアアアアアア――――ッッッ!!!』
スピーカーで会場に響き渡る悲鳴!
実況者の額から血液が噴き出す!
ウゲンタの投げた手裏剣が突き刺さったのだ!
秘密を口にする者には死!
無言で有言実行である!
死んだ実況者から生きた実況者に交代される!
『えーシャドウ・ウゲンタ氏の得意な忍法は――』
――そこまで言いかけたところで!
『ギャアアアアアアア――――ッッッ!!!』
スピーカーで会場に響き渡る悲鳴!
実況者の額から血液が噴き出す!
ウゲンタの投げた手裏剣が突き刺さったのだ!
秘密を口にする者には死!
無言で有言実行である!
死んだ実況者から生きた実況者に交代される!
『えー以上で紹介を終わります!』
賢明な実況者である!
地球ファイトの実況を担当する者は優秀なのだ!
同じミスは二度と起こさないのである!
観客がワーワー!
ヨビダシ・マスターが次のファイターを呼ぶ!
「にいいしいいぃぃぃぃ~~~~!
ぎょうざあ~~おとおぉ~~こおお~~~~!!」
ゴゴゴのゴ!!!
西門が厳かに開き、実況者が選手の紹介を始める!
『さあ、対するは宇都宮代表ギョウザ男!
彼は栃木県宇都宮のとある餃子工場で勤務中!
工場で使用していた核融合炉の暴走に巻き込まれ餃子と融合!
その結果誕生した悲しきミュータント!
奇跡的に命に別状はなく!
今では一日五億食を売り上げる名物餃子屋さんです!』
観客がワーワー!
しかし! ギョウザ男が現れる様子はない!
観客がザワザワ!
一体どうしたことであろうか!?
実況者へ緊急の原稿が渡される!
『――!? 今入った情報によりますと!
ギョウザ男選手は控室で死亡が確認されました!
よって忍者代表ウゲンタ選手の不戦勝となります!』
「――なんだと!?」
観客がザワつくなか、思わず立ち上がる神風トオル!
(ギョウザ男が死んだ……!? あんなに元気だったのに!?)
『現場の状況を申し上げますと!
ギョウザ男選手の額には手裏剣が刺さっていたとのことであります!
一体何者の仕業でありましょうか!?』
なななんと!
死因は手裏剣!
つまり他殺!
よって殺人事件!
おお、一体犯人は誰なのか!?
「くっくっく……!」
不敵に笑うシャドウ・ウゲンタ!
「不戦勝とはつまらぬのう!
だが! 試合前に殺されるとは!
ギョウザ男とやらもそこまでの男よ!
フハハ! フハハ! フハハのハ!」
高笑い状態の忍者!
ギョウザ男と神風トオルは同じ栃木県民!
道中、スーパーとちぎ号で乗り合わせた仲である!
(そのギョウザ男が……こうしてはおれん!!)
アリーナ出口に向け走り出す神風トオル!
「兄上!? どうされました!?」
「我が友の死! ゆるゆると座してはおれぬ!!」
妹ルリと師ゴウショウを背に、つむじウインドウズのごとくその場を後にする神風トオル!
ギョウザ男は一般庶民を超越した身体能力を有する地球ファイター!
そう簡単に殺されるとは考えられぬ!
ありえるとすれば……同じ地球ファイターによる犯行か!?
様々な疑念が渦巻く神風トオルブレイン!
(少しでも情報を得なければ!
そして……下手人をつらまえて成敗してくれる!!)
神風トオルの身体が地球パワーに包まれ青く発光!
地球真拳・地球ダッシュの発動である!
その駆け足速度は時速300キロへと到達!
犯行現場に直行である!




